夫はHさんに会いに行っていました。
これまでに見たことがないほどに取り乱した私を見て焦った夫は一番の相談相手であるHさんに電話をして助けを求めていました。
Hさんは仕事の途中で、我が家から1番近いサービスエリアで休憩しているところだったそう。
本当は違う場所での休憩になるはずだったそうですが会社からの指示で場所が変わったことにより、たまたま夫に会うことができたそうです。
(この時の夫は気が動転していて人生で初めて道路を逆走してしまったそうです。)
私は、夫が出て行ったことには気づいていませんでした。
「(下の子)ごめんね... ありがとうね。」
「何があったの?」
写真を見せることはしませんでしたが、状況を説明をしました。
夫のスマホに100枚を優に超える、女との写真が保存されていたこと。
何年も家族をほったらかしにしている間に女とはたくさんの場所に出掛けていたこと。
家族のためには休んだことがない平日の仕事の日にわざわざ休みを取って女と会っていたこと。
残業や飲み会と嘘をついて平日の夜にも女と出掛けていたこと。
「うわ、マジかよ... 」
「ママも今はちょっと、どうしたらいいのか分からない... 」
「しかも、スマホ投げつけてきちゃった。壊れちゃったかな... 」
夫と話している最中に頭にきて興奮していた私は、リビングの壁に自分のスマホを投げつけていました。
「見てくれば?」
「パパはどっか行ったみたいだよ。」
「そうなの?」
「うん。さっきママを追いかけて上に来たけど、頼むねって言ってた。」
「どこに行ったんだろう。」
「ね、どこだろう。」
「出て行ったのかな。」
誰もいないリビングに戻ってみると家族の写真に目がいきました。
夫と不倫相手に思い出を全て汚された気持ちになって、壁にある写真を力任せに剥がしました。
お気に入りのフォトフレームを壁に配置して貼っていたものを無理やり剥がしたせいで、壁紙はボロボロになってしまいました。
夫と私のアルバムも結婚式のフォトブックも引っ張り出してきて、写真を破り割きました。
床にはビリビリに破れた写真たちが散乱していました。
仕事から帰宅した上の子はリビングの悲惨な光景を見て驚いていましたが、別室で次男が説明をしたようで友達との約束があると言って出掛けていきました。
何も知らずにいた私は夫にLINEしました。
どこに行ったの?
都合が悪くなるとすぐ逃げるんだね。
夫は電話を掛けてきましたがLINEでのやりとりを続けました。
気が動転して(下の子)に頼って出てきちゃって、ごめん。
いま、Hといる。
よくそんな嘘が言えるね。
あの子とやり直すの?
何度も言うけど、あいつへの気持ちなんて全くない。
Mと一緒にいたい。
Hに電話したら、たまたま休憩で○○にいて会えたから話を聞いてもらってる。
そのうち知らない番号から電話が掛かってきました。
出ないでいると、夫からLINEが入りました。
その番号Hだからね。
一緒にいるのは本当だよ。
Mのことすごい心配してる。
普段、競技のことでHさんと直接やりとりしている下の子にも電話がありました。
私と話したいと言っていたようですが、話せる状態じゃないと断りました。
「(下の子)大丈夫か?お母さんが心配だから、お父さんが帰るまでの間(下の子)が目を離さないでそばについててあげてな。」と言われたそうです。
Hさんは曲がったことが大嫌いな男気のある人なので、夫が不倫していたことを正直に言うと本気で怒られたそうです。
家族ぐるみの付き合いで昔から私のことも知っているので「どうしてあんなに良い子を大事にしなかったんだ。」と説教されていたそう。
(下の子がHさんの仲間と競技の関係で早朝に出掛けたことがありました。その時、私が朝ごはん用に人数分のお弁当と道中のおやつを用意して持たせました。その気遣いが嬉しかったらしく、手が込んだおかずにも驚いて今まで食べたことがないぐらい美味しかったと、あんなに出来た奥さんはいないと褒めてくれたそうです。)
夫が傷ついて苦しんでいる私を1人にしたことが許せなくてHさんのことは考えずにLINEを打ち続けていました。
いいね、TはHさんに相談できて。
私は自分の夫が10年も不倫相手と繋がってたなんて恥ずかしくて誰にも言えない。
あんなに好き放題されてたなんて思いもしなかった。
何も気づかない簡単な女だって思ってた?
私のことバカにしてた?
そんなことない。
バカなのは俺だよ。
Mは何も悪くないよ。
全部、本当によくやってくれた。
そんなMに甘えてた。
私に足りなかったものって何?
私がもっと(趣味のスポーツ)が上手だったら大事にしてもらえたのかな。
2○年間ずっとTに尽くしてきたのにこんな風に捨てられるなんてね。
あの子とあんなに幸せそうに過ごしてたんだから、これからは好きなだけ一緒にいたら?
ごめんね、幸せにできなくて。
私と夫がこれまで過ごしてきた日々、20年の結婚生活を全て否定されたような気持ちになって自己否定の言葉ばかりが浮かんできました。