GWの巡礼旅を総括! 穴太寺(西国)〜大山寺(鳥取)〜勝尾寺(西国) | MarlboroTigerの【Reload the 明治維新】

GWの巡礼旅を総括! 穴太寺(西国)〜大山寺(鳥取)〜勝尾寺(西国)

 

青天に恵まれたGW...皆さんはどうお過ごしでしたか?無事日常生活に戻られました(笑)?

 

一昨日は井上尚弥の劇的勝利もあり...その記事をアップしました。結局、あれから3回も見直しちゃったんですけどね。

 

と、言う事で...二日遅れではありますが、GWの巡礼記事をアップしたいと思います。

 

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前半の三連休に関しましては、先日レポさせて頂いた通り...西国三十三最難所・施福寺(四番)への参拝が中心でした。

 

先週末の後半四連休は川西(兵庫)の実家に戻り、地の利を生かして車での巡礼行脚となりました。先ずは観音霊場でもある我が菩提寺に墓参り。いつも通り、父と祖父母の魂に祈って参りました。

 

で...

 

 

帰路、遠出ついでに穴太寺(二十一番)にも立ち寄って来ました。近畿圏以外の地方から起こしになる巡礼さんにとっては、何ともアクセスしにくい札所になるんじゃないかな?京都駅から山陰本線で亀岡に出て...そっから更にバスですから...。

 

湯の花温泉の温泉旅館・ホテル一覧【じゃらんnet】

 

私の場合、運転免許証は亀岡の【京都湯の花自動車学校】で取得しましたからね...。言わば、亀岡は私にとって庭みたいなもんです。川西からだと、一庫ダムを抜ければ島田紳助が豪邸を構えていた豊能郡に至り...その先はもう亀岡。車でのアクセスがめちゃめちゃ良いんですよね。

 

従って、実家を中心に据えて【行きやすい札所】をランキングすると...

 

1.中山寺(宝塚)

2.勝尾寺(箕面)

3.穴太寺(亀岡)

4.播州清水寺(加東)

5.花山院(三田市)

 

...ってな感じになる(笑)。関西にお住まいの方からすれば、意外な順位でしょ?

 

 

しかも最近は新名神高速道路がありますからね...実家の近くの川西ICから乗れば、鬱陶しい大阪、豊中、宝塚、神戸を経由する事なく列島の東西に旅する事が可能!この恩恵はめちゃめちゃ大きいです。実家から京都南ICまで35分、比叡山でも1時間ちょっとで着いちゃいますからね。日本海側の札所なんかも、早い早い(笑)。

 

まあいい...。

 

 

そんなこんなで、近場はどうしても回数が先行しちゃうんですよね。パパッと重ね印が増えて行ってしまう(笑)。ここらがお遍路との違いですね。回り方に制約が無い分、良く行く札所と疎遠な札所で凸凹してしまう。でも、それはそれで仕方がないのです。

 

西国三十三所 巡礼には何が必要なの? - 西国お遍路“行雲流水”

 

お遍路は弘法大師の足跡を辿り【路を遍む】のですから、順路に厳格で無ければなりません。でも、【観音巡礼】では、札所の番号は...はっきり言って意味がありません。逆打ちもへったくそもありませんので、ご安心下さい(笑)。これ、基本です。西国三十三所における札所の番号は、室町時代、江戸時代におけるツアコン連中が勝手に決めた順番になっております。東日本から来るツアー客に合わせ、都合よくナンバリングされただけの事。従って、時代によって番号がコロコロ変わります。当然、そこに仏教的な意味など何も存在しておりません。どこから回ろうが、どこを何回参拝しようが、自由勝手。そこが【遍路と巡礼の違い】なのです。ご記憶下さい。

 

菩提山 穴太寺|京都南・滋賀南|西国三十三所観音巡礼【日本 ...

 

この穴太寺は、そう言う意味で私にとって【行き易い札所(=回数稼ぎやすい札所)】に分類されるんですな...。先ほどの写真の通り...先達納経帳の重ね印も、他に先行して5回満了のフルコンプ(満願)状態。ここから、他の札所の満願待ちの状態が続く事となります。これも【西国先達あるある】でしょ?もちろん、几帳面に一回一回...きちっと数を揃えて回り切る方もいらっしゃいますが...。

 

 

せっかくなので、今日は穴太寺に伝わる面白い伝承についてお話しておきましょう。穴太寺は自伝によると慶雲二年(705年)に文武天皇の勅命により、大伴古麻呂が建立したと言われております。有名な霊験譚としては、【身代わり観音】の逸話が有名。

 

 

【今昔物語】に登場する説話で、丹波国桑田郡の郡司だった男が仏像建立の過程で改心し、仏心に目覚めて行くストーリー。

 

