~FMヨコハマ「ちょうどいいラジオ」2017.12.14.OAより~
母乳110番の竹中恭子が出演させていただきました。
ありがとうございました!
書き起こし原稿の記載、ご快諾いただき感謝いたします。
以下になります。聴きはぐった人はこれ見て下さいね~~。
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光邦:「家族とつながる」をテーマにお届している今日の、
「ちょうどいいラジオ」。ありがとう感謝メッセージ
お母さんに対するそんな感謝のありがとうも
たくさん届いていますが
この時間は、育児中のお母さんに寄り添う活動を
していらっしゃいます、
「母乳110番」代表の竹中恭子(たけなかきょうこ)さんに
お話をうかがいます。
この「母乳110番」は、母乳で赤ちゃんを育てる人たちを
応援しようというわけで
母親たちが立ち上げた電話相談。
母乳に関するさまざまな悩み相談に応じています。
ボランティアとして活動を続け、今年、開設25年を迎えています。
竹中さん、おはようございます!よろしくお願いします!
竹中 よろしくお願いいたします。
光邦:先日新聞記事で見かけて、お話を伺いたいと思ったんですけれども、
この母乳110番、開設から25年て。いや~、すごいですね。
これ、始められたキッカケってのは何だったんですか?
竹中 横浜には「よこはま自然育児の会」という育児サークル
がありまして
そこの1991年度の代表になったことがきっかけなんです
その頃はですねえ
自然な、お産が脚光浴びていまして
母乳で育てたいという人が増えてきた時期でもあるんです
でも
母乳育児の情報がほとんどなかったんです。
そこで母乳育児サークルの代表
なら知っているんじゃないか、ということで
毎日、自宅に、電話がじゃんじゃんかかってきたのです。
光邦(みつくに)さん、おっぱいトラブルって知ってます?
光邦:え?おっぱいトラブル、ですか?
母乳が詰まって炎症を起こすことを
乳腺炎というんですけれども
そこまではいかない「しこり」とか
「詰まり」とか
あと赤ちゃんがそっくり返って飲んでくれないとか
そういうのを、「おっぱいトラブル」っていいます。
光邦:ほおお。
私は長女の時、このおっぱいトラブルが多くて
すご~~く苦労したんです
電話帳をめくっても診てもらえる先が見つからない。
「なんで水道の詰まりは24時間みてもらえるのに、
母乳はみてもらえないのよ!
て思ってました。
だから電話を
かけてくる方の気持ちがよくわかってですね・・・
多い時は1日7~8本の相談を受けていました。
1年近くたって2千件を越えた時に、家族の我慢も限度に
達しまして
「この電話を公共のものにしよう!」と決意したんです
光邦:は~。竹中さんの元に電話がかかってくるから。
公共のものにした方がいいと。
へえ~。それだけ悩まれている方がいっぱいいらっしゃるということですもんね。
竹中 はい
光邦:その相談員というのは、お母さんたちということなんでしょうか?
竹中
そうなんです。開設前から実は「人手」はありまして。
先ほどお話した「よこはま自然育児の会」ですが
これは1968年からある、もう30年以上続いている
育児サークルでして、
当時すでに200人くらいの会員がいて、そこで
「母乳110番をつくろう」と呼びかけたんです。
みんな、やろう!と言ってくれました
光邦:へえ~。
ただ、
育児のサークルの会員ですから
みんな乳幼児連れのママです。
授乳中でしょう?それから次の子を妊娠中もあります。
あと上の子の幼稚園のお迎え時間がある人もいるし
お子さんが熱を出したりなんてしょっちゅうですよね。
つまり
ドタキャン率がすご~~く高いわけです。
光邦:急に行けなくなっちゃうことなんてありますもんね。
当日の人手が読めない。
当番表なんてあってないようなものです。
光邦:そうですよね
そこで、どうしたかといいますと
人海戦術をとりました。
光邦:ほう。
常に2~30人くらいに声をかけておくんです
そうするとまあ10人くらい、来る予定になってますよね。
バタバタと色々あったとしても、そうすると2~3人は
来られるんじゃないか。そんな感じでやりました
光邦:へえ
だから「いつつぶれてもおかしくない」て皆さいしょから
思ってましたし、私も思ってました。
今も思ってます。
光邦:へえ~。なんかいいですね。その皆さんの善意だけで
こういうことやられていて。25年続けてこられて。
竹中 はい。
まさか25年も続くとは思っていませんでした。
光邦:ただ、相談員になるには、必ず研修を受ける必要があるそうですね?
竹中 実は開設しようとした時、一部の医療者さんに
猛反対されました。
光邦:え?
竹中 「素人なのに子どものことで相談にのったり
して何かあったとき責任がとれるのか」って。
実際私たちは普通の
母親ですから、非常にびびりまして。
横浜市に相談しました。
光邦:ええええ?
