「振動」

おじさんは
海へ
行くのです
海へ
出て行くのです
蝶の羽根を広げて
その透明は
海の底よりも深いところに
突き刺さったまま
さいごの日を迎えるのです
さいこうの日を迎えるのです
潮の満ち引きは
いま
目の前で
見えるでしょう
砂をけずり
貝殻はまた厚くなる
テトラポッド
向こう岸に住む人々とつながり
かなしくも
わたしたちはいきている
さようなら
また明日
わたしたちはいきている
また明日