「いつも いつかは別れなければ
と 考えていた けれど
不倫相手が 一人ぼっちになるのは
かわいそうだと 思っていた 」
と 言う夫
常にあった という
別れなければ… という思いが
事あるごとに 名残惜しくさせ
不倫相手への 執着を
さらに 強くするのだろう
そして 夫は
離婚し
仕事も 見つからず
夫が全て のような 不倫生活 で
友人とも 疎遠になってしまった
不倫相手には 自分しかおらず
別れることは
見捨てるように 感じられ
それは あまりにも卑怯 と
思っていた らしい
長年 不倫という秘密を共有し
つるんでいた 二人だ
仲間意識のような 情もあり
状況的に
見捨てられない という
気持ちは 当然 あったのだろう
しかし
不倫相手から
ずっと苦しい思いをさせられてきた
別れるのなら 死ぬ
こうなったのは 夫のせい と
度々 責められていたという夫は
罪悪感は あった ものの
何より
自分が 恨まれること
酷い男だと思われること が
嫌だったのではないかと 思う
いいかげん
夫の不倫にうんざりしていた 私は
「そんなに かわいそうに思うのなら
無理して この家に帰ってこないで
その人と 暮らしたら良い 」
と 提案した
が、何度 言っても
夫は 「 それは 絶対 嫌だ 」と
顔を 強張らせる…
夫は 私にとって
裏切り者 だったが
不倫相手にとっても
責めるネタには 事欠かない
嘘つきの 裏切り者 なのだ
長年の裏切り行為で
妻は 少しよそよそしくはあるけれど
帰る 自宅がなくなれば
夫が 自由に休める場所 が
なくなってしまうのだろう
だいたい 夫は
不倫することそのものが 目的で
相手にしても 人妻で
夫も既婚 と 知りながら
欲に流されて 始まった関係だ
言葉は悪いが
夫にとって 不倫相手は
話が早い 安い女 という
認識なのだと思う
不倫を 夫のせいにして
憤っていても
抱かれれば 満たされ
状況は 何一つ変わっていないのに
不倫女性の機嫌は 直る
( そしてまた 少しすると
不満は募り不機嫌になる の繰り返し )
被害者意識を 持つ
不倫女性は多いように 感じるが
結局 相手を利用し
お互いに 欲のはけ口にして
不倫は続くのだ
夫が
そんな不倫女性に 望んでいるのは
刺激 と 快楽
そして 自信を与えてくれる
不倫相手でいること で
妻になってほしいわけでは ない
夫との結婚を望む 不倫相手が
泣いたり 怒ったり
時には 神妙に
夫に 思いをぶつけてくれば
夫は なだめたり
すまなそうにしたり
信じられないのか とキレてみたり
「今は どうにもできないけれど
別れたくない」と涙ぐんだりして
その都度 四苦八苦しながら
対応していたのだろうが
一貫して 所詮不倫
という考えの 夫は
いつもの 一時的な不機嫌 と
その場しのぎ を するだけで
あまり 不倫女性の気持ちに
寄り添う気持ちは なく
むしろ 感情をぶつけられる時には
自分が ひどい目に遭っている
ように 感じていたのだと思う
(だからいつも しかめっ面をして
不機嫌な様子で 帰宅していたのだろう )
自分の家に帰ろうとするだけ で
いちいち 一悶着とは
不倫するって
なんて面倒で 不自由なものなのか
当時 夫は
気が急いている ように
不倫相手のもとへ 向かい
可能な限り
不倫相手と 過ごし…
私は
夫は 心から不倫相手が大事で
不倫相手との時間は 幸せで
楽しいものなのだろう
と 思っていた
しかし
そんな 夫から
後に 聞かされた 不倫の実情 は
すぐ不機嫌になる 不倫相手から
責められるのが 嫌で
不倫相手の 顔色をうかがうのが
習慣になっていた という
想像していた お花畑 とか
愛情のある 真剣な思い
などとは 全く違う
不満を抱えた ギスギスした世界 で
…それが
四六時中
心は 不倫男への思いで占められ
不倫の 沼にはまり
もがき苦しむ 不倫女
と
目的意識を 持ち
オン オフ しながら
不倫する 男
夫は 仕事でも 不倫でも
全力で 対応する けれど
その日
予定していた用事を こなしたら
家に帰って
休みたい のだ