韓国への思い...その9 | MarlboroTigerの【Reload the 明治維新】

韓国への思い...その9

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明洞(ミョンドン)の雑踏ってのは凄かったね。91年のこの時点でも、街中人だかり。朝ごはんをロッテリアで済ませ、颯爽と街の中へ飛び込む!

地下鉄を駆使して移動するわけだが、おもしろかった。向こうじゃ、スポーツ新聞の売り子が列車の中を売り歩くのだ!『◯◯スポーツだよ!』ってな感じで(笑)。電車の吊り革にはドラゴンボールだの、北斗の拳だの...日本の漫画がベタベタ貼ってあり(この当時、著作権云々ってあったのかな?)、口で日本文化を叩きながら、現状は日本文化だらけっちゅう...本音と建前がチラホラ...。不思議なのは駅のキオスクでかならずカッパ巻きとおしんこ巻きを売っている事だ。日帝時代に根付いたモンだろうが、何故これを残したのか...かなり小首をかしげた。

うどんは国民食並みに定着してたね。もう、ふつうにうどん。どこにでもあった。ハンバーガー屋はやはりお国柄か、ロッテリアの方が多かった気がする。日本のバーガー屋の様に、不必要に笑顔は作らない。

この国の中華料理は美味い!特に餃子は最高と言って良いだろう。文化大革命など、中国本土で大きな変化があると、大量の中国人が押し寄せて来る。特に餃子の本場である中国東北部の移民が多く、韓国の中華街では餃子に外れが無い。辛い物に飽きる度、どれだけ世話になった事か!

電車に乗ってると、不思議に思うのが英語表記の地名。良く分からんのだが、同一地名でも『B』と表記されてるものと『P』と表記されてるものがある。例えば釜山(プサン)。最初の文字がPの場合とBの場合があった。何か違いがあるのか?

地下鉄の駅を上がって街をフラつく時は実に楽しい。何せハングルが全く読めないもんだから、行き当たりばったりで店に飛び込むしか無い。そこが喫茶店なのか、不動産屋なのか...スモークガラスの店が多くて良う分からん。ロシアンルーレットみたいだ。

イテウォンは面白かったね。日本で言えば御徒町かアメ横に似ている。とにかく革が安いっちゅう事で、その日までストックして来たなけなしの金を思いっきりつぎ込む事に決めた。勿論、思いっきり贅沢な革ジャンをゲットするためだ(笑)。この街は米軍基地にも近く、外国人客が多い。ド派手な店も多く、俺のRock魂と関西人魂に火が付く(笑)。

値切ったね。ほんと...値切り倒した!『ピサタ、ピサタ(高い、高い)!バイバ~~~イ!』と、店を出るフリさえ見せれば、即半値に下がる(笑)。あとは大阪弁とEnglishで喚き散らし、近くにアメリカ人が居ようもんなら、そいつも呼び寄せ即席の多国籍軍を結成。売り子を取り囲んで『安せい!ディスカウント!ピサタ』を延々と叫び続ける...。かくして、店一番のラム革の革ジャン(10年近く世話になった)を...18,000円で仕留めたのであった。ちなみに定価は50,000円くらいだっと思う。さすがに店員もキレかけていたが(笑)...。

で、何気に重宝したのが海賊版リーボック・ハイカット!今日パクリと言えば中国だが、この当時まがい海賊版ブランドは韓国の真骨頂であった。土産話しの代りにと、露店に吊るしてあった黒のハイカットを買い叩き、旅の途中から履き続けたのだが、これが最高!ホンマものも勿論国内で持っておったのだが...パチモンの方が履き心地ええやんけ!?と、絶句したのを覚えている。この当時の韓国製パチブランドは本当にクオリティーが高かった(笑)。今の中国製なんて、プゥよ、プゥ!

買い物戦争に勝利し、関西人特有の薄ら笑いを浮かべながらサボイホテルに凱旋。夜は全州屋(チョンジュオッ)で無形文化財に指定されているビビンバを食うのだ!!

全州屋は有名な老舗で、チョゴリを来たウエイトレスさんがもてなしてくれる。ビビンバの発祥は全州地方で、最近日本でも定番となった石焼ビビンバのメッカ。そしてソウルにおける石焼ビビンバと言えば、この当時全州屋は最高と言われていた。オーダーを入れ、ワクワクしながら待っていると、何だか変なムードの男女が二組。オッサンと若い姉ちゃんで、明らかに不審な団体だ。喋るでも無く、同じテーブルに四人。余り見るのは失礼だろうと、聞き耳を立てていると...どうやら男二人は日本人。女二人は韓国人のようだ。ピンと来た。これがいわゆるキーセン旅行と言うやつか!?ぶっちゃけた話し、現地の女を金で買っているのだ。俺もご清潔な男とは言えないが、海外で女を買うヤツは我慢ならん。こっちは日本の看板を背負って旅をしておる。『国賊めが!』と一発かましたろうかと思った瞬間...『お待たせしました♪』とアガシが出来立てのビビンバを差し出す。

げんなりした気分も少々混じっていたが、不遜な考えは失せ、食に徹する事にした。

これはもう...最高の味であった♪独特のダシを使っているせいか、混ぜ込んだ後の匂い、口に入れた時に広がる豊穣な旨味のハーモニー...全然ちゃう。極楽の様な混ぜご飯...日本のかやくご飯には出せない、独特のパンチが利いている。

気がつけば二人前を頼み、全州の味を満喫!いまだ居座るキーセンカップルにガンをたれ、その場を後にした。

フロントでホテルマンがくだらん日本語のギャグをかます。一応受けたフリを見せ、部屋に転がり込んだ。『明日はどこ行こう...。』買ったばかりの革ジャンの温もりが、とても心地よかった。