レッツ・エルヴィス・アゲイン ~ベムカメSHOW 2017.10.04~ |  CHOCOLATE YELLOW 

レッツ・エルヴィス・アゲイン ~ベムカメSHOW 2017.10.04~

Traveling Wilburys“Runaway” 


 遠い地平線が消えて 
 深々とした夜の闇に心を休める時 
 はるか雲海の上を 
 音もなく流れ去る気流は 
 限りない宇宙の営みを告げています 

 満天の星をいただく果てしない光の海を 
 豊かに流れゆく風に心を開けば 
 きらめくく星座の物語も聞こえてくる 
 夜のしじまのなんと饒舌なことでしょうか 

 光と影の境に消えていった 
 はるかな地平線もまぶたに浮かんでまいります 

 日本航空があなたにお送りする音楽の定期便 
 ジェットストリーム 

 みなさまの夜間飛行のお供を致しますパイロットは 
 わたくし、城達也です。 



10/4は練馬BE-bornでベムカメライブを行いました。僕は今回もPAと照明。 

今日最初のステージは、FMリスナーにはお馴染み、 
冒頭の城達也さんの語りが思わず浮かんでくる“ミスター・ロンリー”も 
演奏されました。 

ジェットストリームでは、イージーリスニングのインストでしたが 
オリジナルはボビー・ヴィントンの1964年の全米No.1の歌モノです。 

ケネディー大統領が暗殺された翌年でベトナム戦争が始まろうとしている時で 
歌詞は故郷を離れた兵士の孤独感と虚無感を歌った反戦歌ではありますが 
そのこと以上にまだオールディーズ・ポップスの甘いロッカバラードという 
印象が人々には強くて、歌詞を知らない我が国や各国でも人気でした。 

こういった音楽の方の美しさから、歌詞とは関係ないお洒落な架空の紀行番組 
ジェットストリームのテーマになったとしても、どこか馴染んでいるんですよね。 

さすがに“悲しき街角”の音楽をバックにこの語りを聞くのもなんですが… 


【1stステージ】 

♪踊りにゆこうよ ~At The Hop~ 
  /フラッシュ・キャデラック&ザ・コンティネンタル・キッズ 
♪トゥッティー・フルッティー/リトル・リチャード 
♪ダイアナ/ポール・アンカ 
♪スタンド・バイ・ミー/ベン・E・キング 
♪リトル・ダーリン/ザ・ダイアモンズ 
♪悲しき街角 ~Runaway~/デル・シャノン 
♪ミスター・ロンリー/ボビー・ヴィントン 
♪ルイジアナ・ママ/ジーン・ピットニー 
♪ルシール/リトル・リチャード 
♪のっぽのサリー ~Long Tall Sally~/リトル・リチャード 

“アット・ザ・ホップ”はかつてベムカメオープニングの定番でしたが 
近年は割とこの曲から始まる事が少なくなったので、ちょっと嬉しいです。 
最近は“ロックン・アラウンド・ザ・クロック”、“ダイアナ”、 
“ザット・イズ・ロックンロール”ってところですかね。 

2曲目はリトル・リチャードの曲で、ソロ回しまでやって、 
アンコールのようなノリでした。実際、曲の後に選曲したカメちゃんが 
「もう疲れた~」と言って、ベムさんが「今日はありがとうございました」と 
締めのあいさつをしていました(笑)。 

“ダイアナ”はAメロのひと回しをカメちゃんが歌い 
2つ目をベムさんにバトンタッチ、またサビでカメちゃんに戻り 
エンディングのリフレインのところをベムさんという 
照明の僕に無断でやっていました(笑)。も~パニックじゃないか! 

でも7/30に江古田バディで行った10周年ライブのリハーサルの時には 
マイクのサウンドチェックを兼ねて、二人のボーカルチェンジによる 
貴重な“ダイアナ”が聞けたので、それがついに本番で実現しました。 
なんだかんだいって喜んでいたりして。 


さて、丁度この日、僕はトラベリング・ウィルベリーズというバンドの 
“ランナウェイ(悲しき街角)”を聴いていました。 
すると偶然にもベムカメの最初のステージでも

オリジナルのデル・シャノン版で演奏されていました。 

トラベリング・ウィルベリーズを聞いていたのは、メンバーの一人である 
トム・ペティが10/2に亡くなったというニュースがあったためです。 

トラベリング・ウィルベリーズは、ほぼ全員が「ウィルベリー」という苗字の 
偽名を名乗る覆面バンド。普通のギターやドラムがいるバンドではなく 
歌手だけによるドリームチームなんですよね。 ただメンバーがすごい!

