頭陀袋(ずだぶくろ)の話し...
仏具の収納...その他様々な巡礼時の必需品を収納出来る、このありがたいショルダーバッグ。巡礼者には無くてはならない巡礼の友です。
今日は頭陀袋について少しばかり...。
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頭陀袋(ずだぶくろ)って...皆さんも一度は聞いた事があるのでは無いでしょうか?なんか...語呂と言い、響きと言い...【ズタボロ】を連想させ...ちょっとボロっちい袋を想像したりしません(笑)?まあ...そう言え無くもないんだけど...
元々は違うのです。頭陀(ずだ)とは仏教用語なのです。
頭陀袋とは、元々は僧侶が乞食(こつじき)や托鉢(たくはつ:街角でお坊さんが器を持って立ってらっしゃいますよね。あの修行の事を言います。)の際に使用していた袋の事を意味します。それが一般にも転用され、雑多な物を収容し、運搬する布製の袋を指す様になりました。
【頭陀(ずだ)】とは、梵語の Dhūta(ドゥータ)の当て字です。その意味は、【払い落とす】(棄捨)の漢訳音写。仏教の僧侶が行う修行で、まさに【頭陀行】(=乞食の行)を意味します。なので、頭陀袋をそのまま直訳すれば...乞食袋と言えなくも無い...。これでは今日的には、あまりにみすぼらしいですね。棄捨袋と言い直しましょう(笑)。
要は坊さんが頭陀行を行う際、携行用に用いる袋だったと言う事です。ドゥータが訛って...【ずだ】になったのだとご想像下さい。
長い時間をかけて仏教も姿を変え...収納しなければならない物も増えて来ます。お数珠、袈裟、ロウソク、線香、火打石、筆記用具、財布、水筒...そして日本ならば納経帳...。更には供養してもらった物や、仏具、生活必需品...どんどん増える訳です。
雑多な物をポンポン入れて持ち歩く袋を、一般的にも総称して【ズタ袋】と言う様になったのはそのためです。
仏式で葬儀を行う場合、死者の首から提げる袋も【頭陀袋】ですね。これは、これから仏教修行の旅に出るという事を意味しております。故人の白い布製の頭陀袋の中には、紙に描いた六文銭を入れるのが仕来りです。三途の川の渡し賃...ってとこですかね。
ですので、生きている間の修行...巡礼には白をベースとした物が多い。上の頭陀袋は四国遍路用の頭陀袋です。弘法大師といつも一緒を意味する【同行二人】の文字と、中央の【y】に似た文字は【ユ】と発音する梵字。弥勒菩薩と弘法大師を表します。
八十八箇所の納経帳はページ数も多いですから、それ自体かなりの重版仕様。旅程も長いですからね...頭陀袋もタフな物でなければなりません。肩から襷掛けで掛けるのが基本。いつでも必要な物を取り出せる様に、ショルダーバッグの形状になっているのはその為です。また、霊場で雨に見舞われた時の為に、防水の効果も高くなければなりません。
こちらは観音霊場(三十三所)仕様。観音様が描かれていますね。かなりいい感じのデザインです。用途によって、色んなタイプの頭陀袋が販売されています。私も、機会があればこれを買い直そうかとも考えております...。
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えっと...
今まで、色んな巡礼用品をご紹介したのですが...
私の場合、頭陀袋だけ...ちょっとくだけた...と言うか、妙に今風なバッグを使っているのに気付かれた方もいらっしゃるかと思います。その通り...もう、市販のトートバッグやら、ショルダーバッグを流用してしまっている...。
何でか?
いや、別に恥ずかしいからではありません(笑)。正直...菅笠、笈摺、金剛杖の方が遥かに羞恥心が湧きます(笑)。
実はですね...
ちゃんとしたのも所有しておるのですよ...。
所有していて、持って行かないと言うのには...理由と言う物がございます...。
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ご紹介しましょう...。
私の、西国三十三所公認先達頭陀袋!
ええ...そうなんです(笑)。やらかしました...。やり過ぎてしまいました...。
調子に乗って...