物語は主人公の男が都の仏師に依頼し、立派な聖観音像を造らせようと決意する所から始まります。

 

 

仏師が観音像を制作中ですね(笑)。

 

顧客の要望に応える為、彼は見事な腕前を披露。完璧な像を彫り上げます。その出来栄えが余りにも素晴らしく...男は大事にしていた名馬を、仏師に褒美として与える事にしました。

 

 

しかし人間と言うのは恐ろしいもの。今まで普通にあった物が無くなると、逆に恐ろしい程の執着心が芽生えたりもする(笑)...。

 

(褒美にくれてやってしまったが...やはりあの名馬...手放すのは惜しい...。)

 

で、こっそり仏師の後をつけ...

 

 

待ち伏せしてこの仏師を射殺してしまうんですな。仏像を作らせておいて、これを殺し...駄賃代わりの馬も回収してしまう。極悪人でしょ?

 

しかし...

 

罪悪感を胸に抱きつつ、男が家に帰った所...

 

 

仏師に突き刺さった筈の矢が、聖観音像に突き刺さっていたと...。

 

(ああっ!わしは何と愚かであったか!観音様が身代わりになって下された!)

 

仏師も実は無事で、男の欲望を見抜いた観音様が、身代わりになってくれたっちゅう(笑)...そんなオチです。男はこの奇跡に感激し、改心して仏道に帰依したとされております。

 

それが穴太寺のご本尊・聖観音像にまつわる物語。

 

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しかし、そのご本尊...

 

昭和四十三年(1968年)、何者かの手によって盗み出され、現在に至るまで発見されておりません。何とも痛過ぎるオチでしょ?洒落にならん...。

 

 

ご住職の穴穂行弘師。5年前、天台座主の登竜門とされる戸津説法師に指名されました。もしかすると、我々天台門徒にとって将来の座主猊下になられる方かも知れない...。足向けて眠れません。

 

なので、全力で天台勤行を実施。納経所に御朱印を貰いに行くと、坊さん(副住職かな?)から色々質問されましたね。全部暗誦なのか、とか...菩提寺の事とか...。どうやら天台宗も、丹波篠山市から亀岡側(京都側)に入ると極端に檀家寺が少なくなり、近辺には二ケ寺しか無いのだとか...。寂しい限りです。

 

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後半連休の二日目からは、鳥取の大山を目指しました。

 

ん?登山目的かって(笑)?

 

違います。大山寺への参拝が目的。元々修行僧が荒行を行う山でしたからね...天台の聖地の一つなんですよ、大山は。なので半年ほど前に宿坊に予約を入れ、宿泊する事にしたのです。今回は、母を連れての自動車旅となりました。朝7時前に自宅を出て、大山寺の門前に辿り着いたのは10時くらいだったかな。宿坊へのチェックインの前に、参拝に向かいます。

 

 

まあ...登山客が中心ですね。他には牧場に遊びに来たご家族や、自転車競技の団体さん、ドライブを楽しむカップルってな感じ。

 

半袈裟付けて、勤行する為に訪問してる人なんて...多分私一人(笑)。しかもガチな天台勤行をやろうなんて...恐らく坊主以外一人も居らん筈。

 

 

十一面観音を祀る観音堂、不動明王を祀る不動堂でウォーミングアップの勤行を行い、いざご本堂へ!

 

 

こちらが大山寺のご本堂です。ご本尊は地蔵菩薩。

 

ゴリゴリにやりましたよ。

 

他の観光客の邪魔になろうが、笑われようが、一切お構いなし。これをする為に来たのだから、大音声でがっつり45分。上野公園の清水観音堂で3年半やり続けた月一勤行の成果を、地蔵菩薩様に伝えにゃならんのです!!関東では地蔵信仰にも目覚めましたからね...私...。

 

ご住職、至近距離に居られました。大きな犬を連れた近所の方のお相手をしてらっしゃいました。我が暗誦...ミスるかどうか、聞き分けられる距離です。一発勝負の緊張感の中、やるわけですよ...。気合と、度胸と、根性...そして日頃の鍛錬が物を言うのです。

 

法華経からは十如是、自我偈、安楽行品偈、神力品(フル)、普門品(フル)を...続いて延命十句観音経、般若心経、菩薩戒経偈、円頓章、舎利禮文、伝教大師願文、山家学生式、伝教大師遺戒、本覚讃、御本尊真言(地蔵菩薩)×7、光明真言×7、随求陀羅尼×7...最後は伝教大師宝号でフィニッシュ。

 

出来?

