「猫と鼠の」関係は「殺人」においては逆転する。判事は無罪か、それとも有罪か?
◇猫と鼠の殺人◇ -Death Turns the Table-
ジョン・ディクスン・カー 厚木淳 訳
猫が鼠をなぶるように、冷酷に人を裁くことで知られる判事の別荘で、殺人事件が発生した。居合わせたのは判事一人。皮肉にも、法の鬼ともいうべき判事に重大な容疑がふりかかった。黒か白か─対するは名探偵フェル博士。絞り込んだ設定のもと、謎は容易に底を割らない。ごく自然な物語に名匠が仕組んだ驚くべき詭計! 嫋々たる余韻を残す本書は、カー中期を代表する逸品である。
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窮鼠猫を噛むとはこういうこと。
アイアトン判事は被告人を鼠をなぶるように裁くことで知られている判事。が、そんな判事に殺人容疑がかかってしまった!
被害者は娘コニーの婚約者モレル。判事はその殺害現場に居合わせた上に凶器の拳銃に触ってしまったのだ。
判事は当然容疑を否認するが、証拠は不利だらけーーー果たして判事は無罪か、それとも有罪か!?
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「猫と鼠の殺人」です(・∀・)
前回の「ガラスの村」では名前と相反して(シンーーsinーー「罪」の意)有能な判事が登場しますが、今回は殺人容疑をかけられた、厳格な判事が登場します。
あと「ユダの窓」とは逆パターンであることも付記しておきます。この作品では恋人(女)のお父さんが殺されて、その婚約者(男)が容疑をかけられてしまいます。思い出しましたか?←
そんなわけで本書は法で人を裁く判事が殺人かよ!? から始まり、無罪か有罪か!? で物語が進みます。
ーーー見事騙されましたよ!
一瞬、「こんな結末があるか!」と打ちのめされましたよ、ええ! ページ数さえなければ(爆)トリックそのものも意表をつかれました。でも普通、死ぬから! と突っ込みたい(苦笑)
そして最後のフェル博士にも全力で突っ込みたい。いいのか!?
「猫と鼠の殺人」でした(・∀・)/
次はアシモフ、「ロボットの時代」です(*^o^*)/~