気になってしまったことを掘り下げていきました。
「金曜の練習は?母親はどうやって来てたの?」
「仕事の都合なのか知らないけど別々に来てたよ。」
「そうなんだ。金曜の練習の後って家でご飯食べてたよね?」
「うん。俺があのチームに入ったばっかりの頃はチームのメンバーでゴルフコンペやってたから練習の後に打ちっぱなしに行くのが恒例になってたからね。」
「でも、そのうちメンバーが分裂していってゲーセンに寄ったり、飯に行ったりするようになって... 家で食べないときもあったと思う。」
「その場には、あの子はいなかったの?」
「いなかった。だけど、それもなくなっていった頃にあいつから相談されて... 何回か飯に行った。」
「それっていつ?仲間同士で遊んでるうちに2人でも話すようになったって言ってたよね?その流れで2人でご飯に行ったんだと思ってた... 違うんだ?」
「そう、最初は流れで行った。」
「それって、○○総合の試合のときじゃない?」
ピンと来ていました。
夫は、2014年の秋に300km離れた場所で2日に掛けて行われた地方予選に泊まりで出場していました。
その試合の写真を不倫相手がタグ付けしていたので、よく覚えています。
確かに他の仲間も一緒に出掛けていて、みんなで観光をしている写真もありました。
でも、夕食の写真はどう見ても夫と不倫相手が2人で食べているようにしか見えませんでした。
「2人きりじゃない、写ってないだけで✕✕たちも一緒だったって言ってたじゃん。」
「✕✕たちがパチンコに行くって言い出したから1人にするのも可哀想だと思って、じゃあ俺たちは飯に行こうかって... 」
「それは何で?別に、俺たちは遊んでくるねってあの子だけ戻らせれば良かったじゃん。子どもじゃないんだよ?2人で食べる必要があったの?」
「私からしたら、その時点で浮気は始まってるよ。」
「そう言われるとそうだよね... 」
「でも、その時は仲間としか思ってなかったから何も考えずに行っちゃったんだと思う。」
「ずるいよね。仲間としか思ってなかったから、相談に乗ってるつもりだったからってさ。」
「それなら何してもいいわけ?」
「妻子を家に置いて試合に出掛けてる身で、16歳も年下の子と2人でご飯に行くかな。」
「私が同じ立場だったら行かないし、やましい気持ちがなかったなら私に言ったはずだよね?」
「そうだね... 」
「ペアの子と2人でご飯食べることになっちゃってさー、で良かったのに。」
「あの時の(T)は、✕✕たちもいたって嘘ついたんだよ?」
「お土産たくさん買ってきて、土産話もしてきたのに私が聞くまでその話は一切しなかったよね?」
「確かにな... 嘘ついたってことは(M)に隠したかったってことだよね... 」
「私が見てないからって、このぐらいはいいだろうって羽を伸ばしてたとしか思えない。」
「そんなんだから不倫できたんだよ。」
「ごめん... 」
「やっぱり不倫できる人って、不倫なんて絶対にしない私たちとは違う人間なんだね。都合が良過ぎる。」
「逃げ道ばっかり探して、全部自分の都合の良いように考えを持っていって、私がどう思うかって、人の気持ちは考えないんだろうね。」
「(M)の言う通りだよ。」
「今は考えられるようになってきたと思う。でも、あの頃の俺は本当に自分勝手に生きてたよな... 最低だよ。」
「そこから半年ぐらいあるんだよ?不倫が始まるまで... 一体どんな仲だったの?」
「それから... 練習の後に片付けしてたら隣りにきて、相談したいことがあるから2人で話したいって言われて... 」
「2人で会う機会をわざわざ作ってあげたんだ?」
「そう言われると... そうだね。」
「で、四六時中LINEしたり呼ばれたら会いに行ったりしてるうちに、体の関係がないだけの恋人同士みたいにイチャイチャして楽しんでたわけ?」
「イチャイチャとかはしてないよ?これは本当。でも... 2人で会ってたんだよな、その頃から... 半年掛けて親密になっていったってことか... 」
「そこから始まってるよね、不倫は。」
「そう... だね。」
「不倫が始まる前から私との関係が悪かったと思い込んでたみたいだけど、大きな間違いだからね?」
「そっちがよそ見したからおかしくなったの、私たちは。」
「私との夫婦仲はそこまで拗れてなかったのに自分の都合で記憶を捻じ曲げたんだよ。」
「(T)が勝手に女にうつつを抜かして夫婦の仲を壊したの。」
「自分が原因だったって分かった?」
「確かに(M)との揉め事の原因を作ったのは俺だったんだね。」
「(M)にばっかり大変な思いさせてたのも俺のせいだし... 全部俺のせいだ... 」
「もう都合がいい解釈で言い訳するのはやめてね?」
「一番、頭に来るから。」
「(T)がしてきたことは事実なんだから。」
「分かった、本当にごめん。」
「俺は不倫した。それが全てだよね。もう言い訳しないでちゃんと答えるから。」
こうして当時を振り返りながら真相を暴いていく作業はとても腹立たしく苦痛の時間でしたが、夫はこのおかげで自分を見つめ直すことができたように思います。