Xmas忘れても玉子忘れるな ~ベムカメSHOW 2018.12~
Little Richard “Rip It Up”
青春18きっぷ・各駅停車の旅が好きな僕にとって見逃せないのがこれ。
「高輪ゲートウェイ」
品川と田町の間に出来たこの駅。なぜに12月発表なのか。
2、3ヶ月早ければ、この駅名が確実に流行語大賞候補になったのに。
なんだか知らないけど不評感がすごい。
どうやら一般公募の投票ではこの名前が130位らしい。
130位のものが1位になったという事になる。
一番の違和感は「ゲートウェイ」という言葉だろう。
東京の代名詞と言ってもいいくらい由緒あるあの山手線に外来語使う事。
駅名一覧にした時、唯一長い名前でバランスが悪い事。
ゲートウェイが「玄関」だとすると、どこに対しての玄関なのかという疑問。
上野は東北の玄関口とよく言われたし、東海/西日本の玄関口なら品川。
空港という意味では浜松町をゲートウェイとしてもいい。
この駅は何に対して入口なのか明確ではなく、
なんとなく外来語を使った表層的な美意識で人の気を引こうとしている感じが
どうもあざとくて、世間では鼻につくらしいのだ。
「クールビズ」とか、「プレミアムフライデー」みたいに。
最近、あまりにも外国語を多様に使い過ぎた反動で
カッコいいつもりが、カッコ悪くなっている事が多い。
「俺、モチベーションが下がったんで…」
「やる気がなくなっちゃったの?」
「ぃゃ、モチベーションが下がったんだよ。」
「だから、やる気がなくなったんでしょ?」
「違うって。それとは別!」
「でも、そういう意味でしょ?」
「そういう意味なんだけど、やる気がないと言うと
俺が悪いみたいで、幼稚で、カッコ悪い響きじゃん。」
「そういうことだ。お前が悪くて幼稚でカッコ悪い。」
…という具合に、なんとなく外来語を使って自分のプライドが保てる人が多く、
またそれを煽るようにそういう言葉で釣る人達も多くなった。
そういうのが一番カッコ悪いんだけど。
これが前回のブログで言っていた「ダサかっこいい」の反対の現象だ。
そういう反動の時代が来た時に、また「高輪ゲートウェイ駅」みたいな
ネーミングが出たものだから、一斉に人々の餌となってしまうわけだ。
さぁ、ではここから「高輪ゲートウェイ駅」の全く反対のお話。
ゲートウェイの役目というのは僕にはいろんな解釈が出来る。
もっと想像力豊かにして、「未来への入口」と考えてみよう。
この言葉は「機能」ではなく「希望」のための言葉と解釈できる。
それに、我々はこれまでに駅名を「識別」以外の事で
人生の役に立っていた事はほとんどないはずだ。
どこかの入口でなければ不満で毎日がやり切れないのだろうか?
他の駅に対してもそんなに駅名の解釈について困ったことはないはずだ。
「宇都宮貨物ターミナル駅」なんか業務連絡なくらい我々に関係ないのに。
駅名で一番、多いのが地名。
駅のある場所の地名が、駅のない場所の地名よりもはるかに知名度が高くなる。
あるいは駅名が地名そのものになっている事がよくある。
「南台に行ってきた」というとどこか分からないけど
「おださが(小田急相模原)に行ってきた」と言うとイメージが付きやすい。
駅名がすでにランドマーク的になっているものも多い。
例えば「西武球場前」とか「読売ランド前」とか。
ディズニーランドに関しては「舞浜」のままで通しているけど。
まぁ、きっとそんな細工をしなくても理解してくれる自信があるのか、
名前の使用権を譲りたくないかという事だろう。
さて、今日の1曲目はリトル・リチャードの“リップ・イット・アップ”。
大ヒットした“のっぽのサリー”の次のシングルです。
では、続いて盤面はをひっくり返して
このシングルのB面を聞いてもらいましょう。
「B面」って聞くと、地味だったり、暗いイメージがありますが、
このB面はすごいんです。A面と全く区別がつきません。
Little Richard “Ready Teddy”
ランキングで130位だった「高輪ゲートウェイ」が採用された話も興味深い。
公募する意味がないと言われていたが、実はこういう事はよくある。
例えば「今年の漢字」。
大抵一般公募された1位のものは採用されない。
民主党が政権を取った年の1位は「民」だったが選ばれなかったのは、
政治思想に関しては必ず不快な人もいるし、
偏重と指摘されるため、もっと文化的なものが選ばれやすい。
それはお札に載る人物も、かつては伊藤博文のような政治家だったのが
福沢諭吉のような文化人に変わったのによく似ている。
レコード大賞と紅白歌合戦の選出もそうだ。
一番売れたレコードとして有名だった“およげ!たいやきくん”が
レコード大賞を取らなかった事とか、
15週くらいオリコン1位だった“ビューティフルサンデー”や
23週くらい1位だった“恋の季節”ですらそうだ。
「数字=正しい」というわけではないのに、
世間ではどこかで数字が正しさに変換されて解釈されている事が多い。
だから公募というのは、多数決で勝ち取るものでもなく
アイディアの提供に過ぎないと思うのだ。
だから僕はこの駅名のセンス以上に、
世間のリアクションの方に突出したものを感じてしまう。
これまでに、誕生した新しい駅名に対してテレビが時間を割いて
批評するなんてあまりなかったはずだ。
既に決定したものに対して、批評するなんて事は全くクリエイティブではなく
