<半革装3>ルリユール制作過程 | ryoko’s 手製本ジャーナル

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2019/11- 西宮

久々に製本の投稿です。

最近ちょっと中国語レッスンに嫌気がさしてきて、そんな時は、より製本に意識を向けて気分転換。中国語のアクセント(四声)が覚えられなくて困ります。

 

前回は本文の糸綴じの話でした。


その糸綴じが終わった状態がこれ↓。

折丁同士は糸で連結されているものの、固定はされていないので扱いは慎重にです。大きく動かしたりするとゆがんでしまいます。


そこで、仮止め的に軽く背にボンドを塗ってから次の作業に進みます。次の工程で背を動かして丸くするのでガチガチに固定する訳ではありません。

 

背のボンドが乾いてから、バッキングハンマーという製本用の金槌を用いて、背の丸み出し作業をします。(この作業、途中で手を離せないので撮影できない。)

 

背に丸みがついたら、次は耳だし


画像は今回の本ではなく別の本ですが、参考までに、○印が耳と言われる部分。ここを先ほどのハンマーを使い形成します。画像は形成途中のものです。


その後すぐプレス機に挟んで背の固定です。形作った背に接着剤を塗ります。先生によっては膠(にかわ)を使うこともありますが、今回はボンドを塗っています。

 

伝統的な方法では膠を用いてあり、修復ができるようになっています。膠は熱で溶けますからね。

 

背に貼っている薄い布状のものは、補強のための寒冷紗。商業製本でも使われています。

 

画像枚数が少ないので細かい説明は省きましたが、こんな感じで本の中身を作っていきます。スタートからここまでで8所要時間ほど。プロはもっと短時間なのでしょうが、まだまだ私はゆっくりです。


ここまでは完成後には見えない部分の作業ですが、大事な基礎部分。ここがキレイに出来ると後々の作業もスムーズで、かつ美しい本のための大前提です。


続く。