ジョン・ディクスン・カー No.54◇亡霊たちの真昼◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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「亡霊たちの真昼」さながら、悪意という名の幽鬼が飛び交う! ニューオリンズ3部作、第2作!

 
 
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◇亡霊たちの真昼◇ -The Ghosts' High Moon-
ジョン・ディクスン・カー 池央耿 訳
 
1912年10月、作家のジムはハーパー社の依頼でニュー・オーリンズに向かった。下院議員候補のクレイ・ブレイクを取材するためだったが、南を目指す列車内から周囲に不可解な出来事が相次ぐ。クレイを陥れる企ても進展しているらしい。電話の向こうで残念な笑いを浮かべているのは誰か? やがて自殺としか思えない情況下、殺人事件が発生する。不可能犯罪の巨匠による一大ロマン。
 
 
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新聞記者兼作家、自作に負けない冒険をする。
 
 
「モンテ・カルロ伯爵」であたりをとった新聞記者のジム・ブレイクジムはそんなある時ハーパー社の編集長ハーヴィからジムと同名の下院議員候補クレイ・ブレイクを取材するように頼まれ、ニューオリンズへ向かうことになった。クレイ・ブレイクは高級娼婦イヴォンヌとのスキャンダルをはじめ、彼を貶める陰謀があるらしい。果たしてクレイは倒錯した小児性愛を暴露すると脅迫されていたのだ。
 
 
しかしニューオリンズへ向かう列車の中で怪異から始まり、ジムの周りでは不可解な出来事が頻発する。一緒に乗った親友レオや謎の女ジルの様子もおかしくて……
 
 
不可解な出来事はレオの不可解な死で頂点に達した。自殺としか思えないのに武器になった拳銃がどこにも見当たらないのだ。しかしレオには自殺の兆候があり……
 
 
ジムを襲う不可解な出来事、レオの死の真相、クレイを脅かす謎の電話〈ザ・ヴォイス〉の正体は亡霊たちだけが知っている!?
 
 
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「亡霊たちの真昼」です(・∀・)
 
 
ニューオリンズ3部作の2巻です。
今回は少し現代に近づいて1912年。20世紀に入って、バルカン半島が起爆剤に火をつける直前ぐらいですかね。
 
 
ちなみに題名の由来はギルバート=サリヴァンの『ラディゴア』です。アメリカを中心に本当に人気だったんだな。
 
 
オカルトを醸し出した前作とは打って変わり、本書は政治という現実そのものが主軸になっています。話の要が下院議員のスキャンダルですからね。政治と推理小説は現代になってやっとマッチしました。
 
 
今回は主人公が大ヒットしたスパイ作品の作家ということで、さながら小説みたいな冒険をしちゃいます。
ハーヴィ大佐は「ひたすらまともに取材しろ」と想像力豊かすぎるところに釘を刺しますが、ジムはそうともいかず、想像力と推理力を働かせて事件を解きます。
 
 
ぶっちゃけた話、レオの死の方はこんなに上手く行くのか!? 事後従犯どころか共犯じゃない!? と釈然としませんでしたが、ジムを襲う怪異と謎の高級娼婦イヴォンヌの意外な正体はよくできていると思いました。「あー、なるほど!」と。ただイヴォンヌの方は問題が大きくなり過ぎましたがね(苦笑)
 
 
「亡霊たちの真昼」でした(・∀・)/
次は新参クラーク2冊目、「火星の砂」です(*^o^*)/~