評判のあまり良くない女だった

女と顔見知りの知人に それとなく聞くと
目立ちたがり屋で 野心家だと言う

そして 思い出した
それは 10年以上前のこと 
言葉は交わしていないが
何度か 見かけたことがある… あの女だ

声が大きくて 意欲的な印象
努力家なのだろう と思ったが
夫の相手がその女なのは 腑に落ちない

色々 聞いているうちに
女を 嫌い とまで言った 夫の言葉に 
やはり 好みではないなと納得するも 

では なぜ10年も付き合っていたんだろう?と
訳がわからなかった




その女と夫は
夫が 独立し
事務所を 構えたばかりの頃に
お酒の席で 出会ったそうだ

その時 女は40才
愛想もノリも良く
少し 生意気な感じはするが
サバサバした 元気な人という印象で

離婚準備中なのだと
臆することなく 人前で言っていたらしい


そして 
以前 同じ業種で経理をしていたので
新しい事務所に 興味がある と
連絡先を交換
その後 数回二人で飲みに行き
程なくして 体の関係を持ったという



セフレで良いという女は
あまり いないと思う

最初は 感じの良かった女だが
慣れてくれば 
本性が 見えるようになる
気性の激しい 独善的な女だったらしい

女の束縛は 徐々にひどくなり
夫は 女の尻に敷かれていたのだろう
すぐ 不機嫌になられるのが
何より嫌だった と言っている


予想以上に 
女の顔色を窺わなければいけない関係 が続き
次にくるのが お決まりの 
将来はどうするのか?問題 である

夫は 女とのことを
深く考えていたわけではなく
出会った時 女が積極的で好感触だったので
酒の勢いもあって 声をかけたが
長く付き合うつもりは なかったのだ


しかし 女から
今まで付き合ってきた若い女とは
比べ物にならない迫力で 責め立てられ

夫は 妻との離婚と 女との再婚を 
口にしたそうだ



その後も 人にはバレないように
コソコソした生活を 心掛けていたようだが

女は
夫の仕事に 意見を言いたがり
夫の仕事中に 夫の車を使うようになり
まるで 妻のようになっていったらしい




そして
ある日
夫は 言われた

離婚したからね   と