踏み続ける事が大切なツアー ~ベムカメSHOW 2019.01~ |  CHOCOLATE YELLOW 

踏み続ける事が大切なツアー ~ベムカメSHOW 2019.01~

 

The Gladiolas “Little Darlin'” 


今日は、あまり僕のブログで語っていませんでしたが、 
“リトルダーリン”の話を一席。 

余りにも有名なザ・ダイアモンズの、余りにも有名な“リトル・ダーリン”。 

雑誌とかネットで「ザ・ダイアモンズのオリジナル曲」なんて 
書かれたりすると、僕は元横綱柏戸の鏡山審判部長のような鋭い眼光で 
「なんだと!」って感じで、物言いの手を挙げてしまいます。 

オールディーズファンでもあまり知られていないのですが、 
“リトル・ダーリン”はザ・ダイアモンズのオリジナル曲ではなく 
ダイアモンズもカバーで歌っています。 

オリジナルは今お聞きの「ザ・グラジオラス」という黒人ドゥーワップグループ。 
1957年という時代なのかもしれませんが、ストリートの 
ドゥーワップ・グループにしては、随分アレンジにギミックが盛り込まれ 
売れセンで作られています。グラジオラスの時点で充分ヒット曲としての 
ポテンシャルを持っているんですよね。 


さて、練馬BE-bornは、新年の開店が例年になく遅いスタート。 
1/9(水)からなんです。それも初日からベムカメライブ。 

なぜこんなに長い冬休みだったのかというと、以前から 
床がボコボコしていたトイレの修繕作業があったからです。 

ご覧ください!これが新しい床! 


シルバーメタリックだったものが黒くなりました。 
もうボコボコしません。踏み続けても大丈夫! 

僕も体重が100キロ近くありますからね。 

♪あの床にトドメを刺すのは(ドンドン)あーなーた~ 

…とよく言われていました。 
わかったよ。ダイエットするからって言おうと思ったら、 
今回はかなり補強されました。ダイエット中止。 

この床の修繕作業は、高橋ケンちゃん。 
練馬BE-bornでは2011年から続いている、東日本大震災のチャリティーイベント 
『やり続ける事が大切なツアー』の主催の一人です。 
BE-bornは出演者やお客さん以外に、リフォームから、電気系統から 
多くの人に支えられて成り立っているんですよ。 
月並みな、なれ合いの言葉ではなく、本当に、皆さんに支えられているんですよ。 
僕もきっと、BE-bornを支えている一人だなって信じています(笑)。 

では最初に、ベムカメのファーストステージから。 

【1st.Stage】 
♪踊りにゆこうよ~At The Hop~ 
 /フラッシュ・キャデラック&ザ・コンチネンタル・キッズ 
♪リトル・ダーリン/ザ・ダイアモンズ 
♪あなたの肩に頬うめて 
  ~Put Your Head On My Shoulder~/ポール・アンカ 
♪ダイアナ/ポール・アンカ 
♪素敵な16才~Happy Birthday Sweet Sixteen~/ニール・セダカ 
♪ルイジアナ・ママ/ジーン・ピットニー 
♪悲しき足音~Foot Steps~/スティーブ・ローレンス 
♪朝日のあたる家~The House of the Rising Sun~/ジ・アニマルズ 
♪カモン・レッツゴー/ロス・ロボス 
♪ラ・バンバ/ロス・ロボス 

僕の好きな“ダイアナ”に“ルイジアナ・ママ”に“素敵な16才”。 
ポップスものが沢山ありました。 

僕は小学四年生の時にクラスメイトと好きな歌はって話をしていたんですよ。 
大抵はアニメソングか、テレビでゃっている歌謡曲。 
でも僕は「ダイアナ」「ルイジアナ・ママ」「ミスターベースマン」と言って 
辺りをシーンとさせてしまいました。僕しか知っていない曲。 
もう、この頃からオールディーズに、ハマって、ハマって。 

熱が出て学校を休んだ時、布団にじっとしてなければならなくて、 
退屈だとグズる僕を黙らせるために、オールディーズを収録した 
カセットテープ十数巻とラジカセを枕元に置いて、 
僕は急に大人しくなり、それを片っ端から聞いていました。 

多分、母は僕が熱より重い病気だと気付いた事でしょう。 
それは現在もまだ治っていません。 

The Diamonds “Little Darlin'” 


セカンド・ステージは、スペシャルゲスト、ポンタさんのステージです。 
先日、ベムカメのゲストで3曲ほど歌われていましたが、 
お客さんのウケがあまりにもよくて、アンコール公演です。 

ポンタさんは、BE-bornでJumpin' Foolsのライブでよくゲストに来られてて 
最近はJumpin' Foolsが休養中ですので、ポンタさんとも縁遠くなりましたが 
ここにきて、新しい活動の場が出来ました。今回も楽しかったですよ。 
お客さんの心をつかむのが上手い! 