生産性を感じない(わざわざ今年の話題の言葉を使ってしまった)。
高輪ゲートウェイはさすがに炎上商法ではないと思うが
炎上というのは、批評している人達が
「俺が一番正しい判断力を持っている」と優位な立場にいる事で心を満たし、
なんとなくそこにいる空気を支配してるようでいて
実は批評している人たちというのは、その優越感で
まんまと支配されてるという構造だったりする。
少なくとも批評する事なんて、何かを生み出すより影響力のない事。
多分、この駅名に対しても世間はそのうち受け入れるだろう。
既存の駅名だって、「御徒町」が読めねーよとか、
「高田馬場」の「の」はどこにあるのだとか、
一番派手な街に「渋い」という漢字を使うなとか、いまさら言う人はいない。
普通に受け入れて日々を過ごしているのだ。
それより僕が気になって仕方ないのは、長い名前なら必ず略称が生まれる事。
小田急相模原が「おださが」、たまプラーザが「たまプラ」と呼ばれるように。
これがもし「高輪」ではなくて、「小樽」とかだったら面白いのに。
「小樽ゲートウェイ」→「オタゲー」 …ってなるから。
高輪ゲートウェイは「タカゲー」「タカナゲ」「ワゲー」「カナゲー」「タナゲ」
これが楽しみで仕方ない。つまり高輪ゲートウェイは
我々に略称の命名を与える余白を残してくれたのではないだろうか。
しまった…また本題に入っていなかった…
1975年にジョンレノンは『ロックンロール』というアルバムを出します。
僕が一番好きだったのがこれ。
リトル・リチャードのシングル『リップイットアップ/レディ・テディ』の
A面とB面をメドレーにしています。
これはリトル・リチャードは曲調が同じという裏づけのようなものです。
12月8日、ジョン・レノンの命日。
John Lennon “Rip It Up~Ready Teddy”
僕は高校時代に、エルヴィス・プレスリーよりも、
リトル・リチャードが好きな時期がありました。
母がエルヴィスのファンだったので「異議あり!」という感じでした。
当時は丁度レコードからCDに転換する時期でして、オールディーズの
コンピレーション・アルバムやベストアルバムもチラホラ出てきたんで
聞いてみたのですが、当時は音のインパクトが弱くて、
カセットテープで録音したエアチェックの音源よりも
音が弱かったりしました。
特に、チャック・ベリー、ジェリー・リー・ルイス。
なんかロックンロールみたいだけど、迫力ないなぁ…って。
そんな時に、やっぱりすごかったのはエルヴィス・プレスリー。
ボーカルの力というのが圧倒的だったんですよね。
どんな劣悪な音環境であろうとも、エルヴィスはみずみずしさを保っていた。
しかし、しかし、それ以上に衝撃だったのはリトル・リチャード。
これは、劣悪な音環境でも、それを感じさせない圧倒的な力強さ。
音が悪いはずの楽器の演奏も引き上げてくれて気になりません。
リトル・リチャードのベストアルバムを買ったら、
チャック・ベリーのイントロ以上にどの曲も同じ曲調。同じコード進行。
永遠に止まらないジェットコースターのようでした。参った。
12月5日はそんなリトル・リチャードのお誕生日。86才になりました。
そしてこの良き日に練馬BE-bornではオールディーズ・ライブ。
『ベムカメSHOW』が始まりました。
ではまずベムカメSHOW最初のステージから。
まずは、オールディーズ・ポップスの
二枚看板ポール・アンカとニール・セダカからスタートです。
小学生の時、母の買った週間FMを読みながら
NHK-FMの『軽音楽をあなたに』の
「ロックンロール大全集」という番組表を見ていて、曲名に驚きました。
外国人のニールセダカが、ひらがなの「おぉ、キャロル」。
日本人の山下敬二郎さんが、カタカナの「オー、キャロル」。
ということで、僕はいつもニールセダカのところは「おぉ」と書くのです。
【1st Stage】
♪ダイアナ/ポール・アンカ
♪おぉ、キャロル/ニール・セダカ
♪ハロー・メリー・ルー/リッキー・ネルソン
♪ラストダンスは私に~Save The Last Dance For Me~/ザ・ドリフターズ
♪16本のろうそく~16 Candles~/ザ・クレスツ
♪悲しき街角~Runaway~/デル・シャノン
♪雨にぬれても~Raindrops Keep Fallin' On My Head~/BJトーマス
♪ヘイ・ポーラ/ポールとポーラ
♪ルート66/ジョージ・マハリス
♪ワイルドでいこう~Born To Be Wild~/ステッペン・ウルフ
この日は朝から雨が降って来ましたが、お昼には止みました。
梅雨時期でもないのに“雨にぬれても”がこんな日に聞けるなんてまた予言的な偶然。
ポールとポーラは「亀-益美」のデュエット。
次のステージでは別の組み合わせのデュエットが聞けます。
そして、“ワイルドでいこう”。
僕のこのブログタイトルが「チャイルドでいこう」なので、
どこかで触れたいとは思っていました。
ルート66からいきなり時代が変わりますが
全く違和感なく、このドライビングソングはつづながりました。
Little Richard “Ooh My Soul”
続いては、これまた大好きなリトル・リチャードの曲。
この言葉の意味がほとんどなくて興奮だけを伝えている感じが
彼の音楽の魅力です。体験するものに論理的な解釈なんて必要ない!
