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鋤田さんにお土産?にいただいたロック写真集『 WHO SHOT ROCK & RLL 』タイトル通りの面白くて勉強になる本です!



 もう、このことはどこから、何を、そういう風に話したらいいものか、かなり迷いました。何しろ、フツーじゃないことが怒ったんですからねぇ。奇蹟といえば奇蹟だし、運命的な出会い、邂逅なのかも、ともかんがえられるし。。


 話の始まりは自分がFACEBOOKでお世話になっているカメラマンの五味 彬さんから、五味さんが主宰のひとりである写真家を中心としたアート探究集団のShiNCというところが、ヴィジュアル・アート誌を刊行しているんです。そこで、自分もこれまで何度かレコードのジャケットなどで出させていただいてます。


 で、ここから本番ですが、いきなり過日、連絡がきて「大貫さんと鋤田さんの対談をそちらの事務所でやらせてもらえますか?」と言うんです。こちらは一瞬何のことか???。スキタさん?誰?っつーか、ひょっとしてもしか、あの伝説的な写真家、鋤田正義さん?え?なんで、どーして?オレが?対談?・・・というような断片が瞬時に駆け巡りました。しかし、実際、話をきいてみると、「我が倉庫のような汚い事務所で、あの著名な伝説のロック・フォトグラファーの鋤田さんが、わざわざお出ましになられて、さらに、自分ごときと対談する」という主旨。いったい何を、どう話をすればいいのか?第一、自分は鋤田さんを知っていても、相手は多分知っていない可能性が高い。なのに、どこからいきなりのこの無茶ぶりをスタートさせるというのか?


 とは言うものの、時間が来てしまえば嫌も応もないんで、先日火曜日(昨日)の雨降る中、午後4時ころにピンポ~ン!とりあえず、地下の事務所に入っていただき、お茶をいれたりでお待たせすること約10分弱。ありえない対応!焦る焦る!


 そして、五味さんを介して互いに自己紹介(こちらは重々承知ですが)して、そこから何を話せばいいのか、と1秒くらい間があり、とりあえず、今般話題の鋤田さんが撮影したデヴィッド・ボウイの写真集を前に、その本のことなどから入ろうと思ったのに、口から出た言葉は、「鋤田さんが、音楽とかロックとかの写真を始められたのはどういうきっかけがあったんですか?」。オイオイ、違うだろ、この分厚い豪華な世界で350冊しか存在しない鋤田さんとボウイ自身の直筆サイン入りで、アナログ7インチが付いて、シリアル・ナンバーもちゃんと入っているこの本から行くはずだろ、え?


 しかし、自分にはよくある「予定は未定」出たとこ勝負。いきなり変化球でした。ただ、それが振り返るとこの対談というかインタビューが案外うまく運んだ一番の理由かも。途中で、そういうような意味合いのことを、鋤田さんご自身が仰られたような。「いや、こんなに話があちこちいって、それで楽しい時間になったことは最近じゃなかったね。」。あざ~~~~っす!


 詳細はその記事が掲載される次回のShINC MAGAZINEでご覧頂くとして、図らずも、こういう対談というかインタビューがうまくいったのは、多分、自分が思うに、鋤田さんという世界を相手に時代のアレコレを切り取って来たカメラマンの本質が、実にピュアな心の持ち主で、好奇心のかたまりで、お金のことは後から考える、というある意味、僭越は承知の上で、自分とどこかで通じ合うものがあるからだと確信している。


 
 とにかく、スケールがデカ過ぎ。60年代から今日まで国境はおろか人種や宗教や金銭的問題さえ乗り越え、ひたすら、その天性の懐の深い自然児然とした心のありようで、ことごとく前にそびえる難関をいともたやすくひと跨ぎしてしまう人間力のパワー。今の時代の武器である、IT情報や科学的分析など、どこ吹く風。スマホもDLもアプリも関係ねー、っていうようなまさにSUPERNATURALISTの見本みたいなスゴい人。今日から自分、ファンにならせていただきます!