【2nd.Stage】スペシャルゲスト:ポンタ 
♪アンチェイン・マイ・ハート/レイ・チャールズ 
♪マーヴィン・ゲイ・メドレー 
 ・レッツ・ゲット・イット・オン 
 ・ホワッツ・ゴーイン・オン 
♪ジャスト・ザ・トゥ・オブ・アス/クローバー・ワシントンjr. 
♪我が心のジョージア~Georgia on My Mind~/レイ・チャールズ 
♪ダンス天国~Land Of 1,000 Dances~/ウィルソン・ピケット 

さて、話は“リトル・ダーリン”。 
ザ・グラジオラスのオリジナル曲とほぼ変わらないアレンジなんですよね。 
でも、ザ・ダイアモンズは、強調するところを強調して、 
洗練したアレンジでやっています。 

ここで、ボーカルの役割についてのお話です。 
実は僕は今ベムカメが歌っているような配分で 
振り分けられていると思っていたんですよ。 

担当A:リードシンガー、セリフ 
担当B:イントロの高音(Ah~yayayaya~)、曲中の高音(lalalalalala~) 

つまり担当Aが中低音、Bが高音。 
ベムカメも、Aがベム、Bがカメと別れていました。 

20年前にダイアモンズが来日して見に行ったことがありました。 
…あ、彼らはメンバーチェンジはあれど、現在も一度も解散せずに続いている 
現存するグループです。ここで、目の前で僕が想像していなかった 
配分でボーカルが振り分けられていました。 

担当A:イントロの高音(Ah~yayayaya~)、リードシンガー 
担当B:曲中の高音(lalalalalala~) 
担当C:セリフ 

イントロと曲中の高音ボーカルは別の人で、しかもイントロは 
リードシンガーの人が担当していたんですよ。 
つまりルベッツの“シュガー・ベイビー・ラブ”のような感じ。 

そして、セリフはリードシンガーの方ではなく、別のメンバーだったんですよ。
つまりベイ・シティ・ローラーズの“エンジェル・ベイビー”のような感じ。

これは僕が見た1990年代のダイアモンズのスタイルとうわけではなく 
1957年当初も同じフォーメーションだったことが最近YouTubeなどで 
確認できます。 

さて、雑誌とかネットで「“リトルダーリン”は 
ザ・ダイアモンズの唯一のヒット曲」なんて書かれたりすると、 
僕は元横綱柏戸の鏡山審判部長のような鋭い眼光で 
「なんだと!」って感じで、物言いの手を挙げてしまいます。 

ザ・ダイアモンズはけして一発屋ではないんですよ。 
“リトルダーリン”の前にも後にも、トップ10ヒットは沢山ありました。 

どうして一発屋という誤報が定番になっているのかというと、 
間に立つ音楽関係の方が、上手に伝えきれていないからなんですよ。 

コンピレーションアルバムを作ったら、ダイアモンズは“リトルダーリン” 
くらいでいいでしょって、一曲しか選ばれない。 
アナログの時代がCDの時代になると、いよいよ、他の曲が手に入らなくなる。 
ラジオもオンエアする媒体がない。あるのはリトルダーリンのみ…となります。 

さて、ライブの前日1月8日は、エルヴィス・プレスリーの誕生日。 


エル様の“リトル・ダーリン”を聞いてください。 
僕も母もこのライブテイクが大好きなんですよ。 
歌詞やセリフがメチャメチャで。 
楽しいそうですが、エル様が亡くなる4ヶ月前の事です。 

Elvis Presley “Little Darlin'(1977)” 


リトル・ダーリンが一発屋だと思われるような扱われ方は 
日本の歌謡曲でも言えるんですよね。 

「B級アイドル」というのをどう定義づけるかはあいまいですが 
仮にベストテンにランクインしなかった…という基準で分類すると 
聖子ちゃんや明菜ちゃんが当時、レコード店のポスターを貼るスペースの 
八割を占有して、残りの場所をB級たちが分け合う…みたいな 
イメージになってしまいますが、当時のレコード店は、 
売り出したばかりのシングルのアイドル歌手のポスターが 
平等に貼られていました。なぜなら、ポスターのサイズも数も一緒なので。 

つまり、当時の人の目に届くインパクトとしては、A級もB級もないんです。 
バラエティ番組、テレビコマーシャル、ラジオの出演も 
レコード売り上げと関係なく、普通に目に届いていたので、 
どの人も大衆的だし、けしてマニアックではなかったんですよ。 

当たり前です。ヒットを目指して、作品やファッションは作られ 
大衆の目の届くところで活動しているので。 

ところが現代になり、昭和を振り返ると、 
残っているのは「数字」とか「ネームバリュー」だけなんですよね。 
ヒットしたものが価値のあるものとされ、それ以外は負け組みたいに。 
すごく残酷なんですよ。だから歴史は捻じ曲がる。 

そんな感じで、当時リアルタイムに生きていた人の視点というのは 
どの分野でも大切なんですよね。 

さて、最後のステージは再びベムカメです。 
前日誕生日のエルヴィス・プレスリーもここで登場です。 

【3rd.Stage】 
♪モナリザ/ナット・キング・コール 
♪ツイストで踊り明かそう/サム・クック 
♪ワンダフル・ワールド/サム・クック 
♪浮気なスー/ディオン&ザ・ベルモンツ 
♪オンリー・ユー/ザ・プラターズ 
♪煙が目にしみる/ザ・プラターズ 
♪ロック・アラウンド・ザ・クロック/ビル・ヘイリーと彼のコメッツ 
♪セイ・ママ/ジーン・ヴィンセント 
♪ブルー・スエード・シューズ/エルヴィス・プレスリー 
♪ハウンド・ドッグ/エルヴィス・プレスリー 

アンコール 
♪シェイク・ラトル・アンド・ロール/ビル・ヘイリーと彼のコメッツ 
♪レッツ・ツイスト・アゲイン/チャビー・チェッカー 


先ほども言いましたように、ザ・ダイアモンズは現在も現役。 
近年のステージでも“リトル・ダーリン”を歌う時は 
同じフォーメーションですし、メンバーの歌の中のやり取りも 
1957年のまま、何も変わっていません。 
変わっているのは、全員髪が抜けてしまったことくらいです。 

踏み読む月日重ねつつ…踏み続けることが大切。 

The Diamonds “Little Darlin'”