それは皮肉、悪意、残酷さをそっと見せる。
◇サキ短編集◇ -Saki a Collection of Short Stories-
サキ 中村能三 訳
ビルマで生れ、幼時に母と死別して故国イギリスの厳格な伯母の手で育てられたサキ。豊かな海外旅行の経験をもとにして、ユーモアとウィットの糖衣の下に、人の心を凍らせるような諷刺を隠した彼の作品は、ブラックユーモアと呼ぶにふさわしい後味を残して、読者の心に焼きつく。「開いた窓」や「おせっかい」など、日本のSFやホラー作品にも多大な影響をあたえた代表的短編21編。
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1.二十日鼠
(The Mouse)
2.平和的玩具
(The Toys of Peace)
3.肥った牡牛
(The Stalled Ox)
4.狼少年
(Gabriel-Ernest)
5.話上手
(The Story-Teller)
6.七番目の若鶏
(The Seventh Pullet)
7.運命
(The Hounds of Fate)
8.開いた窓
(The Open Window)
9.宵闇
(Dusk)
10.ビザンチン風オムレツ
(The Byzantine Omelette)
11.休養
(The Lull)
12.マルメロの木
(The Quince Tree)
13.親米家
(On Apprval)
14.十三人目
(The Baker's Dozen)
15.家庭
(Tea)
16.セルノグラツの狼
(The Wolves of Cernogratz)
17.おせっかい
(The Interlopers)
18.ある殺人犯の告白
(The Last Sanjak)
19.ラプロシュカの霊魂
(The Soul of Laploshka)
20.七つのクリーム壺
(The Seven Cream Jugs)
21.盲点
(The Blind Spot)
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「九人と死で十人だ」を未だに取りに行けないので先にサキを読むことにしました(あ、駄洒落になってる←)
サキは本名ヘクター・ヒュー・マンローというビルマ出身のスコットランド人。サキはとある作品の給仕から取ったとか。
「O・ヘンリーかサキ、あるいはその両方を枕元に置いたら一流のもてなし」と言われるほどO・ヘンリーと並び称されるほどの著名な詩人ですが、作風は全然違います。
いつかここでもちょっと書きましたが、
「え、こんな結末なの、怖っ!」
「なにこれ怖い」
「皮肉、滑稽、嘲笑」の3つの言葉が頭をよぎります。読み終わった時は一瞬分からなくても後ではっと分かってゾッとします。
特に怖いのは「おせっかい」。怖いし、救われないしでゾッとすること間違いなし。
よくホラーにあるあのパターンはここから生まれたのです。
サキは人間が持つ負の感情ーーーそれも皮肉や狡さや悪意といった嫌な感情をユーモアを織り交ぜて語りました。そのブラックなところにサキの魅力はあり、それがわたしたちを離さないのでしょう。
O・ヘンリーも近日中に読もうと思います。
「サキ短編集」でした(・∀・)/
次こそ「九人と死で十人だ」です(*^o^*)/~