アイザック・アシモフ No.20◇アシモフのミステリ世界◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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どんな時でも場所でも犯罪者はいる。

 
 
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◇アシモフのミステリ世界◇ -Asimov's Mysteries-
アイザック・アシモフ 小尾芙佐 訳
 
 
月面上で前代未聞の殺人事件が発生した。月世界自治領が建設されて50年、宇宙船の爆発や宇宙服の故障などによる事故で、凍死したり、窒息死したり、墜死した人間はいた。だが、交通手段の限られた月でわざわざ殺人を犯す者などいなかったのだ。しかも捜査当局には犯人の目星はついているにもかかわらず、その容疑者には崩すに崩せぬアリバイが……「歌う鐘」をはじめ、地球や月面、宇宙空間で起こる難事件を、自室から一歩も出ずに次々と解決する変人で旅行嫌いの地球外環境学者アース博士の活躍を描く連作短篇やデビュー作の「真空漂流」を含む傑作SFミステリ13篇を収録
 
 
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1.歌う鐘 
   (The Singing Bell)
   ……月で発掘される不思議な物質「歌う鐘」。それを巡って有史以来の殺人事件が発生した。しかし有力な容疑者にはアリバイが!?
 
 
2.もの言う石
   (The Talking Stone)
   ……宇宙船〈ロバートQ〉には読心術にも長ける話す物質「シリトニー」が乗っていた。ヴァーナドスキーはその大きさからあることに気がつく。
 
 
3.その名はバイルシュタイン
   (What's in a Name?)
   ……大学で毒殺事件が発生した。使われた毒は青酸カリだが、それは気軽に入手できる代物だった。誰が犯人なのか……?
 
 
4.やがて明ける夜
   (The Dying Night)
   ……「停滞空間」参照。
 
 
5.金の卵を産むがちょう
   (Pâté de Foie Gras)
   ……なんの変哲のないがちょうが金の卵を生んだ! 一体なぜ!? 原因は!? 
 
 
6.死の塵
   (The Dust of Death)
   ……ファーリィは有機化学者ルーウェスを殺そうと決心した。彼はどのようにして実験室を爆破させたのか?
 
 
7.ヒルダぬきでマーズポートに
   (I'm in Marsport without Hilda)
   ……「停滞空間」参照。
 
 
8.真空漂流
   (Marooned Off Vesta)
   ……「シルバー・クイーン」号はとある事故で粉々になり、宇宙空間に取り残されてしまった。残った乗組員3人はなんとか生還する術を考えるが。
 
 
9.記念日
   (Anniversary)
   ……「真空漂流」から20年後。あの生還劇が忘れ去られようとしている中、3人はあの「シルバー・クイーン号」には何か極秘品が積まれていたのでは? と気がつく。
 
 
10.死亡記事
   (Obituary)
   ……とある原子化学者は物質をごく少量のエネルギーで複製する方法を編み出した。彼はそれで自分の複製を作り、時間旅行成功者と死から蘇った男の両方の成功を手に入れようとするがーーー
 
 
11.スター・ライト
   (Star Light)
   ……トレントは1キロ近い、高価値の物質クリリウムを持って逃げていた。逃げ道は相方の老人が手配してくれたが、そこには落とし穴が!
 
 
12.鍵
   (The Key)
   ……ジェニングズは相方のストラウスと意見の相違から殺し合いに発展しまい、自分は死んでしまい、ストラウスは廃人になってしまった。死ぬ直前、ジェニングズは敵の手に渡るのを恐れ、考えを巡らす。
 
 
13.反重力ビリヤード
   (The Billiard Ball)
   ……ブルームは反重力を作り出す案を考案した。彼と旧知のプリスと記者のわたしはその実験を見学するが、事態は思わぬ方向へ!
 
 
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「アシモフのミステリ世界」です(・∀・)
 
 
全13編!
さて。SF小説というのは前書きにありますように冒険もスポーツも恋愛もぜーんぶ含んでいます。SFで大事なのは場所と道具です。
 
 
ぜーんぶ含んでいるのならミステリーだって含んでいいはずです。SF+ミステリーは長年タブーとして相容れないものでしたが、アシモフが「鋼鉄都市」で見事成功させ、「短編だってできるんだぜ!」とできたのが本書だとか。
 
 
この人短編集で言いたいのは宇宙にだって犯罪者はいるんですよ。という話です。人間のいるところ、全てに犯罪の匂いはあるのです。場所が変わったところで人間、簡単には変われませんからね。
 
 
中には倒叙ものもありますが、中にはきちんと探偵ポジションらしきキャラクターが(再)登場します。名前はアース博士。地球外環境学者で旅行嫌いの変人です。
 
 
……これ、作者自身!?
特に旅行嫌いのとこがもろかぶります。飛行機もロケットも嫌いだし。
 
 
これを読んで化学と科学の知識はなくてもいい、苦手でもいい。……でも知識あった方がより楽しい! とちょっと悔しくなりました。
 
 
「アシモフのミステリ世界」でした(・∀・)/ 次はエラリー・クイーンの「クイーン検察局」です(*^o^*)/~