ゆずれない想い | 両軸愛者 ~引金派~

両軸愛者 ~引金派~

I am the bone of my bait casting reel .
――― 体は両軸で出来ている

港のとある場所に立って釣りをしていると、暗闇の中で背後に人が近づいてきました。



ルアーをキャストする時の範囲内で危ないので手を止めていると、向こうから話し掛けてきました。



???「こんばんは。その場所でいつまで釣りをされますか?」



声の主は少なくとも年齢が自分よりもひと回り以上は離れてる感じのおいちゃんでした。



ワシ「こんばんは。さっき来たばかりなので移動は考えていませんけど…」



と伝えると



おいちゃん「勝手に待つんで大丈夫です。朝まででも。」



と返答され耳を疑いました。



ワシ(待つ?朝まででも…?)



引っ掛かるものがあったので再度声を掛けました。



ワシ「自分は朝まで粘るつもりなんですけど、他に移動された方が良いと思いますよ?」



おいちゃん「もしこのまま朝を迎えたとしても、今日はそういう日だったと思って朝日が登ったら帰りますから気にされなくて結構ですよ。黙ってここであなたが立ち去るのを待ちます。」



それから2時間この場から動かず釣りにしている間も、おいちゃんはその場から直立不動で微動だにしませんでした…。



ずっと背後で待ち続けられるのは非常に申し訳ない気持ちになったので再再度声を掛けてみる事に



ワシ「本当に待たれるんですね?何狙いなんですか?」



するとおいちゃんは待ってましたと言わんばかりにヘッドライトを点け、自前のバックから小さな二つのアルバムを取り出し語り始めた。



おいちゃん「この場所でこれで仕留めたアコウとクエの写真がこれ、その時釣った仕掛けがこれなんだけど…」



なんとアルバムの中にこの場所で釣り上げたハタの写真と仕掛けをとじていたのでした。



凄い拘りだなと思いつつも、同時に気味悪い感じがしたのが正直な所でした。



饒舌になったおいちゃんはアルバムをしまうと、再度真顔になり直立不動の姿勢でコチラに言いました。



「おにーちゃんが帰るの待つから気の済むまで釣りをして貰って大丈夫だから、それ位の気持ちがないとこの場所では釣れないから、本当に気にしないで日が昇るならその時は勝手に帰るから大丈夫。」



と言われて丑三つ時だし周りに誰も居ないしで、もう何だか怖くなってきて場所を譲って帰りました。



道具の準備でライトに照らされたおいちゃんは満面の笑みを浮かべていて、その時は本当に恐怖しか無かったですよ。



幽霊なんかは怖くないんですけどねw



あれから明るい内に何度か見掛けたけど、その場所に釣り人がいると自分の時と同じ様に背後で待っているので、わかってプレッシャーかけてきているのか定かではありませんが、この場所に対する気持ちが筋金入りなのは間違いないですね。



確かにハタ系が同じ場所でヒット率が高いのは分からんでもないけど、今来たばかりどくかも分からない人に朝まででも待ちます宣言はヤバいと思いました。



最近は港に近づく事も中々無いのでその後は分かりませんが、今日は数年ぶりにそこに立っていて思い出したので書きましたw



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