2人がまたよりを戻してから間もなくコロナ禍になり、夫は趣味の練習ができなくなりました。

 

それはしばらく続き、夫が当たり前に家にいるようになりました。

 

家族全員でコロナ禍でもできる趣味を始めたので週末は家族で出掛けるようになりました。

 

この趣味のおかげで、また世界が広がり楽しみが増えました。

 

趣味を楽しむ子どもたちの様子を微笑ましく見守っていたら、ふいに夫と目が合い自然と笑い合っていました。

 

私はこの瞬間をすごく覚えていて、久しぶりに夫の本当の笑顔を見たような気がしました。

 

私たちは、2人で過ごす時間がなくなったことによるすれ違いで上手くいかなくなった夫婦なので、一緒にいる時間が増えたことは好材料に働きました。

 

私が家族と過ごしながら幸せを感じたり、夫と子どもたちが楽しそうに遊んでいるのを見て、この時間を大切にしたいと思っていたのと同じように、夫にも家族を大事にしていこうという気持ちが芽生えていたそうです。

 

そして、コロナで出掛けられないのが当たり前の世の中になってしまったのは夫にとっては好都合でしかありませんでした。

 

両親が持病を抱えているという嘘もあり、絶対にコロナに感染したくないことを不倫相手に伝えたそうです。

 

不倫相手は「私はそんなの気にしない。コロナなんて関係ない。」というスタンスだったらしく「俺は、そんないい加減な考え方をする人は無理だから、しばらく会うのはやめよう。」と夫が伝えたそう。

 

これで不倫相手とのデートを断る口実ができた夫は、ほっとしたそうです。

 

少ししてから日曜の昼の練習は再開されましたが、夜の練習には行かなくなって17時に終わったら、そのまま帰宅するようになりました。

 

その代わりに土曜の夜に仲の良い少人数で場所を借りて、たまに練習をするようになりました。

 

不倫相手と会うことになる日は、日曜の17時までの練習と毎週ではない土曜の夜の練習だけになりました。

 

家族の予定があれば練習には行かないようにもなって、結婚生活の中で夫が初めて自分の予定を二の次にして、何よりも家族を優先してくれるようになりました。

 

いつの間にか、スマホや夫の荷物が無造作にその辺に置かれるようにもなっていました。

 

私たちの夫婦仲は以前のギスギスしていた関係が嘘のように、お互いを気遣い合うとても良い関係になっていました。

 

コロナ禍ということもあり、感染症と向き合う心構えや考え方などでも感覚や価値観が似ていること、同じことを再認識できたり。

 

コロナが家計など、あらゆるものに影響を与えたことで、お互いの存在自体に有難みを感じることができたり。

 

家族の大切さを身に染みて感じることができました。

 

どんなにくだらないことでも言葉にして伝え合うようになったり、些細なことでも相談し合うようにもなりました。


コロナの影響を受けた夫の業界は売り上げが落ちて手取りが減ってしまい、夫はバイトを始めていました。

 

我が家は共働きで2人分の収入があって、私の業界ではコロナの影響はほとんどなかったので1人で家族を養っている人よりも危機感はなかったと思いますが、私に頼ることなく一家の大黒柱としての役割を果たそうと懸命に働いてくれたことには素直に感謝できましたし、夫を見直しました。

 

そんなこともあり、夫も日常が当たり前ではないことを実感していたのかもしれません。

 

夫は、私が何をするのにも「悪いね。」や「ありがとう。」の感謝の言葉を伝えてくれるようになりました。

 

不倫相手のような自分とは合わない人間と無理をして過ごしていた夫の中で、何か変わった部分もあったのかもしれませんね。