エラリー・クイーン No.23◇フォックス家の殺人◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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エラリー、再びライツヴィルへ! 12年前の毒殺事件の真実とは?

 
 
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◇フォックス家の殺人◇ -The Murderer is a Fox-
エラリー・クイーン 青田勝 訳
 
 
デイヴィー・フォックス大尉は華々しい戦果をあげライツヴィルに凱旋したにもかかわらず、神経を冒されていた。ある夜、彼は無意識のうちに妻の首を絞めようとまでした。戦争の異常体験が12年前に起こった忌まわしい事件の記憶を呼び覚ましたのか? 思いあまった大尉と妻はエラリイ・クイーンを訪ね、大尉の父が母を毒殺したという過去の事件の再調査を依頼した。今は刑に服している父が無実となれば、大尉の病も癒えるはずだ。エラリイは事件を再現し、大胆きわまる推理を展開していったが……! 本格の魅力を堪能させる意欲作。改訳決定版。
 
 
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ライツヴィル出身のフォックス空軍大尉は華々しい活躍をして故郷に凱旋したが、戦争神経症を患っていた。
戦争神経症は日に日にひどくなり、ある日臨界点に達してしまった。妻リンダの首を絞めようとしたのだ。
 
 
実はフォックス大尉には少年時代に彼の父親が母親を毒殺したという忌まわしい出来事があったのだ。リンダは先の戦争でのショックが12年前の忌まわしい事件の記憶を呼び起こしたと考え、先の事件に貢献したエラリー・クイーンに再調査を依頼するがーーー
 
 
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「フォックス家の殺人」です(・∀・)
 
 
エラリー、ライツヴィル再びです。
 
 
前回、苦~い後味をくらったライツヴィルにエラリーはもう一度降り立ちます。前回の登場人物も何人か再登場しますし、名前だけですが、ライト家の名前も出てきます。っていうかエラリー、挨拶ぐらいしようよ?
 
 
今回、エラリーは過去の事件を調査します。
ここでいう「過去の事件」とは15年や20年のように時間が経ちすぎて現場状況はもはや残っておらず、その当時の関係者の記憶と証言だけが手掛かりになる事件のことです。
 
 
つまり再調査されるまで「事件解決」と判子を押されている事件です。そして新たな死者が出ないのも特徴です。例外もあるかもしれませんが……
ポイントなのは時間です。
 
 
このパターンは「五匹の子豚」「象は忘れない」などなどクリスティーに多いですが、エラリー・クイーンでは初登場かな?
 
 
さて、今回のライツヴィルは第二次世界大戦の真っ最中。あちらこちらから戦争の匂いが漂っています。デイヴィーからして帰る前まで戦場にいた軍人ですし。「生者と死者と」とは全然違います。ライツヴィルはアメリカそのものの縮小図なのかもしれません。
 
 
エラリーは再調査の依頼を受けて、人々の記憶と証言を基に事件を再構成していきます。いきますが…………
 
 
またもエラリーが人間性を表します。
前回も苦い結末でしたが、今回、苦すぎる! 
エラリーはライツヴィルに嫌われているんですか? ライツヴィルに行くたびに傷ついて帰ってきているような……
 
 
後味があの作品と似ているような……? ネタバレになるのでリンクは貼りません。
 
 
エラリーは次回作もライツヴィルに行きますが、また傷ついて帰ってくるのでしょうか……
 
 
「フォックス家の殺人」でした(・∀・)/
次回はディクスン・カーで「震えない男」です(*^o^*)/~