クイーン検察局の仕事内容、明かします!
◇クイーン検察局◇ -Queen Bureau of Investigation-
エラリー・クイーン 青田勝 訳
天下の宝石泥棒グレイディの情婦が、恋のもつれに身の危険を感じ、一握りの宝石を盗み警察に駆け込んだ。ところが、彼女を保護しニューヨークへ送り届けるはずの列車は、待てど暮らせど姿を現さなかった。まるで雪のように溶けて消失してしまったのだ……クイーン検察局の秘密ファイル公開! 名探偵エラリイ・クイーンが、上記、「七月の雪つぶて」をはじめ、難事件を快刀乱麻を断つごとく解決する軽妙洒脱な知的パズル18篇
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1.金は語る 〈恐喝課〉
(Money Talks)
……下宿屋を営むアルフレード夫人は娘のルシアを生きる糧にして生きてきたが、その幸せが脅と恐喝に壊されようとしていた。恐喝犯は下宿人の中の誰かだが!?
2.代理人(セコンド)の問題〈偽装課〉
(A Matter of Seconds)
……莫大な費用を使って開催されたボクシング試合でなんと選手の1人が誘拐され、莫大な身代金を請求された! 犯人側は代理人をたてた。エラリーはその代理人と対面するが。
3.三人の寡婦〈不可能犯罪課〉
(The Three Widows)
……フッド家には3人の未亡人がいる。フッド未亡人とその継娘姉妹だ。フッド未亡人は2人に対し、自分は徹底的な予防措置を取っている。殺すなんて愚かだと警告するが……
4.変わり者の学部長〈珍書課〉
("My Queer Dean !)
……スプーナリズムという名前の言葉遊び大好きなホープ教授はシェイクスピアについて重大な発見をしたと言う。その本を10000ドルで買うことにしたが、そこで事件が起こる!
5.運転席〈殺人課〉
(Driver's Seat)
……デイヴ・ブラザーズ未亡人が殺された。彼女は密かに株を買い占め、義理息子たちを差し置いて会社経営者になったことで彼らの恨みを買ったと思われるが、誰が犯人なのか分からない!
6.角砂糖 〈公園巡視課〉
(A Lump of Sugar)
……公園で殺人事件が起こり、騎馬警官が3人の人物を容疑者として捉えたが、全員大物、重要人物だった。ダイイング・メッセージは被害者が握っていた角砂糖!?
7.匿された金 〈未解決事件課〉
(Cold Money)
……10年前、大規模な銀行強盗をやらかしたミュレーンが釈放され、末には死体となった。彼を殺したのは誰で、10年前のお金はどこにある?
8.九官鳥〈横領課〉
(The Myna Birds)
……ミセス・アンドラスの身寄りといえば38羽の九官鳥だけであり、彼らが莫大な100万ドルを相続することになる。しかしその100万ドルを横領している事実を突きつけられた弁護士らは彼女殺害を考える。
9.名誉の問題 〈自殺課〉
(A Question of Honor)
……身分の高いある女性が書いた手紙を取り戻すべく、英国からはるばるやってきたバーク警部。その手紙は持ち主からも盗まれ、アメリカの3人の悪党の誰かの手に渡ったことが分かったが、バーク警部が自殺してしまう。
10.ライツヴィルの盗賊〈強奪課〉
(The Robber of Wrightsville)
……スキーをしにライツヴィルに来たはずなのにまたも事件の調査をする羽目になったエラリー。デルバートが義父から従業員の給料を強奪したと疑いをかけられたのだ。しかも状況は圧倒的不利。
11.あなたのお金を倍に〈詐取課〉
(Double Your Money)
……預けたお金を2倍にして返すと評判のグルース。エラリーはこれに犯罪の匂いを嗅ぎ取り、クイーン警視らと一緒にグルースの事務所に向かうが、なんと事務所からグルースの姿が消えた!?
12.守銭奴の黄金〈埋宝課〉
(Miser's Gold)
……守銭奴で本の蒐集・読破マニアのマラーチ親父は死の直前、莫大な遺産400万ドルを遺すが、その遺産は一体どこに隠されているーーー!?
13.七月の雪つぶて 〈魔術課〉
(Snowball in July)
……宝石大泥棒グレイディの情婦リスベッドが保護を求めてきた。しかし彼女はグレイディのことについて知りすぎていた。クイーン警視らは万全の態勢でリスベッドを護送するが、なんとその列車が消えた!?
14.タイムズ・スクエアの魔女〈偽相続人課〉
(The Witch of Times Square)
……小金を貯めに貯めたミス・ウィッチンガムにはたった1人の甥がいる。双子の姉の子だ。彼女はその甥に貯めに貯めたお金を相続させようと考えるが、その甥はなんと2人いた!?
15.賭博クラブ〈不正企業課〉
(The Gambler's Club)
……賭博好きな、裕福な男たちによって成り立っているクラブ、賭博クラブ。最近不安定な株価のことで匿名の手紙が届いていた。これまでは予想に従って大儲けしていたが、それは何度も続くのか?
16.GⅠ物語 〈死に際の伝言課〉
(GI Story)
……今度こそスキー! と意気込んだエラリーはまたも事件の調査に駆り出されることに。殺人事件が起こり、犯人も分かったのだが、ダイイング・メッセージ「GI」がその犯人と符合しないのだと言う。
17.黒い台帳〈麻薬課〉
(The Brack Ledger)
……なんの変哲もない、3ドルで買えそうな黒い台帳の中身は麻薬総元締めが書いた麻薬密売人リストだった! エラリーが直々にニューヨークからワシントンまで運ぶが、捕らえられてしまう!
18.消えたた子供〈誘拐課〉
(Child Missing !)
……7歳のビリー・ハーパー少年が誘拐されてしまった。しかも要求は2時間でニューヨークからロサンゼルスまで身代金を持ってくること! こんなめちゃくちゃな要求をしたのは父親の浮気相手なのかそれとも……?
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「クイーン検察局」です(・∀・)
その前にメリークリスマス! 皆様、良いクリスマスを……
さて「クイーン検察局」はクイーン検察局という組織が今までどんな事件を解決したのか? というファイルを明かす内容になっています。
クイーン検察局は18の課から成り立っています。〈殺人課〉のようなオーソドックスな課から〈公園巡視課〉〈麻薬課〉のような専門課から〈不可能犯罪課〉〈魔術課〉のようなマニアックな課まで勢揃いしてます。
アメリカの警察って面白いですね(笑)
また1つ1つの話が短いため、エラリーの推理が高濃縮で堪能できます。またエラリー自身が被害者になるのもここでしか見れないような(苦笑)
ただ言葉が決め手のものは分かりませんね……これって日本でいうなら方言の問題なのかな……関東の人は味の濃い味噌汁を飲んで「辛い」と言わないように(元ネタ「名○偵○ナ○」ジンクードー女子高生が出た辺りだから75巻ぐらい)。
それで思い出した。スプーナリズムについて説明しなきゃ。
スプーナリズムとは2つ以上の単語の頭文字を入れ違えて発音するものです。オックスフォード大学教授スプーナー教授がよくそんな間違いをしたのが発端だとか。
自分で作るのは不可能に近いので作品中に出てきたものを例にあげてみましょう。
例1)
"痛烈な一撃 a crushing blow"→"赤面したカラス a blushing crow"
例2)
"放逐された俗物ども banished vulgarians"→"消え去ったブルガリア人どもvanished Bulgarians"
こんな風に。でもこれ、相当言葉を知らないとできないですね……。
「クイーン検察局」でした(・∀・)/
次は久しぶりのフェル博士! 「連続殺人事件」です(*^o^*)/~