サッカーの話です。
サイドの選手が中央ペナルティエリア付近にいるフォワードの選手にボールを蹴ってパスをすることを「センターリング」(センタリング)と言います。そしてこのセンタリングの種類の1つで、相手陣内深くまでいかずに、中盤くらいからピッチを斜めに横切るパスを「クロス」と言います。
そして、このクロスの中でも、中央の味方のフォワードや相手ディフェンダーや、ゴールキーパーの位置を確認してから蹴る場合と、「勘」で蹴りこむキックとがあります。このルックアップせずに「勘で蹴る」クロスのことを「捨てクロス」と言います。言ってしまえば、中央を見る余裕も無く、競り合っている相手ディフェンダーにボールを獲られる前に、「とりあえず適当に蹴ってしまえーっ」て感じのパスのことです。(笑)
ちょっと前置きの説明が長くてスミマセン(笑)
実は、この適当に勘で蹴る「捨てクロス」が、現在サッカーの戦術で非常に価値のあるものと見直されているようです。
例えば、2月10日の日本vsアメリカでの巻選手(ジェフ千葉)の得点シーン。この得点をアシストをしたのが加地選手(ガンバ大阪)です。このアシストした時のパスが、まさに「捨てクロス」だった訳です。では、なぜこの「適当に勘で蹴る、捨てクロス」が有効なんでしょうか?
1.相手ディフェンダーが、中央へパスを出すタイミングがわかりずらい。
(→クロス成功率が上がる)
2.中央でいるディフェンダーがパスコースを予測して消せない。
(→味方フォワードの反応が早ければ、得点率が上がる)
逆に、デメリットはなんでしょうか?
1.中央の状況がわからないので、味方のいない場所に蹴る可能性もある。
2.単純に相手にパスをしてしまうこともある。
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今日の試合(フィンランド戦)を観てて、村井選手(ジュビロ磐田)の「捨てクロス」はすごく有効だったと思います(結果的に得点にはなりませんでしたが…)逆に加地選手は、中央を見て、無理なので後に下げるパスが多かったように思います。最後に交代した駒野選手(サンフレッチェ広島)が「捨てクロス」を出してくれましたが。
僕が個人的に思うに、
◆アレックス選手・・・キックとドリブルに自信がある、中を見てパス。
◆村井選手・・・ドリブルに自信がある、「捨てクロス」が多い。
◆加地選手・・・スタミナに自信がある、たまに「捨てクロス」あり。
◆駒野選手・・・左右の足で蹴れる、「捨てクロス」が多い。
のように感じています。「捨てクロス」が多いと言うのは、ゴール前へボールを蹴る回数を多くすることが、自分の仕事(責任)だと感じているのでは無いでしょうか。
そんな思いから、ドイツワールドカップの試合には、ぜひとも、左サイドは村井選手、右サイドは駒野選手で戦って欲しいと思います。(お願いします、ジーコ監督!)
そしてフォワードには、そんなタイミングを掴みにくい(合わせにくい)「捨てクロス」に合わす事の出来る、天然野生児「久保選手」と、ニヤー飛び出し・ワンタッチゴールの佐藤寿人選手(又は大黒選手)がベストなんではないでしょうか。
日本のレベルの高い中盤のパス回し、サイドからの早い攻め(捨てクロス)
これは、世界に通用すると思いますヨ。日本のスタイルとして確立させたいですね。
がんばれ、ニッポン!