アイザック・アシモフ No.19◇地球は空地でいっぱい◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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「空地」は見つけてくれるのを待っている。

 
 
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◇地球は空地でいっぱい◇ -Earth is Room Enough-
アイザック・アシモフ 小尾芙佐・他 訳
 
 
カルタゴの人身御供の儀式、クレオパトラの鼻、キリストの処刑、ニュートンのリンゴ……いかなる時代も場所も、クロノスコープを使えば自在に見ることができる。その使用許可がもらえなかった歴史学者は危険な賭けに挑んだが? あらゆる学問が政府の統制下におかれた未来を描く代表作「死せる過去」のほか、過去・現在・未来の地球を舞台に巨匠が奔放な想像力をくりひろげ、軽快な筆致で描きだす珠玉の17短篇を収録する。
 
 
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1.死せる過去
   (The Dead Past)
   ……あらゆる時代のあらゆる場所をその目で見ることができるクロノスコープ。古代史の先生ポッタリイはその許可がもらえないならと思い詰めるが、クロノスコープには恐ろしい力があった。
 
 
2.SF成功の要諦
   (The Foundation of S.F. Success)
   ……アシモフからSF作家の卵たちへのメッセージ。
 
 
3.投票資格
   (Franchise)
   ……万能コンピュータマルチヴァクが指名した人だけが全有権者の代表として投票資格を得られる未来の地球。それに選ばれた平凡なデパート員は誰を選ぶのか?
 
 
4.悪魔と密室
   (Gimmicks Three)
   ……とある完全な密室に閉じ込められた男。それは10年前に悪魔との取引に応じた結果であるが、男はどうやってその密室から脱出するのか?
 
 
5.子供だまし
   (Kid Stuff)
   ……ファンタジー作家プレンティスのところに変な小生物が出現した。その小生物はアヴァロニアンといい、あのアヴァロンからやってきたと言う!
 
 
6.高価なエラー
   (The Watery Place)
   ……地球人は宇宙旅行はできないし、地球外生物が地球に来ることももうない。そうなった原因は1人の人間のとんでもない間違いだった!
 
 
7.住宅難
   (Living Space)
   ……1世帯が1つの地球を持っている未来。自分の地球から妙な音がすると通報を受けたチンとミシュノフはその地球に赴くが。
 
 
8.メッセージ
   (The Message)
   ……おれは確かにその過去にほんの一時でも自分が存在した証を残した。
 
 
9.お気に召すことうけあい
   (Satisfaction Guaranteed)
   ……家庭普及を目的に実験としてロボット、トニイを自宅に置くことになったベルモント夫妻。妻クレアはそれを嫌がるが、やがて変化が……
 
 
10.地獄の火
   (Hell - Fire)
   ……原子爆弾はまさに地獄の火そのものだった。
 
 
11.最後の審判 
   (The Last Trump)
   ……天界で最後の審判のラッパが鳴り響き、地球では万人復活日としてあらゆる死者が復活した。そして。
 
 
12.楽しみ
   (The Fun They Had)
   ……トミイとマージイは本物の本を見つけ、昔の学校、昔の勉強に思いを馳せる。
 
 
13.笑えぬ話 
    (Jokester)
    ……マイヤホーフはいつもジョークを言っているが、最近はマルチヴァクにもジョークを言っている。仲間のホィスラーはそれを懸念するが。そもそもジョークはどこから来たのか?
 
 
14.不滅の詩人
    (The Immortal Bard)
    ……昔の人が現代に来るとどうなる?
 
 
15.いつの日か 
    (Someday)
    ……お話しロボット〈詩人〉は最近は旧式。ニコロとポールは本を〈詩人〉の中に取り込もうとし、昔式のしるしを秘密の暗号に使おうと考える。
 
 
16.作家の試練
    (The Author's Ordeal)
    ……考えて考えて思って思って、それが物語になるのだ。
 
 
17.夢を売ります
    (Dreaming Is a Private Thing)
    ……夢を売り物にするドリーマーとその夢を視覚・触覚・味覚等を疑似体験させる録夢。他人のために夢を見るドリーマーはやがて現実との境が曖昧になって……
 
 
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「地球は空地でいっぱい」です(・∀・)
 
 
全17編!
それもすべての舞台は地球です。というのもこの作品は「宇宙だけがSFの舞台になるとは限らない。地球にだって想像力を働かさせるところはいっぱいある!」をモットーに書かれたからです。
 
 
そこでふと思い出した話があります。日本、いや世界で一番有名な猫型ロボット←の話で、ス○夫が「今や地球はあらゆるところが知り尽くされて冒険できるところがない」と言うセリフからス○ールラ○トで小さくなって裏山で冒険する話です。セリフは曖昧だし、どの巻に収録されているのかも忘れましたが、個人的に好きな話でした。
 
 
この話の言いたいところは多分「身近な場所でも冒険できる」だったと思います。「身近な場所でも」のところがなんとなーくこの話とダブりませんか?
 
 
地球にも冒険や空想できるスペース=空地はいっぱいあって、その空地はわたしたちが見つけてくれるのを待っているのかもしれません。
 
 
本書に行きましょう。
本書はもう少しでその時代来るのでは? な未来から今じゃ無理だよ! と突っ込みたいとんでもなく先の未来の話までずっしり入っています。
あとキャルヴィン博士、お久しぶりです!
 
 
もちろん感想も多種多様です。ぷっと笑える話もありますが(6とか14とか)、現代社会への警句になり得る話が1番多いですね。アシモフって何気なく予言してますし。あとSF作家の指南書みたいな詩が面白い。16と17はそのままアシモフの姿なのかもしれません。
 
 
「地球は空地でいっぱい」でした(・∀・)/
次はエラリー・クイーンと犯罪まみれの12ヶ月、後半です(*^o^*)/~