『希望の子へ』

まさに真新しいランドセルを背負って
桜の花が舞いちる中を歩む
でもごめん
たんぽぽの綿毛のほうが
似合っているよと
家族はいう

写真は撮った?
集合写真
あなたは口紅を塗らなくても
真っ赤なくちびるをしている

厚めのまぶたが
より厚くまぶしそうに天をあおぐね
この清々しい春の空をわって
もしそこに、幸せの絶頂のそのときに、ばくだんが落ちたら
もう会うことはないんだね

でも幸いにも
それはわたしのほうに
降ってくるかもしれないから
せめて
あなたのこれからが
人に恵まれた人生になりますようにと
願わせてください

無邪気な笑い声が
漏れ聞こえるのは
気のせいなんかじゃない
いま生まれたばかりの1年生は
けらけら
けらけらと
笑っている
その響きは
頭の中を無にしてくれる

朝寝坊しちゃいけないよ
忘れ物をしちゃいけないよ
悪い人について行っちゃいけないよ
お母さんの言うことを、よく聞くんだよ

どうか変わりない明日が、
訪れますように
その無邪気なあやまちを
見過ごしてもらえますように