竹中
そうしたら「それは専門家の思い上がり。
体のことは誰が語ってもいいのですよ」と
言っていただけたんです
光邦:へえええ
竹中 うれしかったです。
「ただし、キチンとした研修を
した方がいい」とも言われました
実際にベテラン
相談員の方に講師をしていただき
その研修を記録してテキストを作成しまして
光邦:うん
相談員になるには必ず研修を受けてもらうように
今もしています。
光邦:はあ~。そういう経緯があったんですね。
竹中 はい
光邦:で現在、相談日は月2回ということなんですが、
相談内容で多いものぅてのはどんなもの質問なんでしょうか?
竹中 ダントツ多いのは、「母乳の不足感・不安」です。
母乳って最初のうちは特になんですけれど
「出ているのか出ていないのか」
ママ自身も良く分からないんですよ
光邦:ほお~
ましてや他の人はもっと分からないでしょ
光邦:ええ
竹中 数字にならないというか
定量化できない。
だから
赤ちゃんが泣くたびに母乳不足ではないか
ミルクを足さないといけないんじゃないか
と、すぐに言われちゃう。
光邦:あ~~
その悩みが一番多いです
光邦:どんどん不安になりますよね
竹中 はい
次に多いのが「離乳食」と「卒乳」です
あと先ほどの「乳房トラブル」「授乳のしかた」、
「母親の身体」とつづきます。腱鞘炎ですとか腰痛とか
肩こりに悩む方も多いです。
たくさんの悩みが複合している
ケースが多いです。
光邦:相談に載る時は、どんなことに心がけていらっしゃるんですか?
竹中 とにかく相談者さんのお話を聞きます。
比率にすると
99.9%くらいは聞きます。
光邦:う~ん
竹中 誠実に聞き続けて
じゅうぶん信頼関係が生まれてからですけれど、
残りの0.1パーセントくらいで
何らかの情報提供やご提案をしています。
光邦:へえ~。
竹中 それから提案といっても約束ごとがあります。
ひとつだけの
情報提供をしないことなんですね
必ず複数以上の選択肢をお話します。
光邦:ほおお
竹中 ひとつだと、知らずに押しつけになっちゃう可能性があるからです
光邦:なるほど
竹中 でも
2つかそれ以上の情報があれば、相談者さんは自分で選ぶことが
出来ますよね。
光邦:うんうんうん
竹中 例えば「母乳をやめる」選択肢もあります「続ける」選択肢
もあります
それから止めるにしたって「ミルクに切り替える」とか
「混合にする」とか
答えはひとつじゃない。
要はお母さんが悩みから救われればいいわけなので
光邦:ああ~
手段は何でも
わけです。
光邦:こういう提案がありますよ、という
道筋を立ててあげるということなんですね
竹中 そうです。それで
本当はどうしたいのかな。そこを聞き取っていくうちに
皆さんご自分で答えを出していかれます。
光邦:あ、なるほど
竹中 だから答えを出すためのお手伝いをする電話
とでも言うのでしょうかね。
そんな感じを心がけています。
光邦:へえええ。いま共働き世帯も増えて、仕事、家事、育児と…
すべてを頑張っている人も多いと思いうんですが
そんなお母さんにメッセージを竹中さん、何か頂けますか?
竹中 特に小さい子のママさんにお伝えしたいのですが・・・
自分を責めないでほしいです!
今はですね
検索地獄って私たちは呼んでいるんですけれど
光邦:検索地獄?
竹中 うちの子にとって一番いい情報を選びたい人が多い。
しかも
「失敗したくない」。
で、うまくいかないと自分を責めちゃう
「泣かせたくないんです。泣かせないで子育てするにはどうすれば
いいですか」って本気で聞く人がいるくらいですから。
でもそれ、ムリですよね。
光邦:うん
竹中 なんたって
生きモノ相手なのですからね。
色々やってみて、失敗しながら
泣いたり笑ったり怒ったり
しながら。過ごしていくものだと思うんですよ
それに
母親を責める人が本人含めて多すぎる。
もっと楽しんでほしいし
「いい加減な状態」の方を
普通と思って、ゆったり暮らしてほしいなって、思っています。
光邦:ああなるほどね
泣かないで子育てするにはどうすればいいかって
何か悲しくなりますね。
やっぱり周りがもっと寛容にならないといけないと思うし
竹中さんがおっしゃるように、いい加減ていうのが大事ですね。
竹中 思いつめてしまうんでしょうけどね
光邦:ちょうどいい加減ていうのが大事ですね
ということで、母乳110番代表の
竹中恭子(たけなかきょうこ)さんにお話を伺いました。
竹中さんが書かれた本で、
母乳110番によくある相談内容をマンガと文章でまとめた、
『おっぱいとだっこ』が、PHP研究所から発売されています。
ぜひこちらもお手にとってみてください。
竹中さん、どうもありがとうございました!
竹中 こちらこそ、ありがとうございました。
以上