エラリー・クイーン No.18◇悪魔の報復◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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エラリー・クイーン、ハリウッドにて。

 
 
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◇悪魔の報復◇ -The Devil to Pay-
エラリー・クイーン 青田勝 訳
 
 
ハリウッドにはオズの魔法の国のように、どこか奇妙な感じがつきまとう。倒産した会社社長の殺害現場が、まさにそれだった。無憂荘なる名のもと広大な地所に建てられた四つの家。その一軒で殺された被害者は、古風な武器の居並ぶなか、わざわざ椅子に上らなければ取れない位置に飾られた長剣で刺されたらしい。脚本執筆のため当地滞在中のエラリーが示した、鮮やかな解答とは?
 
 
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オヒッピー水力発電会社の倒産の煽りをまともの食らったリース・ジャーディンは破産してしまい、手持ちの財産を全て手放す羽目に陥ってしまった。ところが経営の相方にして社長のスペイスは倒産の寸前に株を売り払ったおかげで破産どころか大儲けしていた。
 
 
それに憤り、恨んだ人間は数知れず。ジャーディンの娘ヴァレリーの恋人にしてスペイスの息子ウォルターもその1人だった。それに怒ったスペイスはウォルターを遺言状から彼を外してしまう。
 
 
それからしばらくして嵐が起こった。スペイスが何者かに殺害されたのだ! 警察はリースを逮捕するが、ヴァレリーはリースの無実を信じるとともにウォルターの事件前後の不可解な行動が気に掛かかり、新聞記者になるべく新聞社に出向く。
 
 
新聞編集長フィッツジェラルドは事件調査のために、脚本執筆中のエラリーをヴァレリーとくっつけされるがーーー
 
 
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「悪魔の報復」です(・∀・)
 
 
国名シリーズ以外の初の長編です。
国名シリーズが本当に終わり、エラリー・クイーンは新しい道を歩いています。
さしずめ新しい作風の模索というところでしょうか。心機一転! といいますか。
 
 
そのせいなんですかね。今回のエラリーが「誰だお前!?」状態になっているのは←
まず発疹が出来て髭面、声が変わってしまったのはまぁ、良いとして、一番奇抜なのは上から下までカラフルな服装とボンドストリートをかなぐり捨てたような趣味です。
 
 
こんな状態でエラリー、家帰ったらパパに叱られるぜ。というか「エラリーの名前を騙る不届き者!」と言われるのがオチな気が。ヴェリー部長刑事だって分からない。
 
 
国名シリーズから一線をかしているせいか、エラリーも変わりました。始終、自分をハリウッドに呼んで脚本執筆強行環境に投げ飛ばしたプロデューサー、ブッチャーに会わせろと怒りまくっていますから。古典も引用しないし……
 
 
うーん。人って変わるんだなぁ……←
 
 
さて、事件。
これは……なんというか……貴方が余計なことをしなければ良かったのでは? に尽きてしまう。
そしたらもっと早く事件も解決したと思うんだけど……動機はクリスティー的で面白かったけど。
 
 
あと、警察の調査が甘い! と言及します。エラリーをなめちゃいけないよ!
 
 
ちなみにこのエラリー・クイーン、ハリウッドにて編←違う は次作「ハートの4」につながります。ポーラ・パリスとの馴れ初めが明らかになります。エラリーはなかなか会えないブッチャーに会うことはできるのでしょうか!?(笑)
 
 
「悪魔の報復」でした(・∀・)/
次回、アンリ・バンコラン最後の事件(*^o^*)/~…………の、その前に!