情報伝達経路の負荷増大、経営陣への権限集中⇒既存知識に依存した対応
同じ間違いを繰り返すことの説明困難
幹部がミドルから選抜・登用される

 

どういうことか

  • 予定調和の高さ:幹部が異常に偉い、誰の意見>意見内容、全員一致原則、全体最適>部分最適、犯人捜しをしない
  • 事前調整の重視:反対を抑えないと上提先送り
  • 登用プロセス:忖度、会議を通す力、有力グループ所属
  • リーダーシップ:立場をテコに仕事、大半が経験談、会議が決める、賞罰パワー
  • 環境変化への適応不全:社内>外部環境、人事のうわさ、対立する施策回避



個人主義vs集団主義

  • 個人主義:「①個人や家族との生活のために十分な時間が確保できること」、「②自分自身の仕事のやり方を選ぶ裁量が相当程度あること」、「③個人的な達成感が得られるような挑戦的な業務があること」
  • 集団主義:「①技能の向上・習得のための訓練の機会があること」、「②物理的な労働条件(換気、証明、作業空間など)が良いこと」、「③自分の技能や能力を十分に活用できること」



自走する性格故、内部からの制御困難
ようは、上記「-」要員の顕著化、その為の人材評価システム、2つの楔(くさび)

 

------------読書から------------

序章

  • 日本の従来強みは、ミドルアップダウン・マネジメント、これがバブル崩壊後弱点となている
  • 企業の競争力を「戦略的意思決定能力」と「業務執行能力」に分ける、前者は伝統的に弱い
  • 自己の比較、北米人にとっては自分1人で完結、東アジア人にとっては「母親から見て良い子である自分」といった他者との関係性の中で自己を捉える

第一章 破綻企業の内部

  • 産業構造の変化は、何故その会社だけが破綻するのか理由にならない
  • 事業環境の変化で、トップダウンとボトムアップの情報が錯綜し、参考になる情報が上がってこない
  • よってやむ追えず従来の知識や方針に則る、前例の踏襲、緊急対策本部も名ばかりになる
  • 本書では、ズルズルと衰退を議論したい
  • 経営陣の資質、なぜその人か理由が不明
  • オーナー系の社内調整は事後が大半、非オーナー系では事前が大半、いわゆる根回し

第二章 日本企業への文化の影響

  • 「罪の文化」:絶対的道徳基準に基づき自己の行動がコントロールされる、告白(懺悔など)によって軽減できる、相手が居なくても出来る
  • 「恥の文化」:内面的な強制力がない、そのかわり恥を回避したいと思うことが外面的な強制力として働く、告白は恥を増大させる、相手が居なければ恥は感じない
  • ユニークネスは関係構築に消極的なので社内調和有線行動に直接的な影響は生じにくいが、ミッションが分かっていれば社内調和を乱すものであっても行うことを促す
  • 5つの経営的施策に関して、経営的施策を講じても、文化的自己感が社内調和優先行動に対して影響と与えれず、直接行動に働きかけるルートしかない

  • 現在業績が好調な会社にも文化的癖によって衰退サイクルが駆動してしまっている可能性あり

第三章 優良企業の内側

  • 最終的に人気がないとダメ、この人がトップなら皆頑張ろう、が基本
  • 学閥・派閥など政治的な力を有するグループが存在しない理由は、人事部門の牽制制度、各事業部に人事を配属、当該事業部内の情報を丹念に収集、個人の評価に関しては本人の上長より多くの情報を有しており乞う変な判断が出来る
  • 優良企業の幹部は、能力・人格などにおいて衆目が一致する人材が登用、サプライズはめったに起きない

第四章 オーナー系企業の内側

  • 単純目標に対して勢いがあるときは良いが、自分たちで考える必要があると困ってしまう
  • 衰退の法則は、自走するというよりオーナーが自走させているといった方が正しい

  • 再生への道、この人がリーダーだと思ってい人についていく習性があるので、新しいリーダーにも順応する
  • 金融の影響、業績悪化で管理部門に出向者をいかせ監督指導を強化、取締役ポストにつき、意思決定自体を担うようになる
  • 銀行流は、「合議制の導入」でトップが出す大きな方向性が無くなり、「PCDAサイクルの導入」でリスク回避志向が急増、上司に怒られない事が優先、会議はリスクヘッジする人の集合体になる
  • 破綻したところには、外部取締役は存在していなかった
  • 良くするには、大胆な権限移譲を行う、オーナーが意思決定に関わる案件は信頼する腹心をして事前に厳密な審査と十分な社内調整をさせる体制撮る(これにより腹心以下の組織力が向上、権威委譲の条件が整う)
  • 腹心は、ある意味オーナー企業を普通の組織にする、会社トータルが大きなくくりでしか見えてこなかったのが、細分化により体系的に整理されるようになる
  • 腹心が行うオーナーへの提案は事前審査が極めて厳しく、ひとたび通過すればオーナーに否決されることはほとんどない
  • 非オーナー系優良企業の特徴の一つ、事実をベースとした議論を尊重する規範の存在となる