そういうことで、今夜のイベントつーかロック懇親会のCROSSROADSのネタ探しとかしていたら、どんどん話が横にそれて、日本人歌手のそれも古い時代、ぼくがまだ小学生の頃の思い出が続々と出て来て、ついついそちらに夢中になってしまいました。


 今の人たちにはまるで別世界の話かもしれないけど、こういう和製エルヴィスとか、洋楽チックな流行歌を歌う(今や、その流行歌、すら存在しないも同然ですけどネ)歌手がたくさんいて、それが例えば、平尾昌晃さんとかミッキー・カーティスさんとか山下圭次郎さんとか、いわゆるロカビリー3人男なんて言われた人たちだったりするんだけど、ぼくの場合はその頃はまだテレビでしか体験出来ずにいたもで、日劇がどんな大騒ぎになっていたかとか、エルヴィスがすごい、とかは実体験的にはよく分からなかったんです。エルヴィス世代はぼくより数歳上の今なら65~70歳くらいの方々ですかね。


 まぁ、そういうことで、その頃テレビに出ていたのは多分今ならジャニーズ系的な、大きな事務所所属の歌手ばかりで、あの頃はまさに「ナベプロ」の時代でしたから、「可愛いベイビー」の中尾ミエとか、和製コニー・フランシスな伊藤ゆかりとか、「こんにちは赤ちゃん」で大ブレイクした、梓みちよとかそういう人たちやクレイジーキャッツとかリリオリズムエアーズとかのグループに坂本九、ザ・ピーナッツとかが大人気だったんですね。


 その中に、あんまりメジャーではないけど、気になる人たちもいてその中のひとりにひと目ガイジン風なお兄さんがいました。それがフランツ・フリーデルという歌手で、日系のモノホンのハーフとからいいんですが、メジャー路線からは離れたところにいて、もっぱらエルヴィスとか海外の歌手やヒット曲のカバーをやっていました。というか、当時はほとんどの歌手がそういうことで「営業」していたんですけどね。オリジナルにこだわるようになったのはポップス系ではニューミュージックが生まれてからだと思いますよ。演歌以外は。


 話が長くなりましたが、ま、そういうあんまり日の当たらない歌い手もいて、そういう人たちも実はグループサウンズ全盛期にはいわゆるその主戦場である「ジャズ喫茶」などに出演していたんです。そういうところでたまに見かけるフランツ・フリーデルやホリマサユキとかはやっぱりぼくには、テレビに出ていた「スター」という意識が働き、またGSとは違う憧れのまなざしでステージを見ていました。
フランツさんの歌い方、歌いっぷりはいかにもガイジンぽく、顔もそうですが、英語もヤケにうまく聞こえました。雰囲気も独特で、いわゆる「垢抜けた」感覚でしたね。そう見えたんです。彼が歌うエルヴィスの「ラ・パルマ」(日本では「パルマ・ツイスト」)とか「電話でキッス」とかの海外のヒットナンバーは本当にカッコいいものでした。



 そういうモノを 映像で検索してみましたが、見つからなくて唯一あったのがここに紹介した日本で作られたまさにこれぞ「和製ポップス」。歌詞も英語だし、曲もそういう感じ。作詞は湯川れい子さん、曲はブルーコメッツのキーボード奏者の小田啓義さんというコンビ。初めて聴きましたよ、ぼくも。でも、いい感じです!これが歌謡曲、流行歌ですよ。