I'm A-Walkin In The Rain ~ベムカメSHOW 2018.06~ |  CHOCOLATE YELLOW 

I'm A-Walkin In The Rain ~ベムカメSHOW 2018.06~

Del Shannon “Runaway ~悲しき街角~” 


6月6日(水) 練馬BE-bornでベムカメSHOWがありました。 
お越し頂いた皆様ありがとうございました。 

アメリカンポップスの雰囲気を作ろうと、この日はランチからハンバーガー。 
我が家から1分のバーガーショップ『グッド マンチーズ 』に行ってきました。 
 


この「Tom & Jerry」というハンバーガー。 
1500円もしますが、僕が頭に描いていた味をはるかに超える美味さでした。 
コーラを頼んで、最後にはチョコレートのサービスまで。 



さて、6月と言えばなんと言っても「雨」。 
関東地方は今日6月6日から梅雨入りとなったようです。 


これはウチのアパートのアジサイ。 
アジサイは咲くだけでなくて、 
雨上がりに葉っぱの上に玉のような露があって完成ですね。 


このいいタイミングで最初のステージには、ベムさんの歌う“雨にぬれても”と 
亀ちゃんの歌う、デル・シャノンの“悲しき街角”が用意されていました。 


【1st Stage】 

♪ロック・アラウンド・ザ・クロック/ビル・ヘイリーと彼のコメッツ 
♪浮気なスー ~Runaround Sue~/ディオン 
♪ラストダンスは私に ~Save the Last Dance for Me~/ザ・ドリフターズ 
♪ハロー・メリー・ルー/リッキー・ネルソン 
♪悲しき街角 ~Runaway~/デル・シャノン 
♪雨にぬれても ~Raindrops Keep Fallin'On My Head~/B・J・トーマス 
♪スタンド・バイ・ミー/ベン・E・キング 
♪この胸のときめきを ~You Don't Have To Say You Love Me~ 
                   /エルヴィス・プレスリー 
♪オー・プリティ・ウーマン/ロイ・オービソン 
♪トゥッティー・フルッティー/リトル・リチャード 


リズム&ブルース、カントリーから派生したロックンロールなので 
基本的にはオールディーズは明るい長調の音楽が多いのですが 
1960年代に突入すると、ロックンロールも源流となる音楽の枠から飛び出して 
言葉の世界でも、音の世界でもポップス化してもっと世間に媚びたものとなります。 

“ヴァケイション”のような歌詞、“カレンダー・ガール”のような数え歌、 
“パイナップル・プリンセス”や“ライオンは寝ている”、あるいは 
インストの“テキーラ”みたいにアメリカに留まらず異国の民族文化を 
取り入れたり、多種多様になります。 

ベムカメで言うところの「ロックンロール」と「ポップスナンバー」というのは 
狭義の意味でして、どちらに対しても「ロックンロール」とか 
「オールディーズポップス」と言っても間違いないのですが 
1955年くらいから始まったリトル・リチャードやチャック・ベリーなどの 
ストレートなノリの「ロックンロール」に対して、 
ポール・アンカやニール・セダカのようなティーンポップが「ポップス」。 

わずか10年くらいの命だったロックンロールですが、 
その中にも前半と後半のような区切りがあるんですよね。 

1974年の映画『アメリカン・グラフィティ』は古き良きアメリカの最後の年 
1964年の夏を描いたものですが、このシーンの中に、硬派なワルだった 
ビッグ・ジョン・ミルナーが、車に乗り込んできた中学生くらいの少女 
キャロル・モリソンと喧嘩するシーンがあるんですよ。 

ビーチボーイズにはしゃぐキャロルと、ラジオを切るビッグ・ジョン。 
この小競り合いの中に「バディーホリーが死んでからロックンロールは終わった」 
という何でもないセリフが、そのロックンロール前期と後期の境目を示していて 
多くの前期信奉者の心をつかんでいたんですよね。 
わずか10年でもジェネレーション・ギャップは存在するんですよ。 

この『アメリカン・グラフィティ』の映画で僕が一番印象的だったのは、 
“悲しき街角”のシーン。セリフもない何でもないシーンなのですが。 

バーガーショップに、登場人物のそれぞれの車。もちろん登場人物以外の 
車の中にも同じ音楽が流れていて、共有していないはずの空間を 
ラジオだけが共有しています。 
映画のサウンドトラックではなくて登場している人たちのリアルな 
サウンドトラックとして存在しているんですよ。 


“悲しき街角”もロックンロールの世界では売れないと敬遠されてきた 
短調の音楽でしたが、61年くらいになると、こういうのものも受け入れられる 
ようになってきます(その前に“恋の特効薬”とかもありましたが)。 

デビュー曲で全米1位になった“悲しき街角”に続くセカンドシングルは 
こんな“悲しき街角”のレプリカであります。 


Del Shannon “Hats Off To Larry ~花咲く街角~” 


