ジョン・ディクスン・カー No.35◇疑惑の影◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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「疑惑の影」は思わぬ場所から浮かび上がる。名弁護士と名探偵の競演!
 
 
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◇疑惑の影◇ -Below Suspiction-
ジョン・ディクスン・カー 斎藤数衛 訳
 
 
”偉大なる弁護士”バトラーが弁護を引き受けた娘ジョイスは、テイラー夫人を殺した容疑で捕われていた。夫人はジョイスと二人きりの邸内で、薬とすり替えられた毒を飲んで悶死したらしい。不利な状況の中、バトラーは舌鋒鋭い弁護で無罪判決をかちえた。が、その直後、夫人の甥が毒殺されたのだ。しかも当地に滞在中のフェル博士によれば、近辺では毒殺事件が多発していた。バトラーとフェル─二人の名探偵が突き止めた血の香漂う事件の真相は? 全篇を覆う無気味な雰囲気の中に巧妙な心理的トリックを用いたバトラー初登場作! 改訳決定版
 
 
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影の持ち主は「外」にいる人物かもしれない。
 
 
自信満々、プライド高い弁護士バトラーはジョイス・エリスという女性の弁護を引き受けた。ジョイスは雇い主のテイラー夫人毒殺容疑で起訴されたのだ。
 
 
「おれは決して間違えない」自信をもって臨んだバトラーは見事ジョイスの無実を獲得する。
ところがその直後、テイラー夫人の姪の夫が同じような手段で毒殺される。ジョイスではない。じゃあ誰が? 
 
 
しかも同じような毒殺事件が近辺で多発しているという。その影に殺人組織の存在が見え隠れするーーー
 
 
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「疑惑の影」です(・∀・)
 
 
バトラー弁護士の登場です。
まずバトラー弁護士を紹介しましょう(OvO)
パトリック・バトラー弁護士はアイルランド人の弁護士で人によって評価が分かれる人です← 自信満々で良く言えばプライドが高い、悪く言えば高慢な名弁護士です←
 
 
本書は一応フェル博士ものとなってますが、主人公はこのバトラーです。ぶっちゃけ本作のフェル博士はベ◯ッセにおける赤◯ン先生並みの存在です。いや、本当に。
本作はバトラーの足跡と心情を追う方に専念しましょう。ラストシーンでバトラーが男の友情に目覚めてカッコ良いと思ってしまいました。不覚!←
 
 
実は本書で懐かしい作品名が出ます。それと似ているのは本書も後半になるにつれてどんどん純粋推理とは違う色が出るということです。 
最初は閉じられた空間の限られた人物の毒殺事件という純粋推理ですが、後半は殺人組織の存在が滲み出ます……
最初は「そんなのありか!? 」と思いましたが、だんだんしっくり来るんだから不思議だ……
 
 
なおバトラー弁護士は本作で圧倒的存在感を発揮かたおかげなのか(=せいなのか)「バトラー、弁護に立つ」で主役を務めます。ってあんた、フェル博士もH.M卿もタイトルロールになったことないのにズルくないか!?← そちらも近々登場しますのでお楽しみに!
 
 
「疑惑の影」です(・∀・)/
次はアシモフで「ミクロの決死圏」です(*^o^*)/~