市民大学で、大学教授の話を聞く。
今回はアラル海の話だった。
アラル海は、カスピ海の東にある
北海道ぐらいの大きさだった塩湖。
カザフスタンとウズベキスタンの
2つの国をまたいでいる。
両国は旧ソ連であり、ソ連時代の
綿花栽培地の開拓により、
アラル海に流入する河にかんがいを
引き、ダムを建設した。
それにより、アラル海は縮小し、
1960年から2014年までの
間に、ほぼ消滅し、陸地になって
しまった。
今の「地球環境」の観点から見れば
とんでもない話で、
世界からは「元に戻そう」
という声も上がっている。
しかし、既に、
かんがい地域一帯が綿花栽培地と
なり、水の流れは止められない。
さらに、干上がった湖底から、
石油やガスが採掘され、
国は、むしろそのままで良いと
思っているという。
「北海道ほどの湖が消えたけど
何か?」
的な空気は、大胆と言うか……。
そういう国の人は、
北海道の6%しかない北方4島の
ことをどう捉えるのだろう。
そんなことを思って聞いていた。
(牛田肇 武蔵野デジタル出版)