音にのらないラジオ――「ラジオガガガ」(原田ひ香)を読んでみて… | ほんだな

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かだいとしょ)「ラジオ・ガガガ」原田ひ香(双葉社

 

 ラジオ好きにしか理解できない一冊であろう。オオラスの一つの短編作品を除いては。

 

 短編6編で成立していて、それぞれ一つの現存のラジオ番組がフューチャーされている。

・「伊集院光の深夜の馬鹿力」
・「オードリーのオールナイトニッポン」
・「NHKFMシアター」
・「ナインティナインのオールナイトニッポン」
・「全国こども電話相談室リアル」

 

 ただし、最後の第6話「音にのらないラジオ」は、具体的なラジオ番組が出てこない。既出の5つのストーリーとは違い、その番組の予備知識ナシの短編作品として、じっくり読めるであろう。ただ、そのネタ元となったラジオ番組に関連する人物は、今日本の中で一番勢いのある歌手なのである。そのネタ元を、ラジオオタクとしてゆっくり解説したいと思う。

 

(以下ネタバレになります。)

 

 まず、第6話のストーリーの概要を説明することにする。

 

 親から物書きになるべくなると、名前を拝命されつつも、鳴かず飛ばずの劇作家。恋人から、もうそろそろ夢を追うのを諦めたらと言われる。以前、とある賞を受賞したのは過去の栄光。とある番組担当者から、そのスクリプトを撥ね付けられる日々の繰り返し。じゃあ、別のペンネームで、再度、その賞に挑戦して評価を得たら良いのでは。そして、再度受賞に至り、その後、「実は、私でした」と、その担当者にドッキリをする。

 

 さあ、この話のネタ元となった人物とは?

 

 実は、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」と、主題歌「恋」、そして、全国、いや、全世界に「恋ダンス」のムーブメントを作った、星野源さんなのである。

 

 「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」(TBSラジオ、土曜夜22時~)にて、プロ・アマ問わず、リスナーからジングル音を募集したコンペを開催したのだが、一般人リスナー、ラジオネーム「スーパースケベタイム」になりすまし、星野原さんの作品が採用されていたのである。その後、この番組にゲスト出演した際に、私(星野源)が、実は、スーパースケベタイムなんです、と、一世一代の、ネタ晴らしをしたのである。

 

 その後の、ラジオネーム・スーパースケベタイムさんのご活躍は言うまでも無い。ラジオ好きが、この第6話を読んだら、あ、スケベタイムだな、と、みんな感じるし、星野源さんの楽曲がラジオから流れると、スケベと思い出すのが、ラジオジャンキー。


 そんな私も、実名を伏して、結構、各局のラジオ番組に参加している。エピソードトークや音楽リクエスト番組で、メールやハガキを読まれるのはもちろん。とあるネタ番組にはネタ職人として、また、電話出演コーナーにも、3回ほど出演させて、声を曝させて頂いたこともある。下手な聴くに堪えない歌を、1都6県には必ず届くラジオ番組で披露させて頂いたこともある、

 

 ラジオは、参加するメディアでもある、時には、番組が収録であったり、ハガキというアナログツールでタイムラグが生じることもあるし、twitterでつぶやきながら即座にリアルタイムで参加できるつながるメディアが、ラジオ。そんな繫がりたい人物大集合が、この物語なのだ。

 

 (ネタバレ終わり)

 

 正直、第6話「音にのらないラジオ」だけは、ラジオの予備知識が無くても、ぐっと来る短編作品なので、そこだけピンポイントにお勧めします