人工知能vs人間知能 | 想いが伝わる本を書くブログ

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武蔵野デジタル出版社長の牛田肇がモーモーするブログです♪

小林秀雄が1959年に書いた文章
「常識」
を読む。

 

人工知能(AI)のことが書かれて
いて驚いた。

 

文中では、人工頭脳と表現しているが
AI時代へのアンチテーゼでもある。

 

今では、電脳戦といわれる
コンピューターと名人の対決が
行われるほどに、コンピューターが
進化しているが、もし、

 

「将棋の神様同士が差してみたら?」

 

つまり、コンピューター同士の対戦。

どうなるか?

 

「神様なら読み切れる筈だ」

 

究極的には、最初の一手、
さらには、
どちらが先に打つかで
勝負が決まってしまう
ところまで至るらしい。

 

それは、

 

「勝負を無意味にする結果となる。

 勝負する意味がなくなる」

 

という。

 

果たして、人工頭脳はそのことを
分かっているのかしら?

 

と投げかける。

 

「人工頭脳を考えたのは人間頭脳だが
人工頭脳は何一つ考え出しはしない。

 

人工頭脳は、
単なる計算の反復運動である。

 

対して、
人間は、考えることができる。

 

計算することと考えることを
混同してはいけない」

 

考える範囲は、まさに、人間の領域。

人間が考えるべき領域を認識する
ことと感じた。

 

(参考:小林秀雄 考えるヒント 文春文庫)