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会場は狭過ぎで、全然前に行けません(涙)。

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お客さんはかつてのパンクスでも今はオトナで静かに見守ってます!


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去年新宿にあったライブハウス「クラブ・ドクター」での鶴川くんとのツーショット! 


 先週末のことになるんですが、渋谷というか恵比寿というか、クロールという小さなライブハウスで知り合いのライブがあったので、重い腰を上げて出かけて来ました。それだけならわざわざここに報告するまでのことじゃないんですよね。問題は、その知り合いというのが、以前ここでも紹介した、メンタイロック(懐かしい~~~響き)華やかなりし頃の人気バンドのひとつ、ザ・ロッカーズのギタリストの鶴川くんで、彼のバンドが、久々に東京でやる、しかも、なんと!ゲストにアメリカからウオルター・ルアを迎えて、というものだったんです。


 果たして、今これを見ている方のどれくらいがこのこと、彼の名前に「おお!」とか「ええ~~!!」という反応をするのか皆目見当もつきませんが、少なくともパンクが好きで、特に70年代のパンク時代を覚えている方なら、何となく覚えているかも。ウオルターはかつて日本でも人気のあった「伝説」のパンク・ロッカー、故ジョニー・サンダースのバンド、ザ・ハートブレイカーズにジョニーの片腕として活躍していたミュージシャンです。


 というか、ジョニーが不調でヘロヘロの時にはほぼステージ全編をウオルターが仕切り、ボーカル&ギターまでキッチリとプレイして何とか体裁を保っていたりもしもました。ジョニーはバンドの顔でしたが、実際に仕切っていたのはウオルター・ルアだった、と言っても過言ではないでしょう。その彼が何年ぶりか分かりませんが来日して、「日本のジョニー・サンダース」こと鶴川ひとみクンと一緒にやる、というんですから見たくない、といえば嘘になります。


 しかもこの話が決まった春過ぎくらいから鶴川くんから連絡をもらい、実際にウオルターが来日してライブをやり始めてからは毎日のように連絡をいただきました。しかし、クロールで大丈夫なの?というのが自分の素直な印象で、せめてクアトロくらいのハコでやって欲しいと感じました。いくら昔の名前で出ています的な人でも、あのジョニーとやったハートブレイカーズのもうひとつの顔でしたから。最低でも300人くらいはお客さん集まるんじゃんないかと、ぼくは思いましたから。クロールはせいぜい150人が限界ないわゆる普通にあるライブハウスですから、鶴川くんの単独ならいいかもしれませんが、ウオルター付きですからねぇ。


 で、大入り超満員を見越して、彼らの出番の15分くらい前に会場に着きました。そしたらもう会場前あたりに人垣が出来て(普段そんなのココで見たことなかったです)、いや~な予感が。案の定、場内は階段から人の波で、受付でゲストだと名前を言い、ドリンクチケット500円払い進入し、人並みかき分け一旦楽屋に。狭い楽屋も人だらけで、でも、着替えを終えた出番待ちのメンバーと無事会えて、鶴川くんから挨拶されこちらも挨拶返し、そこにひときわ大きいガイジンがバッジや刺繍?とかエンブレムみたいのを沢山付けた真っ赤なジャケットを着て現れて、その場で互いに初対面なので挨拶。実際、ジョニーには数回合ってましたが、ほかのメンバーには一度も会ったことありませんでした。ジョニーは小柄で自分と身長とか大差なかった(172センチくらい)けど、うオルターさんは180はラクにある一般的な外国人体型で、ちょっぴりふくよか、たっぷりオジサンになってました。人のことは言えませんけどネ。


 とにかく、終始ご機嫌で、気さくな感じのアメリカ人という印象でした。日本の鶴川くんたちの方が緊張していたのとは好対照。そして、その場を離れ場内に。というか、場内に入ろうとしても入り口付近まで人でいっぱいなのでかき分けつつ、すぐのカウンターで飲み物を。酒は飲めないのでジンジャエールです。周囲を見ると、以前新宿で初めて鶴川くんのバンドを見た時にいたお客さんで自分のファンだと仰っていた方に挨拶され、あの時一緒に撮った写真です、とご丁寧に封筒入りの紙焼き写真をいただきました。その方を含め、関東各地から今日のために来た、という感じの熱心なファンばかりでぎゅうぎゅう詰め。平均50才くらい?のかつてのパンクス?が男女入り交じり今や遅しとバンドを待ち構えていました。


 しかし、みなさん完全にオトナで、時間待たされても汚いヤジひとつと飛びません。静かにじっと待ってます。そして8時半を10分ほど過ぎて客電が落ち、あの曲、そう、ジョニーの出の曲といやあ、「黄金の腕」のテーマですよね。それが流れて初めて大歓声が湧きました。ちなみに自分も以前はよくその曲からDJを始めていたりしたもんです。ジョニーのファンにしか意味が分からなかったみたいですが(笑)。


 で、曲はもちろんインストの「パイプライン」。それがJohnny Thunders & The Heartbreakersでしたから。鶴川くんのバンドも見たのは2回ですがそういうやり方でステージしてました。そして、MCでは鶴川くんがウオルターを紹介して、お客さんも拍手で迎え、何だかパンクというよりファミリアな雰囲気です。自分は一番後ろから眺めてましたが、残念ながら7曲目あたりで空気の薄さにマイって抜け出して来ました。もちろん、汗ダク夫でした(苦笑)。ただ、思っていたよりウオルターさんはステージ慣れしていて、余裕さえ感じました。久々に人前に立つ、という感じじゃなかったです。ジョニーの曲も織り交ぜながら、自作の曲や盟友だったドラマーの故ジェリー・ノーランの曲とかもやり、そういう意味では全編ハートブレイカーズを期待していたファンには物足りない序盤だったと思います。多分、そのへんのヒット曲は後半、アンコールとかで演奏したんじゃないでしょうか。


 でも、自分的には見に行って、久しぶりにの知り合いやそういうファンのお客さんとかにも出会え、出向かないと体験出来ないことにブツかり、意味があったと思っています。やはり「現場」ですよね。これからももっとそういう「現場」に行こうと感じた一夜でした。最後に、鶴川くん、これからも頑張って下さい!自分は応援してますよ!日本のジョニー・サンダースとして、またそれを演じることを自ら望んだミュージシャンとしての鶴川ひとみとして。もちろん、ツバキハウスで出会ったロッカーズ時代からの仲間のひとりとしても。