キリンとサントリーは残念ですが。 | ムズカシイことぬき!

ムズカシイことぬき!

 ジャイアント・キリングを起こせ!大阪日本橋と東京秋葉原&渋谷ではたらく社長のブログ。

昨年7月に発表されたとき、正直ビックリしました。

■キリン、サントリー統合へ 酒類・飲料で世界最大級に

「おおお!昔ながらの日本の経営者も、頭いいわ。なかなかやりおるな。」って思いました。だって経営統合って一方が赤字や破たんで苦しくて、M&Aすることで生き残る(合併が生き残る道と言わない考えもあるが)のが最終的な方法だと思ってたので、まさかの業界1位(黒字)、2位(黒字)の優良大企業同士が近い将来を見据え、先手を打って戦略的に統合するってんですから、これがビックリせずにはいられませんでした。

 ⇒その時のBlog記事(eイヤホンのBlogより)

でも、お互いにうまく話がまとまらなかったようですね・・・。(残念です)

■キリン、サントリーの統合交渉が決裂

キリンは上場企業でパブリックカンパニー、サントリーは非上場のオーナー企業です。そのへんの企業の在り方に対する価値観の違いが話し合いを平行線にさせ、お互いに歩み寄れない、着地点の見えない議論となった模様です。


うーーーん、残念!


◇【目的】連結売上3兆8200億円(世界最大級)規模で本格的に世界市場に進出!

 ・景気低迷や少子化で国内市場は縮小方向、今後期待出来るのは世界市場
 ・海外進出のため、世界に通用する事業規模(世界最大級)を実現

◆【手段】上場会社(国内1位)と非上場オーナー会社(国内2位)同士の経営統合


なんとか実現して欲しかったですね。詳しい話し合いの中身は知りませんが、どこかで手段が目的化しちゃったんでしょうか。両社の将来にとって大変意義のある大きな目的のため、お互いにもっと話し合いを進めることが出来なかったんでしょうか。

<例えば>

いきなり合併じゃなく、戦略的な提携先(戦国時代で言う同盟のような)として、互いに50/50で出資し合って小さな子会社を作って、何か試験的なマーケティング開発を行なったり、互いに人材交流を行なったり。経営統合後にコストダウン出来そうな部署をその子会社を使ってお互いにアウトソーシングしてコストダウンメリットを先駆けたり、とか。


ま、でも今回の件はとっても残念ですが、日本の経済界全体にとっては良い意味で、1つ大きな波紋を投げかけることになったと思います。(影響力は大だと思います。)

<キリン・サントリーの経営統合の目的>

 ・景気低迷や少子化で国内市場は縮小方向、今後期待出来るのは世界市場
 ・海外進出のため、世界に通用する事業規模(世界最大級)を実現

これは、実は国内のほとんど全ての業界に共通して言えることです。

つまり、今後は食品以外の他業種でも、国内シェア1位、2位の経営統合(合併)による世界進出を考える企業が増えると予想出来ます。

たとえば、

 ◆【自動車】トヨタと日産、あるいはトヨタとホンダとか。
 ◆【家電】日立とパナソニック、ソニーと東芝とか。
 ◆【住宅】大和ハウス工業と積水ハウス
 ◆【製紙】王子製紙と日本製紙グループ
 ◆【食品】味の素と日本ハム

就職氷河期とか言われている今の日本経済です。でも、日本だけじゃなく世界に目を向けると、人口はもっともっと増え続けるし、世界市場はまだまだこれからもっと右肩上がりです。そして日本企業はここで「変化(進化)」して生き残っていくことが出来るかどうかの瀬戸際に来ています。

個人的な期待も含め、次は自動車業界だと注目しています。どう考えても今後の日本の予想人口分布図を見ると、これからは車が圧倒的に激減するだろうなと。でも世界に注目すると、中国、インド、インドネシア、ブラジルなどは2000年と2020年を比べると2倍以上の市場になるだろうし。国内メーカーでますます狭くなる縮小市場を取り合ってる場合じゃないですよ。

変わるか、変わらないか。

キリンとサントリーは、変わりたかったが、変われなかった。

<マネジメントの基本原則>
 ・何を変えるか?
 ・何に変えるか?
 ・どのように変えるか?

変わることが出来て、はじめて結果が変わります。


うーーーん。


坂本龍馬がいれば、キリン・サントリーも統合出来たのかも。