 ボブ・ディラン 
 ジェフ・リン(ELO) 
 故 ロイ・オービソン 
 故 ジョージ・ハリスン(BEATLES) 
 故 トム・ペティ 

しかし亡くなったのはこれで3人目です。トム・ペティは最年少なんですよ。 
ロイ・オービソンは活動中に亡くなったし、この“ランナウェイ”を歌った 
デル・シャノンが新メンバーになるのではないかという噂は確かに 
当時よく語られていましたが、その後それを否定する意見も出てきたりして。 
そのデル・シャノンも1989年に亡くなっているんですよね。 

訃報は実際ニュースで知ったというより、ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンの 
Twitterで知ったんですけどね。最近ってニュースよりも個人発信のものが早くて 
ニュースは知らない人のための再放送という感じじゃないですか。 
もう「ニュース」といより「オールディーズ」って呼んでもいいくらい。 


さて、ベムカメに話を戻しますが、
セカンドステージは全てエルヴィス・プレスリーの曲でした。
江古田のエルヴィスナイトが再び!

そうそう、亡くなったトム・ペティもエルヴィスのカバー曲をやっています。 
彼が選ぶとしたら、“リトル・シスター”とか“バーニング・ラブ”とか、 
ナッシュビルテイストのものとか合いそうな印象を持っていましたが 
え?これを??っていう曲を歌っていました。“さらばふるさと”です。 

Tom Petty & The Heartbreakers “Wooden Heart” 



そんなわけで、セカンドステージはこちらです(歌手はすべてエルヴィス)。 

★ ハートブレイク・ホテル
☆ 監獄ロック ~Jail House Rock~
★ ラブ・ミー
★ アイ・ウォント・ユー・アイ・ニード・ユー・アイ・ラブ・ユー
☆ ア・フール・サッチ・アズ・アイ
★ 冷たくしないで ~Don't Be Cruel~
★ ローディー・ミス・クローディー
☆ アイ・ニード・ユア・ラブ・トゥナイト
★ ブルー・スウェード・シューズ
★ ハウンド・ドッグ


ちょっと☆と★で区別してみました。これは何かわかるでしょうか。 

『ELVIS '56』というコンピレーションをお持ちの方はピンとくると思いますが 
★はそれに収録されている曲でして、つまり1956年の作品なんですよね。 
これを見ると代表作ばかり。 

1954年に“ザッツ・オール・ライト”でデビューしますが、 
まだサン・レコードという会社でローカルヒットの印象が強かったです 
それを大手RCAというレコード会社に移籍して、“ハートブレイク・ホテル”で 
初の全米ナンバー1を獲得して、世界のエルヴィスになるわけです。 
その年が1956年。この年のレコード会社の力の入れようと、 
世間の盛り上がりを選曲だけで垣間見る事が出来ます。 

さて、ライブの楽しみのひとつに“ア・フール・サッチ・アズ・アイ”とか 
“アイ・ニード・ユア・ラブ・トゥナイト”などフェイドアウトで終わる曲が 
どうやって自然終止させるのかってところでして。 
いつもワクワクして待ち望んでます。 
ま、言っても、そんな作り込んだ事はしないんですけどね。 
それでもレコードリスナーとしては新鮮は新鮮。 

それと前回に引き続き、ギターのユウスケさんが欠席でして 
(BK-bornsはドラムもユウスケさんです)、今回もサポートギタリストで行いました。 

“アイ・ウォント・ユー・アイ・ニード・ユー・アイ・ラブ・ユー”は 
ベムさんの好みで、通常はテレビで出演した時のイントロ2回回しが 
定番でしたが、今回はそんな事情もあり、レコードと同じ1回だけのイントロでして 
オリジナルに戻ったのに、なんだか新鮮に感じました。 

“ラブ・ミー”は、70年代のエルヴィスのステージで良く歌われていて 
カメちゃんも歌の後半でメロディーがせり上ったりする70年代バージョンで 
歌う事が多いのですが、今日は珍しくこちらも56年のレコード盤でした。 

さて、再びトラベリング・ウィルベリーズお話ですが、 
ソロで確立している5人の歌手によるグループというのはユニークでして 
一本のマイクを囲んで歌うPVもすごくその事を強調していましたが 
面白いのは世代とジャンルも違っているという事です。 

