Bon Vin Club 158th ボルドー | レストランおいしんぼ  Petit Bon

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・2022年1月13日(木)、ワイン会「Bon Vin Club」の158回目となる例会が開催されました。

テーマ:ボルドー

 


①Jaillance Cremant De Bordeaux Brut Heritage
ジャイアンス・クレマン・ド・ボルドー・ブリュット・エリタージュ

生産地:フランス>ボルドー

生産者:ジャイアンス
ぶどう品種:セミヨン70%、カベルネ・フラン30%

 

ジャイアンスは1950年にコート・デュ・ローヌ中部、ディー村の協同組合としてスタートし、2001年に現在の社名に改められました。そしてその他の地域のスパークリングの生産にも着手しました。
 クレマン・ド・ボルドーを生産するブール・シュール・ジロンド村の醸造所を購入し、その後も各地域の優良生産者とパートナー契約を結び、ジャイアンスブランドとして様々なスパークリングワインをリリースしています。現在22カ国へ輸出され、シャンパーニュを除くAOCスパークリングのフランス国内シェアもNo1を誇るトップブランドへと成長を遂げています。
 クレマン・ド・ボルドー・ブリュット・エリタージュは、採石場の跡地に作られたセラーで、温度変化の少ない理想的な環境のもと18~24ヶ月シュールリー熟成され、丸みと複雑なアロマを帯びます。
白い花やアーモンドのようなエレガントな香りがあり、泡立ちはクリーミーで、アタックはバランスよく、長く持続する余韻はブリオッシュを感じさせるものがあります。

 

②Chateau Lehoul Graves Blanc 2018

シャトー・レオール・グラーヴ・ブラン
生産地:フランス>ボルドー>グラーヴ
生産者:シャトー・レオール
ぶどう品種:ソーヴィニヨン・ブラン80%、セミヨン20%

 

シャトーはボルドー市内から南へ約50km、ソーテルヌの先ランゴン郊外に位置します。
 オーナーのエリック・フォンタの父の代までは酪農なども兼業とし、祖父の代までは甘口の白ワインだけを造っていました。エリックは13~14歳の頃、家業の手伝いはしていましたが、継ぐ意思は無く教師を目指していました。
 そんな彼に転機が訪れたのが20歳の頃です。地元のワインテイスティングクラブへの入会をきっかけにワイン造りに興味をもち、24歳の時に家に戻りワイン造りを始めました。
 新たに畑は取得せず以前より所有していた10haの畑(樹齢60年以上のセミヨン・樹齢10-30年のソーヴィニヨン・ブラン)を大事にし、収量はグラーヴの平均以下に制限し、丁寧な仕事をしています。
 グレープフルーツを彷彿とさせる爽やかなアロマ、そしてしっかりとした酸と骨格を持ち、洗練されたグラ―ヴの白を感じさせるワインです。 

 

③Chateau Vermont Rouge La Grande Cuvee 2016
シャトー・ヴェルモン・ルージュ・ラ・グラン・キュヴェ

生産地:フランス>ボルドー
生産者:シャトー・ヴェルモン
ぶどう品種:メルロー90%、プティ・ヴェルド10%

 

シャトーはアントル・ドゥー・メールのタルゴン村に位置し、40haのぶどう畑を所有しています。1880年代から同地区を代表するトップ・シャトーとして知られていましたが、その後、過去の名声を失っていました。

2010年に娘で4代目のエリザベートが夫のダヴィドと共に父からシャトーを引き継ぎ、より高い品質とテロワールが反映されたワインを目指し、新しいセラーの建設、モダンな設備の導入、植密度を上げるための植え替え等の大々的とも言える改革を行い、昨今、各ワイン評価誌で高い評価を得るまでの見事な再生を成し遂げました。
 ワイン造りについては、ラングドック、ボルドー、スペインなど数多くのワイナリーで活躍している敏腕コンサルタント「クロード・グロ」のアドバイスを受けており、ヴェルモンのワインはギド・アシェット、デカンター誌などのワインガイド、そして品評会で高く評価されています。
 ルージュ・ラ・グラン・キュヴェは、発酵と熟成を新樽で行います。完熟した赤~黒系の果実と樽からのスパイス、バニラの風味がとてもバランスよく混ざりあっています。非常に凝縮感があり、しっかりとした骨格に支えられていますが、洗練されており、優雅な余韻を残します。

 

④Chateau Lynch Moussas 2009
シャトー・ランシュ・ムーサ

生産地:フランス>ボルドー>ポイヤック
生産者:シャトー・ランシュ・ムーサ
ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン73%、メルロー27%

 

1855年のメドック格付けでは5級に格付けされ、18世紀頃はジャン・バティスト・ランシュ伯爵所有のシャトーで、今日よりも巨大な所有地を持っていました。しかし後にシャトー・ランシュ・バージュとシャトー・ランシュ・ムーサの2つのシャトーに分割・縮小され、その後次第に荒廃していきました。
 その後1919年に当時シャトー・デュアール・ミロンを所有していた、名門カステジャ家の手に渡り、1970年にエミール・カステージャの代になると大規模な修復が行われ、以降の高品質なワイン造りにより、往年の名声を取り戻しつつあります。
 外観は深みのあるガーネット色で、ブラックベリー、ブラックチェリー等の黒系果実に腐葉土、なめし皮、きのこ、スパイスのようなニュアンスも加わります。

柔らかい果実味と穏やかな酸、シルキーなタンニンから構成されるワインで、余韻は優雅なものがあります。
 力強く、晩熟なワインが多いポイヤックの中では稀な造りで、エレガントな印象さえ受けます。

 

⑤Clos des Litanies 2000

クロ・デ・リタニ

生産地:フランス>ボルドー>ポムロール
生産者:ジャヌイクス家 ぶどう品種:メルロー100%

 

ペトリュスと並ぶポムロールのトップのシャトー「ル・パン」に隣接するクロ・デ・リタニの畑は1514年からの歴史があり、由来はここを訪ねた巡礼者がヴィニュロン(ワイン生産者やワインメーカー)達を相手に祈祷したことから始まったと言われています。
 所有者は名門ジャヌイクス家であり、現在はラ・クロワ・サン・ジョルジュ、そしてクロ・デ・リタニ等を一躍有名にした「ジョゼフ・ジャヌイクス氏」に代わり、ジャン・フィリップ・ジャヌイクス氏により運営されています。右岸の若手のホープとされ、非常に注目されている彼は、その一家に受け継がれる伝統・技術を身につけながらも常に伝統の技術で終わることなく、新しい方法を模索し続けています。
 わずか0.84haの畑からの生産量は年間約400ケースと極少で(日本への入荷は毎年25ケース程)、樹齢60年越えのメルローを新樽100%にて18か月熟成して造られます。
 エッジに僅かにレンガ色がかかるルビー色の外観で、完熟したチェリー、プラム、ブラックベリー等を連想させる赤~黒い果実の豊かな芳香があります。円熟味を増した純粋な果実味と、丸く滑らかな舌触りのタンニンとの絶妙な調和が見られ、官能的な長い余韻には、上品さと繊細さも感じられます。