オースチン・フリーマン No.3◇赤い拇指紋◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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指紋という揺るがない手がかりを覆し、無罪獲得はあり得るかーーー科学者探偵ソーンダイク博士、初登場作品! 

 
 
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◇赤い拇指紋◇ -The Red Thumb Mark-
オースチン・フリーマン 吉野美恵子 訳
 
 
ロンドンの貴金属会社で、ダイヤモンド盗難事件が起こった。現場に落ちていた紙には、血染めの指紋がくっきりと残されていた。この指紋が、経営者の甥でいずれは共同経営者となるはずの青年、ルーベンの左手の親指の指紋とぴったり一致したのだ。隆線を横切る傷跡まで……。つきつけられた動かぬ証拠が、無実を叫ぶルーベンに科学者探偵ソーンダイク博士への依頼を思い立たせた。法医学の権威ソーンダイク博士が科学的捜査法を携えて、旧友ジャーヴィスと助手ポルトンとともに初登場した、記念すべき作品。
 
 
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半分失業中なわたしことジャーヴィスは旧友ソーンダイク博士と再会する。ソーンダイクは本来医学者だが、ジャーヴィスの知らぬうちにどうやら弁護士もやっているようだ。
 
 
ジャーヴィスはソーンダイク博士の部屋に招かれる。そこに弁護士ローリイと容疑をかけられたルーベン青年がやってきた。
 
 
ルーベン青年はダイヤモンド盗難の容疑をかけられてしまったのだ。現場には血まみれの指紋が残されており、それがルーベン青年のものと一致したのだ。ルーベン青年は無実を叫ぶ。ソーンダイク博士はもし彼が無実なら指紋という高い壁をどう崩すに至る?
 
 
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「赤い拇指紋」です(・∀・)
 
 
新世界も来ず、談話室もミステリ・リーグにも招かれないわたしは半ば何を読もうか迷子中で、仕方なしと言うとかなり失礼ですが← 家にある本書を読むに至りました。
 
 
本書はこちらこちらで名探偵として登場するソーンダイク博士の初登場作品です。
本書は指紋という難攻不落に等しい証拠を壁に無実を証明する話です。
 
 
殺人なしでよくここまで伸ばせたなぁ! 
この話、意外なことに殺人事件無しです。殺人未遂はありますが、狙われたソーンダイク博士自身! それもすごいけど。
いささか冗長な感じも受けますが、ソーンダイク博士の捜査手法とジャーヴィスの恋愛模様がカバーしています←
特にソーンダイク博士の捜査に使うものは説明ないと一般人と読者は訳が分かりませんからね。実際に実験を行ったフリーマンさんに拍手を送りたいです。
 
 
本書のキーパーソン指紋って同じものはないに等しいし、犯罪立証、事件解決で1番の証拠になるものですよね。
本当にそうなのか? 指紋というのは案外容易く偽造できてしまうのではないか? と懸念を受けてフリーマンは本書を書いたと言われています。と、考えると指紋帖というのは実に危険な代物です。現在でもできることかもしれないし。
 
 
「赤い拇指紋」でした(・∀・)/
次はわたし、ちょっとフランスに行ってきます(*^o^*)/~←