現在では“悲しき街角”しか知らない人も多くなりましたが、 
続く“花咲く街角”もそこそこに売れていたので 
僕の母の世代の人はみんな知っていました。 

スローなオープニングでは「彼女は他の男とRUNAWAYした」と 
前作の曲名を盛り込みながら短調のコード進行で歌われますが、 
本編になると長調になります。 

“悲しき街角”は、突然逃げ出した彼女を探して雨に打たれてさまよう男の話。 
“花咲く街角”は、彼女が一緒に逃走した男と別れてしまい 
自分のところに戻ってくるような予感を含んでいます。 

この物語もレスリーゴーアの最初の2枚のシングルと同じように 
“悲しき街角”の続編として作られています。 

二匹目のドジョウ的な強調は多く特徴的な裏声はこの曲でも登場します。 
 Why Why Why~(悲しき街角) 
 Cry Cry Cry~(花咲く街角) 

“悲しき街角”の間奏でお馴染みの電子楽器クラヴィオリンのサウンドを 
“花咲く街角”でも使われています。前作のヒットを無駄にしてない。 

よく二番煎じの曲は売れないなんて言われますが 
音楽家が売れない事を目的に曲を作るってことはありえないんですよね。 
それどころか前作を上回るものを作ろうとしているんで 
悪かろうはずがないんですよ。 

“花咲く街角”もまずスローなオープニングを追加したところもそうですし 
本編も、長調といえど哀愁ある短調の借用コードを使っていて、 
底抜けに明るいわけではなくて、上手に前回と違うように、違わないように 
作られているんですよね。このスリリングなミドルの展開は、数年後に 
ビートルズやストーンズが席巻する頃の予感に満ちています。 

僕はすでに幼稚園に行く前に母から“花咲く街角”を聞かされていて、 
“悲しき”が全米ナンバーワンだけど“花咲く”は1位になれなかったなどという 
情報なんか知るはずもなく、ダイレクトに音楽に対して感じていただけなので 
圧倒的に“花咲く”の方が好きでした。それは今も同じで。 
だから“花咲く”の方がヒット曲だと思っていました(笑)。 

日本では、原曲の歌詞にない「街角」をタイトルに使いヒットしたために、 
次のシングルでも「街角」を盛り込んでおり、その後「さらば街角」 
「さすらいの街角」と同種のもの連発しデルシャノンは日本で 
「街角男」と言われています。本人は全く自覚のない話。 
 

シャネルズのデビュー曲は“ランナウェイ”。 
デルシャノンのデビュー曲と同じタイトルでして、 
シャネルズの3作目のヒット曲がこれまた“街角トワイライト”と 
今度は日本語タイトルの「街角」を引用しています。 
しかも“街角トワイライト”は、“花咲く街角”同じ転調をしているのだ。 

オールディーズに熱中していた小学生時代の僕を 
久し振りに歌謡曲に目を向けさせたのはシャネルズだったのですが、 
それは完璧な入り口だったんですよね。 

Del Shannon “Under My Thumb” 


石野真子さんの“日曜日はストレンジャー”とか“春ラララ”に盛り込まれている 
あのフレーズ、ローリングストーンズの“アンダー・マイ・サム”なんですよね。 

石の=ストーンズ というシャレなのだろうか。 

街角男のデル・シャノンが、まさかのカバーをしているのですが、 
まさかのフィット感(笑)。意外とミックジャガーを歌いこなせているんですよ。 


さて、ベムカメSHOWセカンドステージは 
BK-bornsのメンバーひとりずつによるソロのお時間です。 
担当でいうと、サックス→ベース→キーボード→ギター→ドラム→カメ→ベム。 

【2nd Stage】 

♪太陽にほえろ/井上堯之バンド 
♪朝まで踊ろう/舘ひろし 
♪10番街の殺人 ~ そんなヒロシに騙されて/高田みづえ 
♪10番街の殺人 ~Slaughter On The Tenth Avenue~/ザ・ヴェンチャーズ 
♪ワイプ・アウト/ザ・サファリーズ 
♪君に会いたい/ザ・ジャガーズ 
♪想い出の渚/ザ・ワイルド・ワンズ 

5月に亡くなった井上堯之さんのバンドの曲からスタートでした。 
時代が違えど“朝まで踊ろう”と“そんなヒロシ”の食べ合わせはいいですね。 
“そんなヒロシ”のイントロはなんとベンチャーズ“10番街”。 
リハの時から、笑いがとまりませんでした。 

次が本物の“10番街の殺人”(笑)。 
こちらもリードギターのノーキー・エドワーズが今年亡くなってしまいました。 
追悼ムード。“10番街”はベンチャーズで僕の一番好きな曲なので 
セットリストをもらって大喜びでしたよ。 

“ワイプアウト”もサーフィン・ミュージックの定番曲。 
よくライブの演出でやる曲にソロまわしを加えるものではなくて、 
楽曲の中に普通にドラムソロを盛り込んでいるというのも画期的な作品です。 