ロイ・オービソンは1930年代生まれ、トム・ペティは1950年代生まれ。 
その他が1940年代生まれとなります。

普通ボーカルグループは自分を殺して寄り添いながら歌うのですが 
彼らはそのままの個性のままでやってしまうというのが面白いです。 

特に僕はビートルズより前の音楽が一番好きですからね。 
ロイ・オービソンの声が出た時はグッと目を引きます。 
メロディの展開が甘く仕上げられているのもあるんですけどね。 
それを差し引いてもロイ・オービソンの声で引き寄せられています。 
エルヴィスもオービソンの声に憧れて“イッツ・ナウ・オア・ネバー”とか 
オービソンみたいに歌ってるって言っていましたしね。 
“フォーリング”とかその原型なのかな?? 

The Traveling Wilburys “Handle With Care” 



ベムカメ最後のステージは、再びオールディーズセット。 

♪ロックン・アラウンド・ザ・クロック/ビル・ヘイリーと彼のコメッツ 
♪ルート66/ジョージ・マハリス 
♪悲しき足音 ~Foot Steps~/スティーヴ・ローレンス 
♪マイ・ガール/ザ・テンプテーションズ 
♪ハロー・メリー・ルー/リッキー・ネルソン 
♪オンリー・ユー/ザ・プラターズ 
♪煙が目にしみる ~Smoke Gets In Your Eyes~/ザ・プラターズ 
♪オー・プリティー・ウーマン/ロイ・オービソン 
♪火の玉ロック ~Great Balls Of Fire~/ジェリー・リー・ルイス 
♪ラ・バンバ/リッチー・バレンス 

アンコール 

♪キープ・ア・ノッキン/リトル・リチャード 
♪レッツ・ツイスト・アゲイン/チャビー・チェッカー 

最後のステージも割かしスタンダードな曲が並んでいます。 
ベムカメ名物のプラターズの2曲。 
いわゆる「プラプラ」が最後のステージで登場しました。 
ロイ・オービソンの“オー・プリティ・ウーマン”もありました。 

 

ロイ・オービソンは4/23生まれ、僕の誕生の1日あとなんてすよね。 
ちょっと親しみのある牡牛座歌手。 
ビリー・ジョエルとかそんな色気で売らない感じが牡牛座っぽい(笑)。 

“プリティー・ウーマン”も“ミスター・ロンリー”と同じ64年のヒット曲。
ビートルズが世界的ヒットをしてしまって、僕の中でロックンロールの
最後の1年と位置付けてして捉えています。

“プリティー・ウーマン”も大好きな曲ですが、このドラムパターンと
ギターリフが中心のフレーズというのが翌年のローリング・ストーンズの
“サティスファクション”の予告編のような感じがして切なくなります。

だからロイ・オービソンは“オンリー・ザ・ロンリー”とか

“ブルー・エンジェル” などのもっとオーソドックスな感じで好きですね。 

あと彼の“ローリング・オン”という曲は、
どこかエルヴィス映画の中に出てきそうな曲調で
お互いにパロディしている感じで面白いです。

でも感激だったのは1980年代。

友人からプレゼントされた晩年の彼のCDを聞いて感激。 
“ユー・ガット・イット”という曲なんですけど、曲調が“プリティーウーマン”そっくりで、

アレンジがフィルスペクターっぽくてプロデュースした感じでした。 

そして誕生日と言えば、10/3が今日アンコールで歌われた 
チャビー・チェッカーの誕生日となります。76才。 
「レッツ・ツイスト・アゲイン・アゲイン… × 数十回」 

ロックンロールを愛する人はタフなんですよ。 

今日のレパートリーにありませんでしたが、ニールセダカは78才。
今日の歌手だって…

76才 ポール・アンカ 
82才 ボビー・ヴィントン 
82才 ジェリー・リー・ルイス 
84才 リトル・リチャード 
89才 ジョージ・マハリス 

涼しくなってまいりましたが、次回のブログは夏休みの回想をざっとお話します。 
青春18きっぷの旅日記です。 

今夜の最後はトム・ペティが『クリスマスエイド2』で歌っていた 
大好きなこの曲でお別れです。 

Tom Petty & The Heartbreaker “Christmas All Over Again” 



ベムカメショー、次回は12月6日(水)、その次が1月10日(水)となります。