大貫憲章オフィシャルブログ「BOOBEE」Powered by Ameba
70年の2月13日、金曜日にイギリスでリリースされた衝撃のデビュー・アルバム。すでに何度も再発されているけど、今回は通常のCDより音像がクリアで粒立っているような感じのSHM-CDでのリイシュー。


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これも同じく70年の秋にリリースされ、彼らの地位を決定的なものにしたベスト・セラー『PARANOID』。ここでの解説は自分です。レフティのトニー・アイオミのギター・プレイは当時、ほかの誰とも違う感覚でした。



 ほとんど毎日、レコード会社からサンプル盤CDが送られてくるんだけど、それでも、ここ数年はリリース全体が減少して、さらに、サンプル盤を作らないメーカーも増えているので、数はひところに較べたらだいぶ少なくなってます。

 ぼくらのようなフリーの音楽評論家、DJにはメーカー・サイドも慎重というか、いわゆる「ライター」と称する書き手が増えたこともあり、そういうひとたち全員にサンプルを配布するのがいろいろな面で難しくなっているようです。それでも、必要なものは必要なんで、サンプルをこちらから請求することもしばしばな今日この頃。

 今日ここに紹介するBLACK SABBATHの紙ジャケ・リイシュー盤は音楽専門誌「STRANGE DAYS」の企画、監修になるSHM-CDシリーズのひとつで、自分が昔解説したものがそのまま二次使用されるということもあって、サンプルが送られて来ました。

 話が長くなるので、このリイシュー盤についてとかの解説はまた、別の機会にやるとして、簡単にバンドとアルバムについて。
 BLACK SABBATHはイギリスはバーミンガム出身の4人組で、69年に結成され、翌70年にデビュー。その独特な重く、粘っこいどこかデモニッシュなサウンドや歌詞に注目が集まり、いきなり人気バンドへと一気に昇りつめ、DEEP PURPLEとともにイギリスを代表するハード・ロック・バンドになった。

 今でもデビュー・アルバムのオープニング「黒い安息日」を初めて聴いた時の衝撃は記憶の底深くに眠っている。遠くから響いてくるような鐘の音に雨音が入り交じり、そこに左利きのギタリスト、トニー・アイオミの奏でるズシンと重いギターがからんで、オジー・オズボーンの乾いたボーカルが、まさに漆黒の闇夜に唸るように耳に飛び込んで来る。
 まぁ、今聴くとさすがに当時感じたほどには「重く」も「ヘヴィー」でもないんだけど、でも、ブルース・ロック全盛時代のあの頃にあって、こういう音を生み出した彼らはやっぱり普通じゃない、と感心しちゃいます。
 この作品のここでの解説はメタル・ゴッドこと伊藤政則さん。てゆーか、セーソク。そして、同じく70年に発売されたセカンド『PARANOID』の解説はぼく。その『PARANOID』にはその後の彼らのシンボルになったタイトル曲「Paranoid」や「War Pigs」、「Iron Man」などが収録されている。

 メタル、という狭い枠には入りきらない独自性をはらみ、今もなお世界中で多くのファンやフォロワーから支持されている彼らのロックをこの機会にいかがですか?