さて、セカンドステージは中村詠子さんのステージ。
なるほど、雨は予告編のようなものだったのか…。
とはいえ最近は脱・雨女となっていまして、この日も昼にはやんでいました。
天気のコントロールが出来るので芸能生活41年目は
気象予報士のお仕事が始まるかもしれません。
【2nd Stage】
♪ヴァケーション/弘田三枝子
♪カラーに口紅~Lipstick On Your Collar~/伊東ゆかり
♪カナダからの手紙/平尾昌晃・畑中葉子(with カメ)
♪愛の挽歌/つなき&みどり(with ベム)
♪私のバラード/神野美伽
♪カモンダンス/弘田三枝子
♪葉山ツイスト/コニー
♪かっこいいツイスト/弘田三枝子
最初の2曲と最後の3曲が和製ポップス。
真ん中にベムカメとのデュエットがあって、
“私のバラード”では、芸能生活40年として
これがこのステージ唯一の、詠子さんのための曲という感じでした。
この“私のバラード”の前に、僕の制作した動画も
会場に流して頂きまして本当に感謝です。
今回はいろんな組み合わせが見られて面白かったです。
このセットリストをもらった時にデュエットの女性側の二人の
誕生日が一日違いという事に気付いてしまいました。
畑中葉子さんが4月21日生まれ。
田代みどりさんが4月22日生まれ。
さて、当のベムカメですが、大抵は持ち歌を交互に歌うので
デュエットというわけではないのですが、一曲の中でボーカル
チェンジするものもあります。
最後のステージではそれが見られました。
コースターズの“ザット・イズ・ロックンロール”と
ビーチボーイズの“サーフィンUSA”です。
今年は“USA”ブームでしたからね。
…あれ?今回はクリスマスソングなしなのか!
【3rd Stage】
♪ザット・イズ・ロックンロール/ザ・コースターズ
♪サーフィンUSA/ザ・ビーチ・ボーイズ
♪悲しき足音~Foot Steps~/ステーヴ・ローレンス
♪マイ・ホーム・タウン/ポール・アンカ
♪ハートブレイク・ホテル/エルヴィス・プレスリー
♪この胸のときめきを~You Don't Have To Say You Love Me~
/エルヴィス・プレスリー
♪ロック・アラウンド・ザ・クロック/ビル・ヘイリーと彼のコメッツ
♪トゥッティー・フルッティー/リトル・リチャード
♪シェイク・ラトル・アンド・ロール/ビル・ヘイリーと彼のコメッツ
♪レッツ・ツイスト・アゲイン/チェビー・チェッカー
アンコール
♪Saturday Night
♪キッスは目にして
ようやく最後のステージで、この日誕生日だった
リトル・リチャードの曲が登場しました。
今日はリハーサルで、“この胸のときめきを”をやろうとしたのですが
歌うはずのベムさんが髪を整えていたのか、なんかで不在だったので
代理で亀ちゃんが歌っていました。
途中でベムさんがステージに戻ってきて、ボーカルチェンジ。
リハでしか聞けない貴重な2人の“この胸のときめきを”が
客席で詠子さんと僕で独り占めて出来たのが嬉しかったです。
次回のベムカメは1月9日。
…という事はエルヴィス・プレスリーの誕生日翌日です。
これは、もっとたくさん聞けそうな気がします。
そしてBE-bornは1/8までお正月休みですので、
ベムカメから一年がスタートします。
もう年末なんですよね。
これの季節ですよ。
BE-bornのトイレにババーンと亀寿司の年末恒例の玉子焼きの
広告が載っていました(笑)。
12月のベムカメはクリスマスを忘れても、玉子は忘れない!
一年に一度、音楽とは関係ないポスターが貼られます。
では、最後はリトル・リチャードの代表作。
“のっぽのサリー”でお別れです。
ビートルズのカバーでも有名で、コンサートの最後にポールのボーカルで
締めるエキサイティングな曲で、ビートルズのカバー曲でも
多くのビートルズトリビュートバンドによって演奏されますが、
僕はいくらビートルズにハマっても“のっぽのサリー”だけは
絶対にリトル・リチャードの方が好きなんですよ。
ポールのつんざくような高音もロックでいいのですが、
僕はR&Bのようなリトル・リチャードの歌いまわしが好きですし
なんと言っても間奏がギターではなくサックスというのが
アメリカンで大好きなんですよね。
Little Richard “Long Tall Sally~のっぽのサリー~”