アイザック・アシモフ&ロバート・シルヴァーバーグ No.1◇アンドリューNDR114◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




TwitterもといX: 「https://twitter.com/KYoCaTHouWoR
エブリスタ: https://estar.jp/users/153193524

ロボットとは? 人間とは? 200年かけてそれを説いた1人の「人間になりいと願ったロボット」の人生。

 
 
{12C6B575-B325-44A6-95E9-55CBDDB50CC9}

 
◇アンドリューNDR114◇ -The Positronic Man-
アイザック・アシモフ&ロバート・シルヴァーバーグ
 
 
ある日マーティン家に配送されてきた、USロボット社製の家政用ロボットNDR114。下の娘の命名によってアンドリューと名付けられた彼には、どうした偶然からか、本来ないはずの芸術の才能が備わっていた。一家との交流を重ねるうち、やがて彼は"人間"への道を探求し始める。法的自由を求め、衣服を求め、そして人と寸分たがわぬ体を求めた彼が、200年が過ぎるうちに見出した結論とは? ヒューゴー賞・ネビュラ賞受賞の栄誉に輝いた傑作中編「バイセンテニアル・マン」の長編版。映画化原作。    
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆         
 
 
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆         
 
 
「アンドリューNDR114」です(・∀・)
 
 
「バイセンテニアル・マン」の長編版、そして映画化原作です。
 
 
この作品は感涙間違いなしの傑作です。ゆえにヒューゴー賞・ネビュラ賞を受賞し、映画化にもなりました。
本書は中編だったものを映画化すべく長くしたものです。
 
 
中編では書ききれなかったアンドリューの心情や人間とロボットの違い、対比が事細かく書かれています。
本書は「SF」「ロボットもの」と語る前に「人間とは何か?」という根本的問題を語っています。
 
 
最後はやっぱり泣きました。
人間とロボットの決定的な違い、人間がロボットを「生きているもの」として認めることのできない本当の理由がストンとわたしの中に入ってきました。それを認めたアンドリューの行動に泣きました。
 
 
アンドリューは人間になりたいと望んだ。人間と同じものを求め、権利を求め。それでも決定的に得られないものがあった。これを得られない限り「人間」にはならない。
人間として生きたいと考えるのであれば、その果ての答えは1つしかあり得ない。
これが本当に正しいかは分かりません。医学がかなり発達すればこの問題は解決してしまうし。
 
 
しかしそんな時勢にいないアンドリューにとって人間の終わりはとても価値のあるものに見えたのでしょう。それにも涙します。人間であることと人間らしく生きていることがどれだけ尊いかを思い知りました。
 
 
ちなみにロバート・シルヴァーバーグはアシモフの「バイセンテニアル・マン」を長編化したSF作家です。シルヴァーバーグは独自のエピソードを入れずに登場人物の心情をより深く掘ることで長編化を実現しました。わたしは読んでいてその方法を取ってくれたことに感謝しました。ほんとに。
あと彼は「夜来たる」の長編化も行いました。こちらは独自のエピソードがあるそうです。短編も読んで読み比べたいと思います。
 
 
「アンドリューNDR114」でした(・∀・)/
次はエラリー・クイーン(not 探偵)が世界中から犯罪者を引き連れてやってきます(*^o^*)/~