- 『オー、マイ、ガアッー!』
- 浅田 次郎 (あさだ じろう)
- 面白さ ★★★☆☆(ホシ三つ)
- 生きる元気が出る面白さ
作者/浅田次郎について
1951年、東京都生まれ。
自衛隊に入隊、のちアパレル業界他多数の職業を経験。
その間、投稿生活を続ける。
悪漢小説からスタートし、泣かせる小説から中国小説まで、
さまざまなジャンルの小説を書きまくる。
多筆で、日本の大衆小説を代表する作家である。
1995年 - 『地下鉄に乗って』で第16回吉川英治文学新人賞
1997年 - 「鉄道員」で第16回日本冒険小説協会大賞特別賞。
『鉄道員』で第117回直木賞
2000年 - 『壬生義士伝』で第13回柴田錬三郎賞。ベストドレッサー賞
2006年 - 『お腹召しませ』で第1回中央公論文芸賞と第10回司馬遼太郎賞
2008年 - 『中原の虹』で第42回吉川英治文学賞
【この本の内容】
舞台は、ラスベガス。
- 新しくオープンしたばかりの「ホテル・バリハイ・カジノ&リゾーツ」に
- 3人の男女が、人生から吹き飛ばされて集まった。
- 目的は、一攫千金。いや、誇りを取り戻すために。
大前剛(おおまえごう)47歳、ラスベガスでその名を言うと、腹を抱えて笑われる。
「オー、マイ、ゴー!」ってね。
彼は、辣腕の友人とファッション・メーカーを経営していたが、
ある日、その友人が有り金を持って逃げたらしい。
当然、会社は、倒産。全責任を負って、債権者に追われる。
その上、長いことステディな関係にあった美貌の外人モデル「シャーリー」は、
「あたし、結婚するは。グッバイ」の一言で、消えた。
このようにして突然彼の宇宙はビッグバンを迎え、
ラスベガスまではじき飛ばされたのだった。
梶野理沙32歳、「ミスカジノ」と呼ばれると笑われる。
彼女は一流大学の英文科を優秀な成績で卒業後、
ハイテク関連の企業に勤めるスーパーキャリアウーマンであったらしい。
プロポーションもまあまあで、美人。
海外旅行で、ラスベガスに来て、この非常識・非日常の中で、突然ブチ切れた。
かくして、ほんの一ヵ月後、めでたくラスベガス・ブールヴァードの娼婦となった。
「不死身のリトル=ジョン」ことジョン・キングスレイ。黒人、年齢は50~60代。
叩き上げの鬼軍曹としてベトナム戦争に従軍した英雄で、シルバースター勲章をもっている。
ただ、今はバツイチで、考えつく限り最も不適切な生活をしている。
別れた妻は、ペンタゴン勤務の陸軍中佐。
長男は、ワシントンDCで弁護士を、次男は、ウエストポイント陸軍士官学校にいる。
ジョンは、息子たちの将来に害を及ぼさないように、遠くに行く決心をする。
こうして、夏の盛りのある日、それぞれの人生における最悪の局面に立たされた
三人の男女は、奇しくもここ「ホテル・バリハイ・カジノ&リゾーツ」に集合することになった。
彼等は、ハイレートのスロットマシン「ダイナマイト・ミリオン・バックス(D・M・B)」に、
全財産をつぎ込む。
なんと信じられないことに、D・M・Bの三頭のライオンが火を吐いた。
ジャック・ポットだ!
賞金は、5400万ドル。
さて、彼等の運命は、どう変わっていくのか。
彼等に降りかかる「ミリオンバックスの呪い」とは?
後は読んでのお楽しみです。
ギャンブル好きの浅田次郎が、大好きなラスベガスを舞台に
書き上げたギャンブル小説です。
ラスベガスの旅行案内書にもなる本です。
登場する人物が、面白いので紹介します。
セント=メアリー。
ラスベガスの生き字引のようなおばあちゃん。
車椅子に乗って、ベガスで自由に生きている謎の女性。
彼女の素性は、後で分かります。
マイケル・ペスカトーレ。
マフィア・ペスカトーレファミリーの若きドン。
「ダイナマイト・ミリオン・バックス(D・M・B)」のPTG社を
を率いている。
父親は、ドン・ビトー。ペスカトーレファミリーの生みの親。
引退しているが、くえない親父。
ジョルジォ・パッシモ。
ドン・ビトーの昔からの部下。82歳くらい。
かつては、殺し屋として、マフィア中で恐れられた男。
付いたあだ名が、「バンデット=ジョー」。
最後の一言「ジス・イズ・グッド・ジョブ」は、泣かせます。
フェラ・アブダビ・サネセラシエⅢ世殿下。
36歳。アラブ・ベドウィン帝国の実権者。
オックスフォードに留学していた知性あふれる美男。
世界一の大金持ちにして、世界一のケチ。
第一・第二婦人の尻にしかれているが、
婦人の数には、後二人分の空きがあり。
「ホテル・バリハイ・カジノ&リゾーツ」に資本を出資している。
これらの登場人物を見ても、この話の面白さが分かるかと思います。
抱腹絶倒のキャラが、物語の進行に従い、暴走・噴火していきます。
随所に、ラスベガスの生い立ちが織り込まれ、
映画好きにはたまらない「バグジー」や「ハワード・ヒューズ」
「モブスターズ」の名前が出てきます。
これらの映画を見てない方は、
「モブスターズ」
「バグジー」
「アビエイター」の順でご覧ください。
与えられる幸運ではなく、つかみ取る幸運こそが人生。
チャレンジすることこそが、正しい選択。
いまわのきわに、「ジス・イズ・グッド・ジョブ」と言える人生を
生きたいと思わせる本でした。
疲れた時に読めば、元気百倍・勇気百倍。
生きる元気の出る小説です。
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