1970年に発売された、はっぴいえんどのデビュー・アルバム。当時の人気漫画家、林静一(あがた森魚によるヒット曲「赤色エレジー」は彼の代表作でもある)による鮮烈なジャケットのイメージが今も自分にはつきまとう。日本語ロックの本格的な出発点となった作品。通称、イラストの図柄から「ゆでめん」とも呼ばれる。





 そうなんですね。春よ来い、と綴れば、それは自分の世代には歌のタイトルでもあるんです。先般思いがけない訃報に驚いたばかりの、大瀧詠一くんの在籍していた、というよりそのデビューが日本のロック史の中でも強烈、鮮烈だった4人組、はっぴえんどの70年のデビュー・アルバムの1曲目、オープニング・ナンバーで、初めて聴いた時は「ですます調」の歌詞、歌い方におおいなる違和感さえ覚えたものです。


 で、その音源映像をYouTubeで検索してたら、本家の映像はありませんでしたが、かわりに面白い、というか、なるほどネ、という貴重なものを見つけました。俳優で音楽通で自身、演奏もやる佐野史郎さんのプレイによる「春よ来い」。一緒にやっているのはアルフィーの坂崎さんと、本家のギタリストだった鈴木茂さん。佐野さんのはっぴえんどマニアぶりは有名ですが、一緒に演奏しているとは、ビックリでした。


 ほかにも「春よ来い」はいくつか同名曲がありました。自分より若くてニューミュージックやJ-POP世代のみなさんにはむしろそれらの方が親しみあるんでしょうね。音楽は人それぞれです。ただ、いろいろ聴いていいモノを見分けるのも大切なんだと、自分のこれまでを振り返って、強く思います。