『おっしゃ〜〜〜っ!先達さんになったからには、三十三所のお守りを全部着けたるぞぉーーーっ!』
と...アホみたいに気合いを入れ過ぎ...かような状態になってしまった次第(笑)。トホホですな...。途中から...実家の母上ですら、『ちょっとアンタ...恥ずかしいから、近寄らんといて。』などと敬遠され始めた始末(笑)。
もう、リンリン、ガラガラ、チンチン、ジャラジャラ...はたから見ても、かなりイタイ頭陀袋になってしもうたわけです...。
フロントのポケットには開封式の上蓋が付いており...参拝時には受付や納経所でコイツをIDと共に見せねばならない事になっているのですが...
見ての通り...。かなりこっ恥ずかしい...。やらかした感バリバリでしょ(笑)?(※まあ実際の参拝時には、専用輪袈裟にIDバッジを付けとりますから、判別に関してはこの頭陀袋の出る幕は無いんですけどね...。)
なので、実用的では無くなってしまい...さりとてせっかく授与頂いたお守りを外す気にもなれず...
(そしたら、このズタ袋は巨大なお守りにしたろう!)
そう考える様にしたのです...。この中に...コレクションの数珠ブレスを収納し...霊験新たかな巨大複合守りとしてお祀りしておるのです(笑)。
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で、代わりに何を持とうか考えた訳ですが...
何時も何時も...
こんな正装する訳じゃありませんからね...。菅笠・笈摺・金剛杖は、西国巡礼の場合は一般的に殆ど出番が無い。私も満願時とか、よっぽどの事が無い限りはフル装備で参拝する事はありません。輪袈裟と数珠だけは持ち歩きますが、その他は大体家で置きっ放しです。
するとですね...
一般のファッションとの整合性が...崩れる訳ですよ(笑)。見た目格好つけてても、バッグだけ頭陀袋では...シャバでは浮き上がる(笑)。こっちの方が辛い訳ですわ。数珠と袈裟は隠れてますからね。
(ほんなら、かっちょええモンにしとこか...。)
と、なる訳です。
最近のお気に入りは、こいつ。Schottのトート。襷でも掛けられます。非常に便利。黒いアウター以外の時に肩に掛けます。
こいつもSchott。黒系のアウターの時に使用します。
ただ、こいつらは...まんまトートバッグですからね。雨天に弱い。納経帳、濡れたら困りますからね。あくまで晴天時用。
じゃあ雨天はって言うと...
大阪駅前第一ビルのミリタリーショップで購入した、このアーミーショルダー!とにかくタフ!雨だの、泥だの、どうって事は無い。少々荒っぽく動きまくろうが、大事な仏具を防御してくれるのです。こいつも結構使いますね。軍物はクオリティーの高さで言えば折紙付き。一個は持っておくべき頭陀袋かも知れません。死んでも破けませんよ、こいつら...。
おっと!一番場違いな、ヤンチャだった頃の遺物(笑)。まあ、流石にこれでお寺さんを訪ねたことはありませんが、どさくさ紛れにご紹介しちゃいましょう。もう使い込んでかなりクタクタですが、お気に入りのメットバックです。イラストのドクロと英語の文章は僕の発案。それを...知る人ぞ知るカスタムペインターのカリスマ...筆前氏に描いて貰ったワンメイクがこのバッグ!
メットに挟んだマルボロのパックと、ドクロが咥えたシガーがポイント!英文字の部分は...
『俺が死んだら逆さまに埋めてくれや。ほんなら、世界中が俺のケツにキス出来るやろ?』
...うーーーん、パチキの利いた文言です。今見ても、超カッケー...。まあ、クソデカいバッグですので、頭陀袋としては性能的にはちょいと不向きですな...。まあ、これも若かりし頃の、私の死生観です。【武士道とは死ぬ事と見つけたり】の...平成版だったかも(笑)。
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何のこっちゃ(笑)?
まあ、そう言う訳で...今後も先達公認頭陀袋は、巨大お守り袋となって膨らんで行くのでありましょう...。
ん?神仏ごちゃ混ぜで付けまくるのは縁起に良く無いって?忠告無用。そんなのは、全く気にしません(笑)。私は天台宗...神仏習合、神様喧嘩せずで万事OKっすよ。
大切なのは、誠の信心のみ。突き進むのみであります!
でも、白の観音さんの頭陀袋は可愛らしい...。その内購入を考えてみたいと思います。
以上。頭陀袋のお話しでした(笑)。
南無🙏。
筆前さんの超ぉ〜ROCKなペイントはこちらね♪
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