夫が不倫を始めた頃から、私たち夫婦の言葉のやりとりは必要なことを伝え合うだけの業務連絡になっていました。

 

それが皮肉にも、あの年賀状のおかげで久しぶりに業務連絡以外の話をすることになりました。

 

話の内容は決して良いものではありませんでしたが毎晩のように話をしていく中で、抱き寄せられたり背中をさすられたりしながら、いつの間にか普通に会話ができるようになっていました。

 

(話の途中で、ふと我に返って、この人とこんな風に話すのはいつぶりかなー、意外と普通に話せるものだなー、なんて思ってしまうほどの仮面夫婦だったのに。)

 

でも復活した性生活は、以前の私たちのものとは全く違っていました。

 

見つめ合ったり、キスを繰り返したり、手を握ったりの愛情を確かめ合う行為ではなく、抱き締められて体を触られるところから始まって、ただ淡々とことを進める流れ作業のような行為でした。

 

頻度は多くはありませんでしたが、私はこの行為にも違和感を覚えました。

 

今思えば、不倫相手との行為が原因だったんだと思います。

 

夫は当時、自分が変わってしまっていたことに全く気づいていなかったそうです。

 

自分の中では、その行為が当たり前になっていたからなんだと思います。

 

私のサレラリが落ち着いていくと、夫がしたいときに私のところに来て夫の寝室へ行って行為が終わると解散して、私は子どもたちとの寝室へ戻ってそれぞれに寝ていました。

 

今では考えられませんが言われるがままに応じて、あんな流れ作業のような行為を受け入れていました。

 

夫を受け入れることで不倫相手に勝ったような気になっていたんだと思います。


一緒にいても、昔とは違う自分たちに何か満たされないものを感じながら。

 

それでもまた普通に話ができるようになって、夫に求められて。


別にこれでいい、夫婦ってこんなものでしょと自分を納得させて諦めにも似たような、そんな気持ちで過ごしていたと思います。

 

自分たちの間に根深く存在している問題には目を背けたまま、平気なフリをして、上辺だけを取り繕って過ごすようになりました。