私はコンパクトカーで、夫がミニバンに乗っていたので、夫の車で出掛けることがほとんどでした。
夫と不倫相手が親しくなってから、助手席のシートの位置や背もたれの角度が微妙に変わっていたことがあり、彼女を乗せているのには気づいていました。
そして夫は、いつからか自分の車に家族を乗せなくなりました。
家族で出掛ける用事ができると、必ず私の車を使うようになっていきました。
不倫相手が夫の車に乗っていることは分かっていたので、私は助手席に座れなくなり絶対に後ろに座るようにしていました。
夫も同様に私が運転席に座ると、後部座席に座るようになりました。
私は夫の車に乗らないどころか、車のキーさえ、どこにあるのか分からなくなっていました。
いつも誰と食事をしているのか。
今、気に入っている店はどこなのか。
誰と、どこに出掛けているのか。
どんな曲を聞きながら運転しているのか。
夫のことが分からなくなってきていました。
不倫相手と出会ってから目に見えて変わっていったところもありました。
スマホの画面を下にして置くようになった。
お風呂やトイレなど家中でスマホを持ち歩くようになった。
家にバッグを持ち帰らず車に置くようになった。
見たことのない下着、靴下、服がある。
好きなはずがない色やブランドの服、持ち物がある。
誰かと頻繁に連絡を取り合っている様子なのに家族の前では電話に出ない。
コンビニに行くと言って突然出掛ける。
ちょっと出掛けると言って小一時間帰ってこない。
スマホの着信音を鳴らさなくなった。
残業が増えた。
外泊するようになった。
どこかのレシート、ETCの明細などで疑わしいものが見つかった。
不倫している人のチェックリストそのものだったと思います。
(でも、夫はお酒を飲みません。
だから酔って寝てしまったときに指紋認証や顔認証をしてスマホを確認するとか、そういうことが一切できませんでした。
夫は、絶対に私にバレることがないように荷物を管理していましたし、いつも隙を見せずに気を張っていていたので、その辺で寝落ちしていても少しの物音でも驚いて飛び起きてしまうくらいでした。)
車の中の荷物がどんどん増えて、車内は散乱していました。
不倫相手から貰ったプレゼントや手紙、2人がプールに行ったときの浮き輪や水着、残業のフリをして出掛けるための着替えや靴など家には持ち帰れないものを全て車に入れていたそうです。
相手からプレゼントされた物の中で一番大きかったものはヨ○ボだそうです。
受け取った瞬間から処分方法や誤魔化す方法を必死に考え、すぐに会社の後輩にあげたそう。
私は当然そんな荷物だらけの車に違和感を抱いていたのですが、何かを知るのが怖くて、そうした部分に触れるのを避けていました。