 

まあ、パーペキ。

 

 

念願の御朱印を頂戴する事となりました。ご住職から、やはり質問されましたね...色々...。こんな門徒...ほとんど居ないでしょうから...。

 

そこで思ったんですよ...。恐らく...天台宗の在家の檀信徒で...こんな事をやるのは、そしてやれるのは...日本国中で自分だけなんだろうと。冗談抜きで、そう思ってます。もしかしたら、比叡山近郊に住んでいる熱心な信者さんの中に似たような事をする人が居るのかも知れませんが...大都会たる東京、大阪ではついに見つかりませんでした。ほんと...誰一人、見かけた事が無い。

 

...いや、もっと言えば...親戚や菩提寺の法要以外で...天台宗の檀信徒にこの十年間で一人も出会った事がありません!

 

(こうなったら、全在家信者を代表して...俺がやる!)

 

...そんな決意もあったりします。

 

坊さんのプライドが高く、やたらに敷居が高いですからね...天台宗。出家者と在家信者の間に、とてつもなく高い壁が存在しているのです。少なくとも他宗派さんに比べれば、間違いなくそれは顕著。全然開かれておりませんよ、我が宗派は。一般社会から隔絶された空間で全てが進行し、完結してしまう。パワハラやセクハラが横行するのも、その辺りの閉鎖的な組織に問題があると思うんですよね。

 

まあいい...。

 

心を寛永寺・清水観音堂(上野)の頃に戻します...。

 

 

こんな感じ(笑)。上野での数年前の写真です。

 

私がやる。やらねばならんのだ、在家代表として。我流だろうが何だろうが...知ったこっちゃない。伝教大師の志を私なりに表現する為、こうして天台の聖地を巡って来たのです。プロの坊さんに任せっぱでは、面白くないですから。坊さんは、都度都度手短に、適切なアドバイスを与えてくれれば、それで良い。多くは求めません。

 

いや、ほんと...ご住職と、ええお話しが出来ました。母はチンプンカンプンだったでしょうが、貴重な天台の小ネタを色々教えて頂き...門徒としては実にありがたいひと時となりました。

 

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その後、藤の名所(?)の住雲寺に【藤まつり】を見に参拝...って言うか、参加。

 

 

女子高生達が奏でる琴の音に癒されて来ました。滞在時間は20分ほどでしたかね。ちょっと休憩した後は、今回の観光の目玉の一つ...【大山まきばみるくの里】を目指しました。

 

 

どうです...絶景でしょ(笑)?

 

まるで北海道ですよ...。こんな風景が、中国地方の...山陰側にあるんですから、日本列島ってのは馬鹿にならない。大山は標高1729mの中国地方における最高峰の山です。日本海側(北側)に火口部が広がっており、ゴツゴツした景観の方が【表】と言われております。こっち側(南側)は、逆に穏やかな表情で美しい稜線を描いており...【裏】とされています。要するに、厳しい修行地を持つ逆サイドの大山寺側が表っちゅう事なのです。

 

何がしたかったかって(笑)?

 

 

ソフトクリームを食いたかった...それだけ(笑)。いや、この【裏】の風景はですね...映画【未知との遭遇】におけるデビルズ・タワーを彷彿とさせる、スペシャルなフォルムに思え...昔から大好きだったのです。絶対、UFOとか...飛んでそう(笑)。

 

 

草原の周りにはブナの原生林が生い茂り...西日本の他の里山の風景とは全く異なっておるのです。これが白樺なら...大雪山の様に思えるのかも(笑)...。

 

牧場で牛さんを愛でた後は、ゆっくりと宿坊に向かいます。

 

 

 

 

宿泊したのは山楽荘さん。由緒ある宿坊で、山門から最も近いロケーションで有名です。上の写真は別のサイトからお借りしました。写真のお坊さんが素晴らしい精進料理を振舞ってくれます。今回の宿泊では、母が夜中に体調不良に陥り...電話で助けを求める一幕もあったのですが、懇切丁寧な対応でバックアップしてくれました。この場を借りて感謝申し上げます。

 

 

これが当日の料理。

 

もう、健康に...これ以上ないやろっちゅうくらい...最良の食事でした。

 

 

出家した若い男性にとって、俗世間の舌の記憶は簡単には断てませんからね。太古の昔から、疑似肉料理なんかは...それこそ命懸けで工夫して来たんじゃないでしょうか...。永平寺(福井)に参篭させて頂いた時も、精進料理のレシピに関しては絶対の門外不出だと聞かされた記憶があります。

 

 

宿泊した部屋は、なんと...現在の天皇陛下が皇太子になる前...浩宮さんと呼ばれていた頃にお泊りになられた部屋!!!

 

(うおおおっ!!陛下と...同部屋とはっ!!)

