スティーヴン・タニー◇100%月世界少年◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




TwitterもといX: 「https://twitter.com/KYoCaTHouWoR
エブリスタ: https://estar.jp/users/153193524

その「第4の色」には秘密がある。月世界の人間しか持たないその色を持った少年たちの逃亡劇!

 
 
{31F5D4E2-CDCD-41C0-B8C8-03A685DE62AA:01}

 
◇100%月世界少年◇ -One Hundred Percent Lunar Boy-
スティーヴン・タニー 茂木健 訳
 
 
「あなたの眼が見たい。わたしは傷ついたりしないわ」地球から来た少女にせがまれ、月世界生まれの彼はゴーグルを外した。これは犯罪行為だった──地球に存在しない、表現しようのない色の眼を直視した者は錯乱するからだ。官憲の手が迫るなか、彼は疑問を抱く。なぜこんな制約を受けるのか。語られぬ真実を暴くため、彼は仲間たちと、月の裏側にある史上最大の紙の本の図書館を目指す。 
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
 
 
今から2000年後の未来の月世界。月世界に住む人間たちにある変化が現れるようになった。
 
 
通常色は三原色からなるが、その3つに当てはまらない「第4の色」の瞳を持つ人間が出始めたのだ。その色は普通の人間が見てしまうと錯乱状態を起こす。「100%月世界」と呼ばれる彼らは絶対のゴーグル着用が義務づけられていた。それを破ると重罪者とみなされてしまう。
 
 
ヒエロニムスはそれを破ってしまった。地球からやってきた女の子にせがまれてゴーグルを外し、その「色」を見せてしまった。
 
 
女の子「スズメの上に落ちていく窓」の様子から「100%月世界少年」の瞳を見たのは明らかだった。ヒエロニムスは警察の追跡を掻い潜り、幼なじみでこれまた「100%月世界少女」スリューと学校の仲間たちと逃亡し、目指す果ては月の裏側にある紙の本の図書館!
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
 
 
「100%月世界少年」です(・∀・)
題名に惹かれて読み始めた本です←
ジャケットに惹かれることはあっても題名に惹かれることはあまりないので自分でもびっくりな体験です(笑)
 
 
さて、本書。月というのは夜になればいつでもどこでも見れるものですが、裏側は誰も見たことがなかったりと謎も多い衛星です。
 
 
月は「異界の入り口である」という俗説があります。月はその神秘性からここではない、どこか次元の違う場所に通じる、または連れて行かれるという迷信が生まれました。
日本でもかぐや姫も月の国の住人ですし。
 
 
西洋ではもっと不吉です。「ルナティック」という言葉は「月に魅せられた」かのように狂うという意味ですし、西洋の作品では月を忌み嫌う表現が幾度か登場します。オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」の最初で月を見て不吉だと憂うシーンがあります。またアイスランドをはじめとする北欧では「妊婦は月を見てはいけない」と迷信があるそうな。
 
 
ですので本書の月世界だけにしか存在しない色を見ると錯乱するというのはそこから来たと思います。
 
 
さて。
この小説は大人だけでなく、中学生、高校生が読んでも面白いと思う!
主人公はもちろんのこと、学校内に存在する2グループ、トッパー(優等生)とルーピー(劣等生)の学生たちも等身大で「ああ、高校生だなぁ!」と思えます。ちょい下品なところも(笑)逃亡劇の末に変わっていくところがいい。特にクレレン。
 
 
ヒエロニムスはスリューという「100%月世界少女」でありながら青い髪のイケてる女の子と「スズメの上に落ちていく窓」という文章な名前の地球から来た美少女にはさまれます。
なにこれ、羨ましいよ!
結局、どっちが好きなの!? な感じですが、それはこれから明らかになるでしょう! 続編あるみたいだし! 逆になかったら泣いちゃうよ!
 
 
「100%月世界」の色の秘密、ヒエロニムスたち「100%月世界」少年少女とその仲間たち、「スズメの上に落ちていく窓」のこれから、ヒエロニムスを追う警察官の過去と垣間見せた人間性、ヒエロニムスの家族のこれから……気になるところが多すぎるので続編を楽しみにしようと思います。
 
 
「100%月世界少年」でした(・∀・)/
次はついにお披露目! 「特捜部Q」です(*^o^*)/~