思念は本当に人を殺すのか? このトリックに「読者よ欺かるるなかれ」!
◇読者よ欺かるるなかれ◇ -The Reader is Warned-
カーター・ディクスン 宇野利泰 訳
女性作家マイナが催した、読心術師ぺニイクを囲んでの夕食会。招待客の心を次々と当てたぺニイクは、さらにマイナの夫の死を予言する。はたして予言の時刻、衆人環視の中で、夫は原因不明の死を遂げた! ぺニイクは念力で殺したというが、逮捕しようにも証拠がない。遅れて到着したヘンリー・メリヴェール卿に、ぺニイクは新たな殺人予告をするが……不可能と怪奇趣味を極めた著者のトリックに、読者よ欺かるるなかれ!
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殺人者、読心術師。殺人武器、思念……?
サーンダース博士は知り合いの弁護士チェイスからコンスタブル夫人が呼び寄せた読心術師の話を聞かされる。しかもインチキではないと来た。
サーンダース博士はその読心術師も来るコンスタブル夫人主催の集まりに行ってみることに。
その読心術師ペニイクはサーンダース博士の心中を瞬く間に読んでしまった。
それどころかコンスタブル夫人の夫たるサムは今日の夕食を食べることはできない、8時前に死んでしまうからーーーと予言した!
予言は的中した。サムは原因不明の死を遂げる。ペニイクは自分が思念によってサムを殺したと言う。しかし逮捕できるだけの証拠がない。困り果てるサーンダース博士、マスターズ警部、H.M卿の前にペニイクは新しい死の予言を告げる。
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「読者よ欺かるるなかれ」です(・∀・)
いかにも読者に挑戦状を投げつける題名です←
さて、今回は思念という非科学的、オカルトに足を突っ込む魔術的なもので人を殺すというもの。
とは言え、法律には詳しくないですが、殺人罪というのは確か直接手を下さないとつかない罪状です。はい。
本書は自白はしてますが、思念という存在が証明できないゆえに逮捕も勾留もできないわけです。
日本風に言えば丑の刻まいりで呪った相手がその直後に死んでも殺人罪にはならないのと一緒です(一緒か? 何か間違えていたらごめんなさいm(_ _)m)
機関車を運転させてくれとせがんだ挙句牛を轢き殺して登場したH.M卿(普通に登場したと思えば騙された(笑))も困り果てます。
ここではたくさんの「欺き」があります。心情はもちろん、事件の全貌まで……
死因、それかよ!
ちょっとそうかなとも思いましたが……
実は読心術の正体は見当がついていました。こうするしかできませんし。
犯人あんたかよ! そして動機は
それでいいの? いいんだよね!?
行間を読まないととてもとても、全部分かりません。あとサーンターズ博士、いい結婚生活を(笑)
「読者よ欺かるるなかれ」でした(・∀・)/
次回、新登場! アイザック・アシモフとヘンリーと黒後家蜘蛛の会の皆さんです(*^o^*)/~