面白く生きる | 想いが伝わる本を書くブログ

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武蔵野デジタル出版社長の牛田肇がモーモーするブログです♪

香川県に地中美術館という名の
美術館がある。
外からは、空調や採光の構造物は
見えるが、建物らしい建物は
見当たらない。
小高い丘陵地の形状を利用して、
地中に作られている。

建物は、建てるだけが建物ではないと
思わせる。

この美術館の設計は、
建築家の安藤忠雄氏。

いつも存在のアンチテーゼから考える
私が好きな建築家である。

安藤氏の自伝を手にした。

「困ったことに、
大きな夢をもった依頼主ほど、
たいていは予算が少ない。

要望を聞けば、
どんな豪邸を建てるのかを思えば、
予算を聞くとその半分も実現が難しい

そして、建物が完成したら、
待っているのは依頼者からの
クレームだ。

「リビングが思っていたより狭い」

「天井が低い」

それでも人の命を安全に守り、
安心して過ごせるようにするのが
この仕事の意義であり、
そこに自分の誇りがある。

私が今日まで生きてこられたのは、
学歴もなく社会的な実績もない若者に
ただ

「人間として面白いから」

という理由で、
仕事を任せてくれた古き良き
「勇気ある大阪人」がいたからだ。

『私の歩んできた道は、
 模範というには程遠い』

が、この一風変わった歩みが、
若い人を少しでも勇気づける材料
となれば幸いである」

と記していた。

私自身も模範を目指して
生きているのではない。

「それでいい」と、
言ってくれている人がいれば
それでいいと思う。

(参考:安藤忠雄「仕事をつくる 私の履歴書」、日本経済新聞出版社)