 

 

意味もなくハイテンションになっとりました...。

 

翌日には母の体調も回復し、今回の旅のグルメの目玉...

 

 

【真名井ばあちゃんのせせらぎレストラン】を目指しました!蕎麦屋...兼...カフェ(笑)。元々私はうどんよりも蕎麦派ですから、蕎麦が食いたかった...。でも、それ以上に...

 

 

じゃじゃーーーん♪

 

インスタ映えで大ブレークしている、この【いちごパフェ】を食ってみたかったのです!

 

えっと...多分、提供される時期としては、ほぼ最終に近かったと思います。『連休明けには【いちごバフェ】は終わりです。』と言われましたからね。もしかすると、今頃は終了になってるかも知れません。滑り込みセーフでした(笑)♪

 

とにかく待ちましたよ...。

 

オープンの1時間45分前...9時には現場に着き、私らが3番目。そっから、行列は増え続け駐車場もあっと言う間に満車となってしまいました...。居合わせた方々と雑談でもしなければ、間が持ちませんでしたね。11:45の開店まで、順番待ちの修行です。【蕎麦&いちごパフェ】...異色の組み合わせながら、本当に大人気!!

 

さあ、いよいよ席に通され...実食!!!

 

めっちゃ美味かった!!

 

 

蕎麦も...

 

そして...

 

 

パフェも...

 

 

見て下さいな...このイチゴ地獄(笑)!!

 

 

アイスを掘っても...またイチゴ(笑)♪そしてまたアイスクリーム♪

 

これなら、職場の甘党どもにも自慢出来ます!!

 

お値段は、いちごパフェはこのハイボリュームで1,600円!!各安やと思います。東京や大阪で、この金額では絶対に無理でしょうね。皆さん、これが目当てですから、あっちこっちで写真を撮られては...時間をかけてじっくり胃袋に落とし込んでおられました(笑)。最高のひとときでございました。

 

...ってな感じで、午前中を蕎麦といちごパフェに潰してしまいました。

 

今後行かれる方へのアドバイスとしてはですね...

 

●ゴールデンウイーク中ならば【いちごパフェ】はまだ提供されている

●ゴールデンウイーク中でも、開店前1時間(10:45)くらいに到着すれば、開店即座席確保は可能

 

...ってな感じですかね。いや美味かった...マジで。

 

オッサンが堂々とパフェを食える希少スポット...是非甘党男爵は行ってみて下され♪

 

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最後は再び天台門徒に戻り...

 

母を車に残して、大山寺が誇る重要文化財...阿弥陀堂に向かいます。

 

 

平行して、登山道もあるのですが、そちらは【山男・山ガール】専用。

 

(気ぃ付けて下山せぇよ...健康バカ共...笑)

 

軽く微笑んで彼等に会釈。そして私は参道の方へ...。

 

山中で居合わせても、彼らとは目的が違うのです。私は山なんか好きでもなんでもない。苦労してまで、あんな物に上る輩の気が知れません。登山自体には、何の興味も無いのです。登るのは...仏さんが居る場所だから(笑)。これしかない。

 

お堂こそがゴールで、そっから先の物理的山頂には...何も感じません。

 

 

今回の旅のゴール地点。

 

重要文化財の阿弥陀堂です。

 

阿弥陀経~念仏法語~念仏メインの天台勤行を...これまた大音声で厳修しました。これを暗誦出来る檀信徒も、極めてレアでしょう。登山客が怪訝な顔で見ておられましたが、もはやそんな視線には全く動じませぬ。完璧な読経を、扉の奥の阿弥陀様に届けるのみ!!静謐な空間に響き渡る我が念仏...。実に清々しい気分でした。

 

 

この阿弥陀堂での勤行で、今回の修行旅は打ち止め(笑)。付き合わせた母には気の毒でしたが、功徳も百倍増でしょう(笑)。こんなんやれる天台門徒なんて、他に居らんのだから。

 

で、再び実家に戻り、一泊して一昨日大阪に戻りました。

 

途中寄り道で勝尾寺にも寄りましたが、もう...書く余力はございません。

 

 

いいっすよね?何回か書いたし...。今は仁王門が修復中で、肝心の池の景観はイマイチ。まあ、経済力が豊かな真言宗さんですから、どんどんグレードアップして行くはず...。ライトアップとか、凄いですよ。

 

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と、言う事で...色々あったGWでしたが、十分楽しめました!

 

前半と後半の2パートに分かれる特徴的な連休...。これはこれで面白いのかも知れません。

 

以上。

 

皆様にも、御仏のご加護がありますように♪

 

南無観世音菩薩🙏

南無地蔵菩薩🙏