237.コーポレートベンチャーキャピタルの実務
コーポレートベンチャーキャピタルの実務 VCの歴史 1946年にハーバード大教授Georges DoriotらによるARD(American Resarch & Development)設立、1957年DEC(Digital Equipment Corporation)の大成功で役割を示す 1969年NASDAQ設立 1972年NVCA(全米ベンチャーキャピタル協会) 1977年LLC(Limited Liability Conpany)制定 1978年キャピタルゲイン減税 1979年ERISA法(従業員退職所得保障法)緩和による年金基金運用にVC組み込み可能 1990年代インターネット業界の勃興 2014年には400億ドル、4,361社に投下、250を超えるファンド、平均サイズは1.2億ドル 現在のアメリカ 米国2015年、VC投資の34%がCVC 2004~2014年1月までにGoogleは130件のM&A、250億ドルに達する 1979年以降上場した1,330社のうち43%がVC出資、時価総額57%、従業員38%、研究開発費の82%を占める 現在上場の4,063社にしても、VC出資18%は、時価総額20%、売上高10%、研究開発費42%を占める 米国VCの投資分野 forbes midas list 2015 top10ベンチャーキャピタリストの経歴 CVC保有率 各業界の時価総額上位30社におけるCVC設立企業数の割合 多くの革新的な企業家がいる領域では社内R&Dに投資するよりCVCのほうが限界利益を上げられる 言い換えれば、VCが活躍する領域ではCVC投資は理に適う 特に特許による保護が難しい領域において、成功ノウハウ、エンジニア、起業家にアクセスできる仕組みとしてCVCは有効 米国CVCランキング 日本のCVC歴史 優秀な人材は大手企業志向、消去法でスタートアップ 投資担当者もビジネス経験を持たず目利きできず、財務上の審査だけ CVCは業績低迷時の削減項目として優先順にが高く継続性が妨げられる 結果、米国ベンチャーは元々難しく、日本にはベンチャー企業が見当たらない、あっても連携を検討する、というOI戦略自体を否定 オープンイノベーションについて CVCは通常VCと共同で投資を行うため、自信はマイノリティ投資で足り、M&Aと比較すると圧倒的少額で新たな技術や市場にアプローチできる 実例(CVCからVCファンドへの投資) IBM Venture Capital Group 2000年設立、これまで1,000以上のVCと連携実績がある Vantage Point Capital Partners 米国の事業会社から出資を受ける、1996年エネルギーとIT中心のVC、2015年111月時点で40億ドル運用 2,500万ドル以上出資した事業会社をStrategic LPとして通常のファンド出資者とは別枠でとらえ、新たなコーディネートしている これまでファンド出資した企業は、DuPont、P&G等 Draper Nexus Ventures 2011年設立、2016年9月時点で2億2,500万ドル運用 日本とシリコンバレーの2拠点から、企業向けIT分や産業技術分野の日米ベンチャーに投資 世界15拠点に跨るDraper Nexus Network(著名VCのDFJ、起業家養成大学Draper University創業のTim Draperが運営)に属している 出資者の殆どが日本、富士通、NEC、パナソニック、コマツ、IHI、クレラ、富士フイルム、キャノン、京セラコミュニケーションシステム、ブラザー工業、みずほ銀行、東京海上日動火災、三菱東京UFJ銀行、清水建設など ファンド出資者向けの教育プログラムが豊富、5年間で50件を超える協業実績を生み出し、FRに加え、戦略的リターンを生み出すことに成功している 実例(CVC運用をVCに委託) iFund AppleがKPCBと2008年に設立、Appleが2億ドル、運用はKPCB iPhone/iPad上で動くアプリケーションを開発するベンチャー企業に投資 実例(CVC運営) Google Ventures 2009年設立CVC 2015年11月末時点で300社以上に投資、投資先時価総額20億ドル超え GP13名、パートナー2名の投資チーム、ライフサイエンスチーム5名(2名投資兼務)、デザインチーム5名、エンジニアリングチーム12名、採用チーム2名、マーケティング5名、PRチーム、パートナー開拓チーム2名、経営管理チーム19名 サンフランシスコ、マウンテンビュー、ニューヨーク、ボストン Uber、Nest Labs、Slack、Foundation Medicine、Flatiron Health、One Medical Group等 Intel Capital 1991年設立、最も実績と歴史を持つCVCの一つ 2005年から2015年まで投資先の上場とM&A数で第一 2015年9月までに、世界57か国の1468社に116億ドル投資、うち213社が上場、381社が買収 VMware、Broadcom、Citrix、Boxなど 投資メンバーは68名、投資担当マネージングディレクターは15名、日本にも専任メンバーを配置 Salesforce Ventures 2009年から、Cloud、Saas領域を中心に、全世界で150社投資 Box、DocuSign、Hubspot、MongoDBなど 日本にも2011年から先任者を配置、ホットリンク、テラスカイ、シャノンの3社が上場、シナジーマーケティング、日本技芸、ウィングアーク1stの3社が買収、投資先はSansan、チームスピリット、UPWARD Cisco Investments 1993年からCVC、世界11か国に40名、100社を超える投資先、運用20億ドル超え、 VMware、MuleSoft、など 日本にも2014年以投資責任者を配置 GE Ventures 2010年から平均して年間20件、4億ドル程度の投資を毎年実行 2013年GE Ventures設立からベンチャー投資加速、メンロパーク、ボストン、シカゴ、ヒューストン、上海、テルアデブ HourlyNerd、Mocana、omada、enbala、Airwaer等 投資担当のDirector以上メンバー17名 富士通 1994年に社内ベンチャー制度を制定 