「昨日の僕が僕を殺す リュウグウノハナヨメ」(太田紫織) | 読書の迷宮

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「昨日の僕が僕を殺す リュウグウノハナヨメ」(太田紫織)




 「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」シリーズの著者、太田紫織さんの最近作「昨日の僕が僕を殺す」の続編です。

「櫻子さん」同様、北海道を舞台にした作品。本作は小樽を舞台に、あやかしと人間の間で存在する主人公があやかしたちと暮らし、出会う事件や出来事を描く連作短編集の形になっている。

前作を読んだ時点で「面白いなぁ。キャラも魅力的だし、このまま続編書いてくれないかな?」と思っていたら、思いの外、早々に続編を読める事になりました。

 2作目の本作も非常に良かったですね。

全3話構成にプロローグとエピローグが付く。

個人的には第2話の「リュウグウノハナヨメ」が一番面白かったかな。
3話の中で一番長い話って点もあるが、水族館を舞台にして新たなあやかしたちのキャラも加わり、榊さんとお姉さんの話も魅力的だったか。

第1話「ワスレモノ」は、シンプルだけど亡くなった人の魂が行ったり来たりしている感覚と、榊さんが一線を越えようとしていた点の問題点(人間の死に関わる所にまで手を出そうとしていた)が描かれていて、そこをすんでの所でとどまっていたって危うさが感じられたな。

第3話「テケテケ」は、冒頭珍しくコミカルな感じで始まって、ルカをいじめていた田沼の理由不明な「お願い」に巻き込まれて蝶子まで参加する羽目になったあたりw この感じはジュブナイル小説な面白さ的側面があったか。

そして本編の「テケテケ」に関しては、単なる怪異としてではなくバックボーンとなるお話がしっかりと描かれていて、短いけれど感動的になっているのが良かったな。

また、単純に和解とは行かなかったけど、最後は互いに謝って仲良くなったルカと田沼の関係の描写も良かった。

 当然ながら続編希望。