誰にも 言えず

人に 見られないように

人に 知られないように


…妻や 夫から

慰謝料を 請求されないように 


細心の注意を 払って


陰で コソコソと不倫していたのは

悪いことをしている 

という自覚が あったからなのだろう






お酒の席で 出会い

連絡先を 交換

程なくして 

二人きりで 会い

お互い既婚者と 承知の上で

街中のラブホに行きました… だって



この二人の どちらかが

被害者だった 

なんてことがあるのだろうか?





それぞれの

下心しか 感じられない

ありがちな 不倫の始まり




そして その後の


連絡頻度

年月の長さ

生活援助や 高価なプレゼント

将来を期待させる言葉…



そんな 汚れた遊びの小道具を

真実の証として



自分達の不倫は

愛だ

運命だ

本気なのだ

と 聞かされたところで





とどのつまり

男も 女も

自分が 

いい思いをしたかっただけなのだろう


としか思えない







我欲に まみれた

高揚感

幸福感

快楽 は


麻薬のように 刹那的で


その時感じる 満足は

その時だけ のもの




幸せと 思えたものは

すぐに そうは思えなくなり

心が 長く満たされることはない



ごまかして

ごまかして




自分の思い通りに しようと


耐えてみたり

爆発したり



時に

開き直り


時に

悲観に 酔いしれ


時に

これこそが愛なのだ と高揚し




どうにもならないこと と

罪悪感に あぐらをかいて



自分の幸せだけを 追い求める




その先に

自分達だけが

心から笑えるような 幸せが

あると思うのか







不倫を繰り返した夫は

その度


結婚生活を 続ける為に

妻に 嘘をつき


不倫したい為に

女に 嘘をついた




そして

10年続いた 不倫の終わりに

私が 目にしたのは


半狂乱になった

夫の専用風俗のような役割をしていた女と


そんな女の

機嫌を 取り続け

不倫女の尻に敷かれたようになっていた夫



自らが招いた

あまりの状況に 雁字がらめになり

自分たちだけでは

どうにもできなくなっていたのだ






不倫でも


夫にとって

心が通う恋愛なのだろう という

女性では ありがちな思い込みで


長年 夫の不倫に

絶望感を持っていた 私に


その光景は

バカバカしい! の 一言





…その人の幸せを

少しでも 願うのなら

消え去ることしかない出会いがある 

ということを 知った








女心だけを 想像すれば

悲惨であり

気の毒とも思える 不倫女




けれども


自らの意志で

不倫しておいて


あまり 文句も言えないのではないだろうか…