2000年には既存事業を切り出してベンチャー企業化するスピンアウトプログラムを制定、ノンコア事業を一部株式保有でVC出資を受け取り、一定期間社員の出向を認める 30社以上が会社設立、QDレーザーやパピレス(2010年上場) 1995年から日本の様々なVCに出資し情報収集、2000年にはWalden International Japanを主要LPとして設立(2005年解散) 2006年にはCVC立上げ 三井物産 情報産業本部で日本のベンチャーへ投資 傘下のシリコンバレーの事業拠点Mitsui Comtekで、1985年 Chip & echnology皮切りに、Nexgan、Cabalt Network等の成功案件生み出した 2005年以はMitsui Incubaseを設立、米国ベンチャー企業に投資、2年間で10社投資、A10 Networks、Ruckus Wireless、Synacorの3社が上場、SmartSignal、Beceem Communications等4社がM&AでExit 金融市場本部でも2002年に2億ドルのMitsui & Co.Venture Partners(現 Mitsui & Co. Global Investment)をニューヨークに設立 実例(CVC投資先) チームスピリット 1996年設立旧デジタルコースト、受託事業から2011年無料勤怠管理アプリにシフト salesforce.comのプラットフォーム専業のベンチャー企業を日本でも育成すべく、アーリーだった当該に、salesforceがリード投資家となって1億円のSeriesAを実施 2012年に1億円のSeriesB調達を受けて成長し、2014年に Best OEM Partner Awardを受賞 2015年に Draper Nexus Ventures を主要投資家として4億円のSeriesC調達を完了、2016年に日本企業として初めて Gold ISV Parpnerに選ばれる ホットリンク 2000年に東京大学博士後期の内山幸樹によって設立、ソーシャルメディアマーケティング事業 salesforceは、コア事業のCRM領域からデジタルマーケティング次号に事業範囲を拡大、2011年に解析プラットフォームを開発するカナダのRadian6を3億ドルで買収していた 2012年に業務提携、同12月に投資先であったシナジーマーケティングと共同出資、2013年東証マザーズにIPO Palo Alto Networks 日立ソリューションが米国ベンチャーへCVC成功事例 Polaは2005年設立のファイヤーウォールを開発販売 2006年に、 Sequoia Capital、Greylock Partnersを割当先とした1,000万ドルのSeriesA 2007年以は、 Globespan Capital Partnersがリードとなり1,800万ドルのSeriesB Globespan Capitalは投資先の日本展開支援を特徴とする米国VC,日立はそのLP、VCトレーニングプログラムに参加した日立社員を中心にPaloの販売代理契約を獲得、2008年にSeriesCで投資 2012年に40億ドルの時価総額でIPO、成長を続け2017年2月時点、時価総額は140億ドル超え A10 Networks 三井物産 2004年創業、次世代セキュリティアプライアンスを開発販売 Mitsui Inclbaseの代表が、かつて三井物産がFoundry Netwoeks に対してベンチャー投資し、日本展開支援で大成功メンバーであり、その際の縁と信頼でA10への出資機会を得た 2005年に600万ドルのSeriesAを、2006年に800万ドルのSeriesB、2007年に総代理店、2008年に2,300万ドルのSeries,C、2013年に8,000万ドルの調達を経て、2014年に10億を超える時価総額でIPO Vitriflex クラレ 2010に設立、有機ELや太陽電池向けウルトラバリアフィルムを開発 2011年クレラは Draper Nexus Venturesにファンド出資、社員を派遣 2011年Draper Nexus VenturesはCEOとCTO採用の上、45万ドルのSeriesAを実施、2012年にLPのJNCと戦略パートナーシップを構築、SeriesBでは同じくLPのクレラが共同投資家として490万ドルを調達 Servicemax Emergence CapitalとSalesforceが2008年に Force.com $1M Challenge実施 クラウド領域に特化したVCの Emergence Capitalが応募企業を評価選定し、優勝者に出資検討機会を提供、結果Emergence CapitalとSalesforceが合計$2Mの出資、その後Servicemaxは累計$206M調達し、2016年に GE Digitalにより$915Mで買収 CVCに必要なスキル 業界人脈のどれくらい中心にいるか(中心度)、即ち指標として、関係あるVC数、VCから投資機会に招かれた頻度、最も影響力を持つVCへのアクセス、といったことが極めて重要 VC同士の仲介能力、自らの案件を使って共同投資案件を創出する能力はさほど影響を及ば差ない 増資ラウンドを成功させるような実績の積み重ねがVCの業界内人脈での評判を高めていく パフォーマンスに与える影響、VC人脈を除き、VC経験だけ切り出すと、その影響はなくなってしまう 共同投資は見返りの互恵性でなりたつ、そこでの情報共有も価値あり。よってシードではパートナー選びに慎重、後半では実績のない小さなファンドと共同投資も増えてくる 発展するベンチャー 米国では、時価総額を最も高めるのは売上高の成長を理解しており、最速で業界内でのリーダーシップとマーケットシェアを獲得することを目指して経営している 売上1億ドルまでの売上高平均成長率 20%以下 20%-60% 60%超え 備考 Staller Grower Supergrower 売上高10億ドルになる確率 1 8 相対評価 数年消滅 92% 区分内比率 株主価値 -0.1~0.18 1 5 Staller区分内 他は相対 成長力維持 15% 区分内比率 Exitまでの平均期間(中央値)は、2014年時点、IPOで7.5年、M&Aで6.2年 日本のVC設立数、及びVCファンドへの出資コミットメント推移額 日本のVC投資件数、及び1社あたり平均投資金額推移 日本のIPO数推移