それにサーフィンミュージックは、当時としてもカッコ良さをウリに 
しているのですが、ワイプアウトという失敗をテーマにするところも 
愛すべきところなんですよね。原曲のイントロで聞くことの出来る 
笑い声も海の神様のイタズラのような感じでして。 

最後はGSで締めました。“そんなヒロシ~”がGSを彷彿させる 
エレキ歌謡でして、最後にリアルなGS曲を盛り込んでいて、 
今回のセカンドステージはギター祭りでした。 

ギターと言えば、カメちゃんが3ステージともギターを持つシーンがありました。 
ソロまわしではカメちゃんのギターソロまであった。 


最後のステージは、マフィアのような黒ずくめお二人が、 
あなたのハートを頂きです! 


【3rd Stage】 

♪ローハイド/ブルース・ブラザーズ 
♪ソウル・マン/ブルース・ブラザーズ 
♪ダイアナ/ポール・アンカ 
♪恋の片道切符 ~One Way Ticket(To The Blues)~/ニール・セダカ 
♪リトル・ダーリン/ザ・ダイヤモンズ 
♪マイ・ホーム・タウン/ポール・アンカ 
♪オンリー・ユー/ザ・プラターズ 
♪煙が目にしみる ~Smoke Gets In Your Eyes~ /ザ・プラターズ 
♪ブルー・ウェード・シューズ/エルヴィス・プレスリー 
♪恋の大穴 ~A Big Hunk O' Love~/エルヴィス・プレスリー 

★アンコール★ 
♪火の玉ロック ~Great Balls Of Fire~/ジェリー・リー・ルイス 
♪レッツ・ツイスト・アゲイン/チャビー・チェッカー 


久々のブルース・ブラザーズのあとは、 
“ダイアナ”→ベム、“恋の片道切符”→カメと普段と担当を逆にしていて 
貴重でした。この二曲と“リトル・ダーリン”はわりと最初のステージで 
取り上げられやすいので、最後のステージってところも新鮮でした。 

最近新レパートリーになったポール・アンカの“マイ・ホーム・タウン”。 
これも僕は幼少時代からよく聞いて、あの歌い方をマネしていたんですが 
亀ちゃんが見事にやってくれています。 

それとレコード盤では「アイヤイヤイ」のセクションのリフレインで 
フェイドアウトするのですが、ちゃんとポールアンカのライブでやる 
エンディングが使われていました。BE-bornでも全員大合唱でした。 

その後「プラプラ」こと、プラターズのスローな2曲をやって 
最後は怒涛のロックンロールで終わりました。 

今回も満員御礼です。皆様ありがとうございました。 

次回のBE-bornのベムカメライブは、8月1日(水)。お楽しみに! 



デルシャノンはエルヴィス・プレスリーの“マリーは恋人”をカバーしているし、 
ビートルズがアメリカでブレイクする前に、“フロム・ミー・トゥ・ユー”を 
カバーしていました。先見の明がある。あのみんなの大好きな 
オーギュメントコードのところを2拍3連で減速させて 
ビートルズ以上に感動的に作り上げているし、センス良すぎ。 

けして“悲しき街角”の一発屋ではなくて 
ピーター&ゴードンの“アイ・ゴー・トゥ・ピーセス”の作曲家で成功してるし 
次のリヴァプールサウンドの時代にも貢献しているんですよね。 

オールディーズの時代でビートルズの時代へ導いた人としては 
前半はバディーホリー、後半はデルシャノンだったかもしれませんね。 

本日のお別れは、今日のステージも歌われた“オー・プリティ・ウーマン”。 
デル・シャノンによるカバーをお届けしたいと思います。 
ちょっと間の取り方がロイ・オービソンと異なっていますが。 

“プリティーウーマン”に関しては、学生時代からうっすらと思っていましたが 
あの4分打ちのリズムが、ローリングストーンズの“サティスファクション”に 
通じるものがあるなと思っていましたが、ストーンズのも着こなせる男 
デル・シャノンがやってくれましたよ! 

Del Shannon “Oh, Pretty Woman”~“(I Can't Get No) Satisfaction” 



さて、僕のライブ告知です。 

いつもBE-bornでお会いしているののちゃんとなっちゃんに誘われて 
6/16(土)にライブ出演が決定しました。 

いつも7~8月に解禁している僕の最高傑作 
“大磯ロングビーチ・パーティー”を今回は1ヶ月先取して解禁です! 

時間:6/16(土) 18:00~ 

場所:アイミージックバー 
新宿区歌舞伎町2-28-15 サチビル 2F 

チャージ+1ドリンク:2,000円 


そのあとは7月6日(金)。渋谷GABIGABIで昭和歌謡ナイトです。 
ここでも“大磯ロングビーチ・パーティー”をやります。4年連続! 
お楽しみに!