こうしてミステリ談義の夜は更けてゆく。
アイザック・アシモフ 池央耿 訳
アシモフ自身がでくわした奇怪な人間消失事件を元にした「待てど暮らせど」や、カーに挑戦せんと意気込んで書かれたシリーズ初登場の密室もの「秘伝」など、ご存知ブラック・ウィドワーズの面々の侃々諤々、喧喧囂囂、甲論乙駁の推理合戦と、名給仕ヘンリーの快刀乱麻を断つ解決ぶりが鮮やかな好評連作ミステリ、第五弾登場! 「同音異義」「封筒」「アリバイ」など十二編を収録。
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1.同音異義
(The Fourth Homonym)
……「黒後家蜘蛛の会」で言葉遊び勃発。今回の話題も同音異義絡み。果たして前経営者は死に間際、なにを伝えたかったのか?
2.目の付けどころ
(Unique is Where You Find It)
……「黒後家蜘蛛の会」にメンバーの家族登場! 今回のゲストはルービンの甥ホレイス。彼は大学において反りの合わない教師に難題を出されて悩んでいた。果たして答えとは?
3.幸運のお守り
(The Lucky Piece)
……「黒後家蜘蛛の会」、ノヴェルティ・ビジネスの秘密に迫る? 今回の話題は幸運のお守りを無くしてしまった男の子について。果たして幸運のお守りはどこへ消えたのか?
4.三重の悪魔
(Triple Devil)
……「黒後家蜘蛛の会」のゲストには立志伝中の人もいる。今回のゲストは本屋で成功したが、そのきっかけとなった人物から本を1冊贈られた。果たしてその本とは?
5.水上の夕映え
(Sunset on the Water)
……ルービンがむっとしているのは「黒後家蜘蛛の会」ではいつものこと。今日のゲストは喉から手を伸ばすほど欲しい本がある男。先日その本を譲りたいという手紙を頂いた。勇んで返事を出すところだが、肝心の住所が分からない!
6.待てど暮らせど
(Where Is He?)
……「黒後家蜘蛛の会」にホルステッドの投資顧問がやってきた? 今日のゲストは話が上手で色々な講演会で話をしているが、先日収録をしてくれるはずのカメラマンが消えてしまったという。果たしてそのカメラマンはどこに消えたのか。
7.ひったくり
(The Old Purse)
……世の中はテロやなんやで物騒だが、「黒後家蜘蛛の会」は平和だ。今回の話題は財布など中身をそのまま返し、一方でバッグを返さなかった風変わりなひったくりについて。ひったくりはなぜ中身をそのまま返したのか。そしてバッグは?
8.静かな場所
(The Quiet Place)
……「黒後家蜘蛛の会」のメンバー全員、ルービンの嫌味をもろに食らう。今回のゲストは静かな場所を好む男。彼は先日旅行で静かな場所を見つけたが、そこに案内してくれた男の名前が分からない。手がかりはダーク・ホース?
9.四葉のクローバー
(The Four-Leaf Clover)
……世の中が不安定なら「黒後家蜘蛛の会」はそれについて議論する。今回の話題もテロのことで、反対勢力に政府関係者と思しき人物を殺されたのだが、その人質は四葉のクローバーの絵を残した。その意味とは?
10.封筒
(The Envelope)
……ルービンがむっとしているのは「黒後家蜘蛛の会」ではいつものこと、その2。今回のゲストは消印を求めて封筒を収集していたが、それが縁で1人のスパイを摘発したという。そのスパイはなぜ手紙を捨てて封筒だけ残したのか?
11.アリバイ
(The Alibi)
……「黒後家蜘蛛の会」、推理小説について論じる。今回のゲストは元対敵情報機関の職員。現役時代、堅固な意志を持ったスパイの難解なアリバイを崩したという。アリバイ崩しの決め手は何か?
12.秘伝
(The Recipe)
……「黒後家蜘蛛の会」に腕のいい職人登場! 今回のゲストは料理上手な奥さんを持つ鉛管工。しかし秘伝のレシピを盗まれてしまったという。密室の中にあったレシピを盗んだのは誰?
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「黒後家蜘蛛の会 5」です(・∀・)
黒後家蜘蛛の会、誕生秘話が明かされます。
「黒後家蜘蛛の会」はアシモフ自身も所属していたという「戸立て蜘蛛の会(トラップドア・スパイダーズ)」がモデルになっていることは皆さんもご存知かと思いますが、メンバーもその会に実在の人物をモデルにしてます。
今回、初めてメンバーのモデルが明かされます。メンバーとモデルはよく似ているらしいです。特にルービンが←
ただヘンリーは100パーセント、空想の産物。6人は現実味があるのにヘンリーだけどこか浮いているのはそれが原因なのかも?
今回も日常のお悩み解決します。な謎からスパイ、テロの事件解決します。な謎まで勢揃いしてます。
今回は犯罪ものが多かったですね。
今回、カーター・ディクスンの「第三の銃弾」が登場します。興味ある方はリンクから飛んでみてください。
アシモフはこれを読んで「わたしも密室ものを書く!」と決意したとか。
「第三の銃弾」は売れ行き芳しくなく、一時絶版と相成りましたが、(風邪をひいた)フレデリック・ダネイによって再び陽の目を見ました。
フレデリック・ダネイは「黒後家蜘蛛の会」の育て親でもありますからなんとなくつながりがありますね。
フレデリック・ダネイは素晴らしい推理小説と推理小説家を世の中に送り出したことでも推理小説界に貢献しました。
最初の功績は言わずもがな、エラリー・クイーンを生んだことですが、それはマンフレッド・リーと2人のものです。
さて、悲しいかな。「黒後家蜘蛛の会」の翻訳短編集は本書が最後です。
ですが、ハヤカワ・ミステリマガジンと「バットマンの冒険 2」に収録されているそうなのでそれ、読みます。
単行本未収録のものは基本、手をつけないのですが(エラリー・クイーンズ・ミステリマガジンは英文だし、手に入らない可能性もありますし、キリがないですからね)お別れしたくないので!
なのでまだまだ6人とスペシャリスト1人の遠慮のない会話とミステリーは続きます。やったね!
「黒後家蜘蛛の会 5」でした(・∀・)/
次回、フレデリック・ダネイとマンフレッド・リーとエラリー・クイーンが貴方に魔術をかけます(*^o^*)/~